そわそわしてない?
「最近、ちえさぁ。何かそわそわしてない?」
隣で卵焼きに箸をつけながら藤堂さん…渚が私に訊いた。
とても、疑わしき目で…
「…別にいつも通りだよ」
「怪しい。ねぇ?誠子もそう思うでしょ?」
渚が隣で、同じく疑わしき目を私に向けていた山南さん…誠子に訊いた。
「うん。そわそわしてる」
誠子がハッキリと答えた。
それに思わず、苦笑する。
相変わらず、勘が鋭い友達だ…いや、私が分かりやすいだけか…
伊東さんとの試合のすぐ後くらいに私たちは互いに名前で呼び合うことになる。
すると前以上に仲良くなった感じがして、微笑ましかった。
こうして、いつのように昼休みに机を囲み、一緒に弁当を食べている。
「ははーん。さてはどちらかと付き合うことになったとか?」
渚が変な声を出して私に訊く。
どちらかとは、おそらく大とコウのことだろう。
「そうなの!?」
すると誠子が興奮して前のめりになる。
「違うわよ!大とコウと何かある訳ないでしょ!」
私はすぐに声を荒げて否定する。
「なら、近藤くんと土方くん以外なら何かあるの?」
渚がさらりと言った。
思わず、図星だという間を取ってしまう。
「原田くんだ」
誠子が閃いたと言わんばかりに呟いた。
「へぇー原田くんかぁ。あんな身なりしているから、近づきがたい感はあるけど、よくよく見るとイケメンだもんね」
渚が誠子とうんうんと頷き合う。
だから、すぐイケメンかどうかで男子を評価するのはやろってば…
私は内心でため息をついた。
「違う違う。本当に何にもありません。これ以上、勝手な想像をしてありもしない詮索をしたら本気て怒るわよ…」
私は少し凄みのある声で忠告をする。
「…ごめんごめん。少し調子に乗りました…」
渚がペロッと舌を出す。
「ごめんなさい…もうしません」
誠子が申し訳なさそうに俯いた。
「…ったく」
小さくため息をついた。
それは、呆れたため息でなく、どちらかといえばホッとしたことによるものだ。
このあとはすぐに話題が別のことに変わったので、更に安堵してその話題に耳を傾けた。




