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とらいあぐる  作者: おきゆむ
高校一年 春
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43/75

約束は約束

「は、原田とデート!?」


大が夜道で大声を出した。


コウが静かにしろというジェスチャーをする。


「…仕方ないでしょ。約束は約束なんだから…一回だけよ一回だけ…」


私は仏頂面でぼやいた。


「何かしているなとは思っていたけれど、まさかそんな馬鹿な賭けをしていたとは…」


コウが呆れた様子で右手で顔を覆った。


伊東さんに続き、また私は相手の挑発に乗ってしまった…


コウが呆れるのも仕方がない。


「いつだよ…?」


大が私と同じような仏頂面で訊いた。


「…日曜日」


気まずそうに呟く。


「はあ?すぐじゃねぇか…?」


私はこくりと頷いた。


「…どうするんだ?素直にデートをするのか?嫌なら俺から色々と難癖をつけて有耶無耶にすることは出来るが…?」


コウが眼鏡を直しながら提案をする。


それを首を振って否定した。


「…ううん。ちゃんとデートは行くよ…約束は約束だからね。…それにあいつ凄く喜んでたし」


私はやや俯き加減で答えた。


「そりゃ、好きな相手とデート出来るんだ…喜ぶに決まってるだろ」


更に仏頂面になって大が言った。


「…まあ、ちえがいいなら構わないが、その気がないのに変な期待をさせるのは可哀想たぞ」


「…分かってる」


…でも、大もコウもなんか最近恋模様が渦巻いている。


もし、大が斎藤さんと付き合って、コウが伊東さんの想いに応えたら、私はぼっちになってしまう…


それなら、私も恋のレールに少しは踏み込んでもいいんじゃないかと思えてくる。


勿論、剣道が一番だ。


…でも、原田なら剣道を一番でも付き合っていけるかもしれない。


…なんてことは、到底二人の前では口には出せなかった。


…馬鹿なことは考えずに、日曜日はとりあえず友達感覚で原田とデート…いや、遊びに行ってこようと思う。


そのあと、私たちは何も語らずに家路を辿り別れた。


なんとなく気まずくなってしまったんだ…


前までならそんなことはほとんどなかったのに…


最近はこんなことが多いことに苛立ちを感じる。


私は玄関の前で大きなため息をついてから、一旦リセットして家の中に入った。

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