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第3話 鑑定

「春野さーん」

「はいはい 清水さん どうしました? 」


今日も元気に俺の声が冒険者ギルド(ハローワーク)に響く


「春野さん、俺 鑑定スキル生えた! 」

「はぁ 鑑定スキルですか」


鑑定スキルが生えたことでこれで勝つるとウキウキな俺と裏腹に春野さんはそっけない。


「なんでそんなに冷静なのよ!  鑑定よ 鑑定」

「はいはい 鑑定ですね。すごーい」

「なんかすごい 棒読みなんですけども」


俺に何か言いたそうな春野さんはしばらく考え込んだあとカウンターの上のインク壺とカウンターの中から取り出したインク壺を俺の前に置いた。


「清水さん これ 鑑定してみてください」

カウンターの上にあったインク壺を鑑定する


「シマウマ印 品質 上」

もう一つの方

「ライオン印 品質 中」

「はい 両方とも合ってます」

「な すごくない? 」


続けて春野さんは言った


「では どっちが 価値が高いですか? 」

「 品質 上 だから シマウマ印! 」

「ハズレです」

「えっ! 」

「ライオン印のインク壺はできがすごくいいんです。なので品質が中でも シマウマ印の上のものより 価値があるんです」

「えー」


そして 春野さんは 今度はペンを2本出してきた。


「はい これ鑑定して」

「シマウマ印 品質 中

 ライオン印 品質 中」

「はい合ってます。では価値が上なのは? 」


俺はバカじゃない。すぐ答えた。


「ライオン印! 」

「ハズレです」

「えええー 」

「シマウマ印はペンに特化した職人がいましてね、ペンはどこよりも人気なんです。なのでペンはシマウマ印の方が価値があります」

「理不尽! 」


はぁと溜息をついて春野さんは言った。


「いいですか、確かに鑑定で名前や作者、品質はわかります。ですが価値は別物なんです。

得意とする分野や時期で変わります。たとえば花瓶とかでも何代目が作ったのか、得意とする題材はなにか、初期と晩年でどう違うかとか、価値を判断するには知識がいるんです。

そしてそれだけの知識をつめば鑑定なんかなくても価値は判断できるようになります。

鑑定はその最初のステップを省略できる、くらいなんですよ」


俺はがっかりして春野さんに尋ねた。


「じゃあ 今の俺の鑑定は役立たず? 」


うーんと考え込んでから春野さんは言った


「お店で一番いいリンゴはわかると思いますよ」



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