06 源頼信の忠臣と、その家族の悲運
将門の乱が治って以来、しばしの間、平穏な日々が続いた。
しかしそのうち、またもや、あちこちで盗賊らが暴れ始める気配を見せていた。
これを鎮圧するため、朝廷は、源頼信らに東国制圧の命を出していた。
頼信は、元々有能な武士であった。
しかし、なぜか最近、美女たちを集め、昼間から酒宴を開いて遊び呆けるようになっていた。
これを見た家臣の藤六左近輔相は、主君を諌めようとして進言した。
これを聞いた頼信は激怒して、藤六を手打ちにする。
しかし藤六を斬った頼信は、そこで急に目が覚めたようになる。
そして、今までの自分の行いを後悔する。
実は、ここまでの頼信の乱心は、平太郎の前に現れた肉芝仙の妖術によるものだった。
藤六には、綱手という妻と唐衣という娘、そして生まれたばかりの乳飲子がいた。
藤六が手打ちになったと聞いた綱手は、自分たちも何をされるか分からないと思い、慌てて家を出る。
そして、一条桟敷屋という所の知り合いの元に身を寄せていた。
この一条桟敷屋は、鬼が出る所として知られる場所だった。
ある夜、綱手の前に、牛車に乗った鬼女が現れる。
その鬼女は、綱手の乳飲子を奪い、食べてしまう。
嘆き悲しんだ綱手は、正気を失い死んでしまう。
同じ頃、外浜で錦木を殺した老熊は、京都に逃げて盗賊の仲間入りしていた。
老熊は、京の町でたまたま見かけた唐衣のあまりの美しさに、こう考える。
「この女を捕まえて売り飛ばしたら、普通の女十人分くらいの金になるに違いない」
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