10 反逆者たち再び集う
さて良角は、則友が着ていた服を奪い、修行者のふりをして立山の麓まで来た。
そこで山賊のような男たちと会う。
そして戦いとなり、初めのうちは良門が山賊を蹴散らしていた。
しかし四方を火で囲まれ、良門は、落とし穴に落ちて捕らえられる。
山賊たちは、良門を、大王と呼ぶ自分たちの親分の元へ連れて行く。
すると、そこにいた大王と呼ばれる男。
男は、年齢は七十歳くらいだが、2メートルを超える大男。
長い白髪と長い髭、見るからに凶悪そうな顔をしていた。
クマの皮で出来た衣を鎧の上に纏い、鹿の皮で出来た袴を履いていた。
大王の前に連れ出された良門。
大王は、良門の生肝を食うと言う。
そして手下に、良門の命を奪えと命じる。
大王の手下が刀を構えたその時、良門は、縛られていた縄を振り解く。
そして大王の手下の刀を奪うと、その首を切り落とした。
そう、良門は、わざと捕まったふりをして様子を伺っていたのだ。
良門は、そのまま大王に向かって切り掛かっていった。
大王は、それをかわして自分の刀で良門に応戦する。
二人の斬り合いはしばらく続き、なかなか決着がつかない。
すると突然、大王は自分の刀を投げ出して言う。
「お主、ただ者ではないな。一体何者だ?」
これを受けて。良門も刀を納めて言う。
「そういうお前も只の盗賊ではないな。お前が先に名乗ったら、俺も名乗ることにしよう」
大王は納得した様子で名乗る。
「俺は、藤原純友の腹心とも言われた海賊の大将、伊賀寿太郎だ」
これを聞いた良門は、自分が将門の息子だと名乗る。
そして、安方から奪った太政官印と肉芝仙にもらった将門の髑髏を見せる。
それを見た伊賀寿は驚く。
その印を朝廷から奪ったのは、まさに伊賀寿だったからだ。
そして、それを将門に渡したのも伊賀寿だった。
将門が東国で反乱を起こすのと同時に、西国では藤原純友が伊賀寿丸たちを引き連れて反乱を起こした。
しかし将門は討伐軍に倒され、純友もまた敗れた。
朝廷に刃向かった側の生き残り同士、ここでこうして巡り合うのは単なる偶然とは思えなかった。
「自分は、父・将門の意志を継いで、今の朝廷を倒し、新皇となってこの国を治めるつもりだ」
良門がこう宣言すると、伊賀寿は、喜んで応援すると言う。
そして、純友の形見の藤丸という鎧を取り出して言う。
「将門様の髑髏と純友様の鎧、この二つを持った我々が手を組めば、もはや将門様と純友様が蘇ったも同然だ」
こうして良門は、伊賀寿という力強い味方を得たのだった。
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