鈴木2号の過去 後編
「これがゼブフイカのメリーゴーラウンド?」
「縞馬で。しょう?」
「へい」
「乗、りや。しょう」
「大丈夫でやすか? 結構早そうですぜ?」
「負けま。せん」
「では乗りやすぜ」
クルクルー クルクルー
「おひぇええ楽しいでやすうう! スノーさんも楽しいでやすう?」
「こ、れ。は……うぅっ」
オロロロロ……
何と……スノーとやら、先程の定食全てを吐いてしまった。オエー
「おひぇえええ? 大丈夫でやすかああ?」
「は。ぁ。はぁ。これ。は一体、なんですか。?」
「恐らく乗り物酔いでやす。ああ……ステーキが無残な姿に……」
「掃、除し。なくて。ははあはあ」
ふらふらー
「ああっあっしがやりやす!」
トイレから箒、ちりとり、雑巾を持ってきて片付けた後、馬を丁寧に拭き取る。
「すい、ません。申し訳。ないで。すぜえ、ぜえ」
「さっきは大丈夫でしたのに不思議でやすねえ……大丈夫でやすか?」
「あれ、は遅い動きでし。た。の、で……」
「そうなんでやすね……ああ、だいぶ暗くなって来やした」
「夜のエレキテル連合パレードも、見たい。です」
「それだと仕事に影響出るでやんすう。少し休んだら帰りましょうぜ」
「そ、うですかそ。うですね吐いて、し、まった後で力が出ません」
「残念でやすが帰りやしょう……食欲戻ったんで?」
「少し食べた、いで。す」
「でいじょうぶでやす?」
「へ。い」
「さっきの店でいいでやすね?」
「へ、い」
「あれ? お客さんまた来たの?」
「おかゆとかありやす?」
「メニューにはないですがそちらの方、ふらふらしてるもの。消化にいい物を作ってあげないと」
「ありがてえでやす( ;∀;)」
「ありがとう、ご、ざいます」
「あ」
「どうしやした?」
「今回ラ、ンドで隠れワッキ。ー全く探せません。でし、た」
「また来やしょう! その時エレキテル連合パレードも見ましょうぜ」
「はい、!。」
「ハイなのかへいなのかハッキリしてくだせえ」
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「ねえ? これ死なない奴じゃない? ランドで楽しんだだけじゃない。何回脱線するのよ」
「すいやせん……今度は本当に死んだ時の話でやすう」
「本当にいい?」
ーーーーーーーーーーーーーーーー犯行当夜ーーーーーーーーーーーーーーー
「ここですぜ。悪名高きロボ山コンツェルンのロボ山社長の家。今日は全員で家族旅行の筈でやす」
「ここ、にあのピン。ク。ダイアが。…。…」
「何度か忍び込んで地図を作って置きやした。目当ての物はここですぜ。セキュリテイは後20分後に来る筈でやす」
「はいいきましょ。う」
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「へえ、今回のターゲットはピンクダイアなのね? この前はブラックダイアだったし……え? 宝石好きな人なのねスノーさん」
「そうでやすね」
「私ねそんな奴と最近会った覚えがあるのよね」
「おひぇ? 本当に?」
「ええ……」
(ピンクダイア……確か……世界で一つしかないと言われているダイヤよね? え? 確かホテルで奴が言っていたわ……太った体で戦隊ごっこしてさ……ピンクダイヤを小指にはめて見せ付けて自慢してなかったっけ? あ、ま、まさかスノーさんって!! 斉藤? 隆之? あのオーナーなの? まさか? そんな偶然……この話が本当だとしたらあいつ、犯罪者だったんだ……でも、悪い奴からしか奪っていないのね? それにさっきの悪徳金融業から奪った宝石も確かブラックダイアって言ってた。それも恐らく私が預かっている奴だ。それに銅像を建てたいって言っていたし……展示室で嫌というほど見たあれよね? あまりにも共通点が多すぎる……間違いない! 鈴木さんは奴とチームを組んで……あんな大きいホテルのオーナーに、有名な悪徳企業専門の泥棒の末建てたって事なの? 何て事……それじゃ私、犯罪者のホテルに泊まっちゃったって事なのね)
「ん? どうしやした? 急にシリアスな顔ですぜ?」
「なんでも無いよ……」
「そうですか? じゃ続き行きやすぜ?」
ーーーーーーーーーーーーーーー3年前 7月27日 23:50ーーーーーーーーーーーーーー
「しかし鍵だけで安心しているなんて馬鹿な奴でやす。スノーさんの怪力でこじ開けられるのに」
「ヌイ―」
メキメキ
「開きました」
「相変わらずのお力でやす」
「さあ宝石を頂、きましょ。う」
「腕とか痛くならないんでやすか?」
「いいえ? それ。どころ、か最近。益々力が漲って来るん、ですよ」
力こぶを作って見せる。
「凄い……ハルクも真っ青でやすね。それってもしかして皮膚が緑色に変わってからでやすか?」
「は、い」
「この先に金庫があります」
「これで、すか?」
「お願いしやす」
「ア、アイイイ」
ベゴッ
「おお! やはり一瞬」
「な、かみは?」
「ピンクダイアありやすぜ! それに札束も!」
「疲れま、したでは革袋に……札束は鈴木が、お願い、します」
「へい! これで仕事は終わりでやす……あっ」
ゴトッ
ロウソクの燭台が床に倒れる。絨毯にその火は燃え広がり、あっと言う間に火事になる。
ゴオオオオオオ……ボガーン
そして、突然大きな柱が爆発する。
「え? うわあ、やばい……早く逃げなくちゃ!」
ダダダッ
「スノーさん急いで!」
「分か、ってはいま。すが」
ビキビキ
「あっ」
床に亀裂が走る。
「このくらい」
ピョーン
「さあスノーさんも!」
「無。理。です、」
「30センチくらいの亀裂で? ……あっ……そう言えばスノーさん2ミクロンしか……どうするんでやすか?」
「こうしましょう」
隆之は逆立ちを始める
「成程!! 腕なら跳べるという事でやすね?」
「行きま。す」
ダダダダダッ ピョーン
「凄い! よし、目当ての物は奪ったんだ。早く逃げやしょう」
「まだ盗めた、ですが……悔。し。いですがここまで、でしょう行ましょう。」
ドドーン
燃え盛る柱が二人を分断する。
「くそ煙で見えねえでやす……それに息苦しい。先に行かせていただきやす」
「は。い。」
「確か階段は……おひぇ? おひぇええええ!」
ドドーーン
「ん? お、ひええとは何。です?」
「何ふざけてるんでやす? 悲鳴でやす……いってええでやす……あ、足が……」
鈴木は倒れてきた柱に足を捕えられてしまった。
「もうあっしは駄目でやす。スノーさんだけでも逃げて下せえ」
「そうはいき、ません。」
「銅像を作るんだろ?」
「ハ。ッ。」
「お前だけでも生き延びろ!」
「こんな柱。はどかし。ます」
かなり太いの大きな木の柱。それを一人で持ち上げる。
「止めてくれ! 燃えてるだろ! それ!!」
「鈴木が居なくなる。と困り。ま、す」
プスプス
「スノーさん……ありがとう」
ドドーン
しかしもう一本の大きな柱が倒れ、スノーは吹き飛び両足を骨折。
そして、鈴木とはぐれてしまう。隆之はこれ以上ここにいたら危険と判断し、逃げる事に。
「ダ。メだ煙で。見え。ない鈴木どこです。もうだ、めだごめ。ん」
「……」
返事が無い。鈴木は気を失ってしまった様だ。
ゴホゴホ
そして一階で誰かのせき込む音が?
「鈴木、ですか? ですが……声が違う。気が……ですがここはもう……行。くしかない、助けましょ。う
例え鈴木でないにしても人を傷つけ、る必要は無いで。す」
鈴木を諦め一階に移動。その声が響く部屋に入るスノー。
「動けない……苦しい……」
「この子、は机の下、に……」
足の折れた机の下敷きになっている高校生くらいの少年。手には何か持っている。カード?
何の事だ? しかしカード内の時刻。これが現在とほぼ同時刻だ。どういう事なのだ?
「誰かいるの?」
ぐったり
スノーの存在を確認すると気絶してしまう。
「居ま。したで。すが大分弱っ。ていますねよいし。ょ」
少年がうつぶせで倒れている。その咳の主はこの子であろう。隆之は机をどかし背にのせ歩く。
「この子、足が……折れているかもしれません。ねこの子はここ。に置きましょう十分遠くに逃げて。から救急車を呼ぶ事にしまし。ょう」
そう言いつつ、その子を外まで出し、安全な所に寝かせる。
ごおおおおおおおおお
甲子園球場ほどの敷地のロボ山邸が燃える……その炎は大きく広がり、やがて消防車によって鎮火された時には、跡形もなく燃え尽きていた。その一階で咳き込んでいた少年は、本来一緒に旅行に行く予定だったが一人家に残ったロボ山家の長男であった。
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「置き去りにされちゃったんだね……でもその状態を死んだのに分かったんだ?」
「へい。気付いた時には霊体になってやして……」
「私も同じ経験したわ」
「そうなんでやすか? で、スノーさんの行動を見ていやした……で、急に引っ張られて次に目を覚ました時には既に地獄に……」
「分かるわ。私も自分の死体を見下ろしていたもんね。あれっていい気分じゃないわよ」
「でやすね。でも楽しい怪盗団生活でした。もう、一度あの時に……戻りて……ぇよぉ……うう……」
そう言うと涙が鈴木の頬を伝う。彼の言葉には偽りはない。
「ぐすっ……スン……盗んだお金は寄付していて悪い奴らがどんどんお金を失っていく……法律的には盗みは悪い事だけど義賊は憎めないよね。私はスノーベル団が実際に近くにいても通報しないかもしれない」
もらい泣きするアリサ。
「そうでやす……グズッ」
「ところでその暗号具現出来る?」
「ええ? 多分出来ます。うおおおお」
「これか……え? これって……確かに爆発したんだよね? 突然」
「へい」
「蠟燭を倒しただけで爆発なんかする筈ないよね」
「言われてみれば……」
「この5つの漢字……そしてロボ山邸で起こったあの家事……あ、この暗号の答えは分かったわ」
「まさか? その場にいた訳でもねえのに? 知りたいでやす!」
「へへw(暗号を見た瞬間解読出来たのは初かもww)で、これはあの日の予告が書かれていたのよ」
「ど、どういう事です?」
「まず、木と圭の間にあるもの何か分かる?」
「糸と黒と玉という漢字でやす」
「この3つを1つの言葉に変換するのよ」
「え? そんな漢字の感じありやしたっけ? 見当もつかないでやす」
「漢字と感じが逆になってるよwこれは爆弾よ」
「えええええ?」
「黒い玉から糸が出ている。これをイメージしてみて?」
「黒い玉に●に糸~で? ●~……あ!! そういう事でやしたか!」
「そうねこの黒い玉に糸がついた状態の図形を爆弾と考えるの! そして、その両脇にある漢字を合わせると……?」
「まさか? 柱の中に爆弾が仕掛けてある?」
「ご名答!」
「と、言う事は? あっしが蝋燭を倒したタイミングでちょうど」
「そうよ。下の日付と時間もその日のその時間に起こるという事を示していたのよ」
「成程、ちょうど蝋燭を倒したタイミングで12時を迎えて爆発、あっしは蝋燭の火で起こったと勘違いしてしまったって事なんでやすね?」
「そう! そしてこれは謎老子の暗号だと思う」
「え? 誰です?」
「私は今まで3つの事件に遭遇していて、初めて遭遇した事件の犯人はその人物の教えで殺人を行ったの」
「え? え?」
「その人と連絡を取ってバレない殺人方法を教えて貰って、その代わり暗号を被害者に送るの。その暗号さえ解読出来ればその殺人は回避出来るって感じなの」
「はあ……」
「このロボ山邸の持ち主が誰かから恨みを買っていて、謎老子に相談してこの犯行に及んだのかもね。で、解けなかったからタイムリミットがきてドカーンって事ね。ただその日は旅行に言って居て一人しかいなかったって事だから復讐が果たせたかどうかまでは分からないわ」
「確かにすごい金持ちでしたからねえ。誰かから恨みを買っても仕方ないと思いやす」
「上界に戻ったらこの事件も調べてみようかしら」
「おねげえしやす。死んでも死に切れねえでやす……」
「でもリーダーもすごいよね。あの火事から逃げ延びたんだもんね。金庫を破れる腕力と警官達も捕まえる事が出来ない謎のカリスマ性。犯罪者として非の打ち所がないじゃない……こういう人が本当の悪党になったら手に負えないわね」
「へい。ですが一人では何も出来やせん。俺がいなけりゃどうもうまく動けないと思うからなあ……その後どうしているんでしょう……まだこっちには来ていないみたいでやすが」
「でもいい奴よね? 住人を助けちゃうんだもん」(あいつにそんな過去が……でも顔と臭いと姿と性格が終わっているから嫌いだけどね……)
「そうです。若いのにしっかりしていやす」
「大体分かった。昔話ありがとう。でね、スノーって人、私も知ってる人かもしれない」
「おひぇえ? まさか……スノーさん、まだ、生きていてくれてるんでやすか?」
鈴木の目から涙が溢れる。
「うん。ほんのさっき気が付いた。今はホテルを経営していたよ。300mくらいの高さでイーグルスノーホテルって名前のね」
「本当に? 今も立派に生きてるんだ……スノー……あっしの考えた名前をホテル名に入れて下さってる……」
涙が止まらない……
「そんなに泣かないで……生き返った時に鈴木さんに会った事話してもいいかな」(あいつとは話をしたくないけどこれだけは特別ね)
「本当でやすか? お、おねげえしやす!!!」
「うん、じゃあそろそろ生き返りの手続きに行こうかな?」(あ、でもあそこで事件が起こって……あの後どうなったかは分からないのよねえ……いい加減な約束するんじゃなかったかも……ま、いっか……)
「お達者で!!」
振り向き一礼し去っていく鈴木。
「ええ! あなたもね! あっそろそろ焦熱地獄の責め苦の時間も終わっている頃かしら? ここのを取ってから行きましょう」
「了解オニ……」(やっと解放される)
そして氷結ゴギョウ取り、先程忘れていた焦熱地獄の獄炎スズシロも2本ずつ入手する。これで全ての薬草が揃う。これを閻魔の屋敷の受付に。そこで6つの野草を地獄で閻魔の次に強い鬼に食べさせ、虎音に生き返りの技を使用して貰うのだ。地獄生活もいよいよ佳境なのか?




