表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/57

鈴木2号の過去

明けましておめでとうございます。無事2025年を迎える事が出来安心しています。今年もよろしくお願いします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあそのお方の話をば。あっしは辞めてフラフラしてたそしたらその方と出会いスノーベルと言う団を作る事にしやした」


「で、何をする団なの?」


「そもそも団ってのは大袈裟で。2人しか居ねえんでw」


「へえ」


「リーダーのファルコンスノーさんは、顔はこげ茶色で、それ以外は緑色っぽい色をしている人でやす。皮膚の色から闇に紛れるには適していると思いやす。天職ですぜ。あの人との出会いは衝撃的でやした」


「どう衝撃的だったの?」


「大声で泣いてやした」


「え?」


「うつ伏せになり号泣してやした」


挿絵(By みてみん)


「何があったの?」


「失恋でやす。しかもスノーさんの少し先には相手の女らしき人物がすごい速さで逃げていくところまで見やした」


「壮絶ねえ」


「で、話している内にコンビを組む事になりやして。凄く怪力で、金庫も素手でこじ開ける様なお方でやす」


「え? 金庫? もしかして泥棒集団って事?」


「う、ま、まあそうなっちまいやすね……だから地獄に居るんでやす……」

 

「へえ、悪い人には見えないけどなあ。私は間違っていないと思う。それって閻魔に?」


「へい。閻魔様の言うには盗みは盗みとの事でやす」


「厳しいね」


「泥棒のあっしが言うのも変でやすが、あっしらより悪い奴なんか腐る程いやすぜ? かつて勤めていた丸山製作所でも思い知らされやした。だからあっしらは悪い事をして大儲けしている奴を調べ、そいつらからしか盗んでいないんでやす。人も傷つけたりしないし。で、名が売れてきたら間違いなく丸山製作所もターゲットに入れる予定でやした。その前に死んじまいやしたが……」


「無念だろうね。でも他に方法は無かったの? 例えば会社の秘密を握ってそれを公にして社会的に滅ぼすとか」


「言いたい事は分かりやす。でやすが、その悪い事をして儲けた奴の殆どは、そのお金を更に悪い事に使いやす」


「へえ」


「ファルコンスノーさんも、怪力だけど一切危害を加えない。何かあの人を捕まえようとすると、警察官もあと一歩の所で諦めるんでげす。一度や二度じゃないでやす。彼には間違いなく不思議な力がありやす。だけど時々効果がない時がありやしたが……それでも凄い人でしたぜ。でも動きは遅いし、頭も余り良くないでげすが」


「へえ何か視てみたくなっちゃうなあそういう人」


「でげしょ? 彼の能力のお陰で一度も捕まっていやせん」


「凄いね。見つからないし人も寄せ付けないとか……無敵じゃん……盗賊としての必要なスキルが揃ってるよね」


「まああっしの戦略も一役買っていやしたが。あっしはチームのブレインでげす」


「へえ」


「例えば盗みに入る企業の関係者立ち入り禁止区域以外の所までは、手書きでマッピングして、内部情報を調べるのもあっしの役目」


「へえ」


「更に、タイムカードとか出勤予定表とかがある場合は、それをメモして、一番多くの従業員が休暇を取る日を把握し、その日を実行日にしやす。勿論予告状を書いているのもあっしでやす」


「盗んだ金はどうしているの」


「勿論施設に寄付したり、ファルコンスノーさんの銅像を作ったりでやす」


「何で銅像?」


「偉い人は銅像を建てるもんでやす。と、あっしが教えたら、仕事を終えると1つ作ると言う感じで増えやす。残っているなら100体位ある筈でやす」


「へえー、そんなに盗んだんだ。でも、地獄にいるって事は死んじゃったのよね?」


「へい。盗みに入った屋敷で……あっしの最後の仕事場でやした……蝋燭のスタンドを倒した事に気付かず、それが原因で火事になっちまいやして……」


「ええー」


「焼け落ちた柱の下敷きになって足が折れて逃げ切れやせんでした……ファルコンスノーさんも同じく下敷きになったし折れた筈なんでやすが、彼は腕の力で這いずり出て、腕で走って逃げやした……出会った当初、彼に少しは鍛えた方がいいのでは? って言われてやしたが、あっしの役は頭脳担当だしと鍛えていやせん……それが仇となりやした……もっと沢山の世直しがしたかったでやす……」


「へえ、腕力高いって言ってたしねえ」


「ああ、その時の話……ちょっと語っていいでやす?」


「え? まあ聞いてあげようかな」


ーーーーーーーーーーーーー30年前ーーーーーーーーーーーーー


『スノーさん今日もお願しやす』


『は。い大、分この仕。事にも慣れ、てきまし。た。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ちょっとまって?」


「へ?」


「何でこんな喋り方なの?」


「ああ、頭をぶつけたみたいでやして」


「そう、なんだ……」


「続き行きやすね?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『素質があるんすよ……? あれ? な、何か腕の色……薄緑色っぽくなっていやせんか? 確か昨日までは肌色だった筈でやんすよ?」

この特徴、誰かと似ていないか? 分からないであるか? では語ろう。その人物とは、1話の初め、アリサの泊まったホテルのオーナーと一緒なのだ。


挿絵(By みてみん)


顔はこげ茶色なのだが……掌を注目してほしい。肌色ではなく緑色であろう? 彼はもしや鬼之の息子なのかもしれない。だから成長と共に皮膚の色が父と同じ緑色に近づいているのだろうか? 彼は話し方は少々棘はあるが、緑鬼の優しい感じの喋り方だった筈だ。そして顔と腕だけで走れる怪力は母親似という事。確か女に逃げられて泣いていたというエピソードも、あのところどころに句読点が入り込んでいる喋り方も1話の隆之の過去で描かれていた筈。そう、ジン゛ジア゛に捨てられた赤子のたかゆきは、イーグルスノーホテルのオーナーの斎藤隆之で、孤児院の前に捨てられ、14歳までそこで育ったのだ。そして、失恋の末鈴木2号と出会い、チームを作ったという流れなのか……


「本当です。ねど。うし。てでしょ。う。日、焼け。で。しょうね。」


「そうでやす? (え? 日焼けじゃないと思いやす。まあいいでげす)」


「そ、れ。に肌色よりも闇に紛。れ込む、には目。立たな。い色でし、ょう、」


「そうか! この稼業をやる為に相応しい体に進化したんでやすね?」 


「は。い。」


「今日はとある闇金融業の金庫を狙いやす。社長の鐘隙は法外な利息を取り、借金で返せなくなった人間を地下闘技場で金持ちの見世物にして居るらしいでやす」


「許せな、いですね何、が入って。いるのですか。?」


「スノーさんも大好きな宝石ですぜ? 黒く輝くダイヤでやす。あこぎな商売で手に入れたのをテレビで自慢していやしたね」


「そう。ですか、それは、欲しいで。すね。私の石像の目にしたいで。す」


「あ、石像の話覚えていやしたか?」


「はい。石像を作る時そ。のダイア、を目に入れ、て光ら。せたいの。です」


「そうですか……」(夜に目が合ったら怖い気もしやすねえ)


「鈴木は銅像を建。てないので、す?」


「考える暇ありやせん。それ以前にあっしの仕事は頭脳を使う仕事でやすからね」


「夢も考える。暇。もないので、すか?」


「一回でも失敗したら終わりでやすから真剣でやす」


「そうです。かそれでは。長くは生、きられな、いです」


「人生太く短くでやす。だらだらと長く生きてもね……そうだ! この仕事が終わったらその戦利金でディスティニーランドでも周りやしょう」


「分かり。ました、行ってみたいと思っていまし、た作戦。は何でし。ょうか?」


「へい! 今日は営業していますが、ほとんどの従業員が取り立てで出払っていやす。バイトで侵入した際に全従業員の2カ月先の予定を何気なく聞いてこのメモ帳に控えてありやす。つまり今日が特大のチャンスという事でやす」


「成。程」


「ではこの服装に着替えて下せえ」


「は、い」

何かの作業着だ。紺色で鈴木自身が考えたであろう架空の会社のロゴが縫われている。


「これを着て正面から入り、最上階の社長室にある金庫を狙いやす。鐘隙社長はこの催眠薬で眠らせて下せえ」


「分。かり。やした。」


「スノーさんw伝染してやすぜww」


「フゴ、フゴゴw」


「でも予告状の時間まで少し時間がありやすね。2時間か、うーん中途半端でやすね」


「そ、うです、ね」


「おや? あの公園に少し人だかりがありやすね。暇つぶしにでも行ってみやしょう」


「わか、りま。し。た」

看板が立っていてジャンプ力コンテストと書いてある。高さを競うコンテストか? 公園の中央で司会の男がマイクで何やら実況しつつ、人だかりから歓声が上がる。


「うおーーー低いねえ」


「よっ! 最低野郎!!」


「ナイス低さ! これは超えられないんじゃないか?」


「2ミリだったよ……ああ……もう1ミリは縮めたかったなあ」

観衆、そして選手達の言葉に違和感があるな、そんな声援を掛けられても嬉しくないし、選手もまるで高く飛ぼうとしていない。


「あの、これは何の集まりでやすか?」


「看板にも書いてあるけど低ジャンプ力コンテストだよ」


「え? ジャンプ力コンテストって書いてありやしたぜ?」


「もう一度戻ってよく見てみ?」


「へえ?」

戻って看板をよく見ると、白地の看板に、白い文字でジャンプ力コンテストの上に【低】としっかり書いてあったのだ。鈴木はそれを見落とし、ただのジャンプ力コンテストと勘違いしていた様だ。


「何で低ジャンプなんでやす!?」


「分からないけど、見ていて楽しいよ。誰でも参加自由だからあんたも出てみれば?」


「いえあっしは……」


「出、てみたいで。す。私、」


「スノーさん?」


「は、い」


「おおっと? 元気なお年寄りが挑戦だああ」


「ま、だ18。です。」


「81歳の間違いだろう? でも! 関係ないんだ! 低ジャンプは、老若男女問わず楽しんで頂ける競技だぜ!」


「そうでやすか? 意識して低く飛ぼうとしたら膝とか負担掛かりそうで怖いっすねえ」


「大丈夫で。すでは。や。ってみ、まし。ょうだあ!」

ピョン 


「……ふう終。りま、し、た、」


「えっ? もうかい? 気付かなかった……では、検査班! 映像を解析して!」


「はい! 出ました!」


「ま、まさか……でもスノーさんは全く飛んでないでやす」


「違うんですよ。この世界では、浮いているの姿を目視確認出来てしまった時点で負けなんですよ。いかに低く飛ぶかが勝負のカギですから」


「あ……そ、そうか低ジャンプコンテストでげすね……」


「そうです! ですが、


【ピョン】


という音がマイクで拾われていたんです!!」


「え? それがどうしたんだい?」 


「え? な、何をおっしゃっているんですか?」


「それがそんなに重要な事なのかい?」


「まだ分からないのですか? あなたはこの道のプロでしょう?」


「だ、だけど急に言われても……ハッ!! そうだ……思い……出した! そうだ、そうだよ……小説ではピョンって音がした時は、確実にその人物は絶対に間違いなくジャンプしているという事なんだった……ああ……うっかりしてたよ……」


「全くしっかりして下さいよwでも今小説って言いましたよね? これは現実ですよw」


「そうだったそうだったwでも本当に? 全く浮いている様に見えなかった……だからその音はどこかで蛙が跳んだ音かもしれないじゃないか?」


「ですが、間違いなく彼の足元から……」


「う……そだろ? じゃあ、本当に……彼は飛んだんだ! で? 記録は?」


「待って下さい。ピョンの、ョの辺りで現在画像を止めて見ているのですが、どうやらそこが最高到達点です……!!」


「流石でやすね。そこまで分かってしまうんで?」

 

「あ、ああああ……」


「どうしやした?」


「2……ミク……ロンです……これは宇宙記録……更新です」


「え? 1ミクロンって1000分の1ミリだよね? って事は……2ミクロンなら500分の1ミリィ??」


「ま、負けた……」

ガクッ

0・8ミリの記録保持者の男が、膝から崩れ落ちる。


「ちょっと待って下せえ。何でそんな短い距離を測れるんでやす?」


「私達の技術を甘く見ないで下さい。間違いないです。両足揃って2ミクロンぴったり浮いていたんです……この人……今の私達の技術では、1ミクロン以下は計測できません。ですから宇宙記録は1ミクロンが最高です。彼の記録を更新するにはもう……1ミクロンしか、ないんです……!」


「もう越せる人はいないんじゃないか? 奇跡をありがとう!! これは優勝賞品の5レンジャーのお人形だよ!」


「ありがとう。ございます。」


「おお! スノーさんこういうの好きって仰ってやしたよね。良かったでやすね!」


「今は、ちょ、っと、好き、じゃ、あり、ませ、ん」


「へえ? 何ででやすか?」


「名前、も知ら。ない人、の事。を思い、出す。からで。す」


「ああ、あの時スノーさんが捨てられた逃げ足の速い最低女でやすね?」


「鈴木! あ、の、方を悪く。言わないで。下さい鈴。木」


「すいやせん。ですが恨んでいないんですか?」


「な、いです。」


「お心の広い方でやすねえ。ではそろそろ行きやしょう。しかし飛び入りで参加しての優勝は半端ないっすね! スノーさんの記録は誰も破れないでしょうね!」


「ふう。何。とか、うま。く行った、ようで。す、」


「それにしてもスノーさんにこんな特技があったなんて……すごいじゃないですか!」


「ふう。何。とか、うま。く行った、ようで。す、」


「ちょw今聞いたばかりですぜ?w?」


「フw。ゴ。ゴゴゴ。ゴw」

笑っている様だ。不快感しかない笑い方だ……


「あ、はははははw しかしみんな褒めてやしたぜ? コツとかあるんでやすか?」


「い、え? コツと。かは分か。りませ、ん。ただ全力で。跳ん、だだけで。す。」


「あ、そうなんでやすか……って事は? 今の丁度半分の力で跳んだら、最高記録を目指せるかもしれやせん! スノーさん! さっきの半分の力で跳べやせんか? そうすればもしかしたら機械の限界を見られるかもしれやせん!」


「そ、んな……今。全力で跳。んだばかりで疲。れ、ていますま。だ仕事も。ある、し今日は無理、です」


「で、ですよね。仕事が第一でやすね」(世界記録を最速で塗り替えられるチャンスなのに……勿体ないでげす)


「。は。い。では行きまし、ょう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アリサが地獄に落ちたのはこの話を彼女に聞かせたかったからです。初めに会った鈴木でこの話を言わせようとしたんですが年齢的に合わないと気付きました。具体的には木林製作所でいじめられた鈴木は10年前、斎藤隆之と共に過ごした鈴木は50年前に存在していた男です。この二つの話を一人の鈴木に同時にさせるのはさすがに無理があると思い直し、後で年老いた【鈴木2号】を作りました。1号のインパクトは高いと思いますが実は物語に大きくかかわっている人物は2号の方なんですよね。これは人物の詳細などを一切記しておらず、自分の頭の中のみで整理していた弊害ですね。人数が少ない時は何とかなりましたが、これからどんどん増えていくので、これ以上は厳しいと感じました。これからは人物を作る度に一人一人データをメモ帳にでも保存した方がいいですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ