修羅場③
はい。
俺の集中力、いや生命力が限界を迎えた。
レサンさんはカーチさんを振り解くと、カウンターを乗り越えてギルドの奥に戻ってしまった。
おい。
俺の監視のために出てきたんじゃないのかよ?
カーチさんは肩を落としてギルドをでていく。
俺はどうしたらいいんですかね。
ソレナさんに声をかけるべきなんだろう。
なんだろうが、怖すぎて無理。
何年か前さー。ダブルワークで事務仕事したことがあるんだよな。仕事に集中してすぎてて話しかけたらすごい怒ってくる正社員がいてさ。
あー。ソレナさんは怒鳴ったりしないだろうが。
嫌なこと思い出したなー。
いや、レサンさんマジでどこいったんだ。
ソレナさんがひたすらペンを動かす音が響くギルド。俺もカウンターを乗り越える。
できるだけ足音を立てないように、忍足で壊れかけのドアに向かう。
書類とかちょい積んであるからな。崩さないようにな。
ドアがギーーーーって軋むのは仕方ない。
レサンさん、さっき、思いっきりドアに八つ当たりしてたしな。もはや体当たりだったぞあれ。そりゃ、ヘルさんもああ育つよな。
むしろこのドアこんなに丁重に扱うの俺だけじゃねーか。
ヘルさんと総代が、静かに激論を交わしているのが聞こえてきた。
なんだ。俺どうなるんだ。
とはいえ、やれることもない。
今日はもう寝よう。
与えられた部屋に戻る。暗い。何も見えない。
あーベッドはどこだ。
足で探しながらちょっとずつ進む。
あったぞ。ベッド。
俺はもう今日は寝る。
「れさんー」
ベッドに身を投げたら、キーやんが鳴いた。
いいじゃないかその鳴き声。
そう思っている間に、レサンさんに着地した。
あー。
監視を忘れたわけじゃなかった……のか?
レサンさんもふて寝かー。
俺もふて寝しよ。
レサンさんの上からはのいた。
のいたが、レサンさんがベッドの真ん中でふて寝しているせいでキーやんがベッドから落ちた。
もう知らない。おやすみ。




