レサンさんといっしょ①
翌朝、ヘルさんに起こされた。
「ケンゴ、ケンゴ」
そう呼びかけられて起きる。
声の方を見たら、ヘルさんがドアからひょいと顔だけ覗いている。
こ、怖いんだよな〜。
変なところレサンさんに似なくていいよ。
もう、一気に目が覚めた。
ちょこちょこ怖いんだよな、この町。
キーやんも俺に抱かれながら、ぷよぷよ揺れてる。
あー、俺の鼓動が早くなったからか。すまない、驚かせたな。
ヘルさんは、俺にポンと何かを放ってくる。
日誌だ!
冒険じゃない。依頼に行って良いってことだよな。
テンション上がって、日誌を開いたら、びっしり細かい字が書かれてた。
添削〜? この歳になって添削されるとは。自分より若い人から。
いや〜、ヘルさん真面目すぎるだろ。
用はそれだけだったらしい。
それだけじゃないだろ。飯をくれ。
とはいえ、ヘルさんがどこかに行ってしまったのでどうしようもない。
ちょっとキーやんヘッドフォンをつけて、今後の相談をする。
レサンさん? レサンさんは起こさないでおこう。
髪がうねうねしてるからな。触らぬ神に祟りなしだ。
とりあえず「艦隊は湖の底 彼らは死なぬ 魔物に操られ 我ら王を狙う」を処理しないといけないからな。
この文章自体は、キーやんに消してもらった。だから王都土産にはもうその文字はない。
ゾンビ艦隊をどうするかって問題だろ。最終的にキーやん全部食えばいいんだがな。
ただ、キーやんはそれは嫌らしい。グルメか。
とりあえず、王都に行って状況把握から。
思ったんだけどよー。服用意してくれてたじゃん。ポケットとかに、かなり長めの手紙とかが入ってた可能性はあるだろ。
攻略情報取り逃がしたよー。もう無理だよー。
王都に行く方法としては、キーやんの瞬間移動が第一候補に上がる。だが、わりと距離あったのも事実。
しかし、知らない土地への長距離の瞬間移動をキーやんはしない。
だから、キーやんだけが夜中にこっそり抜け出して、短い瞬間移動を重ねてネスマーを目指すことにした。
ブルエモンの町に来る途中で出したからな。そこから、俺が来た道を戻る。そして、ネスマーにたどり着いたら、すぐにネスマーにいけるようになる。
そこから、キーやんだけで情報収集するか、俺も行くか、一度ネスマーに行って帰らないか、バレないようにちょこちょこ行くか。そこら辺は未定。
まーそれがベストだよなー。
キーやんはなんだかんだ寝なくていいらしい。ので、まぁ、俺が寝てる間は心臓の音をずっと聞いてるしかなかったとか。
心臓食われないうちに暇潰しを提供しないとな!
レサンさんはすぐに起きてきた。
そして、開口一声。
「じゃー、三日依頼行くよー!」
ん?
昨日、レサンさんが部屋にいたから、結局、ふくろから食べ物を出してこっそり食べれなかったんだよな。
あー腹が減ったなー。
と思っている間に、レサンさんとキーやんに引っ張られて、ギルドの裏口から外に出た。
あー裏口あるじゃん、総代―。
レサンさんと、三日間依頼に行くらしい。
レサンさんはズンズン町の外へ向かう。
まぁ、依頼させてくれるってことはEランクにしてくれるってことだろ!
胸に日誌と期待を抱き締めて、俺はブルエモンの町を後にした。




