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総代③

 にこっと微笑んでくれる(多分)総代。

 待て。

 何を話せばいいんだ。

 いや、もう思いつかないから、本題に入ろう。


「えーと、お話はもうすでにお聞きになっていると思うんですけど」

 ちらっ。

 ちらちらっ。

 顔を伺う。

 なんで無言なんだよー。


「私の連れがですね、レサンさんと鍛錬場? にいるらしくて」

 総代の顔がちょっと動いた。

 あれだよな。キーやんのことははっきり口に出さない方がいいと思うんだよ。

 ギルドはまだ俺のことを町の人に隠しておきたい。俺も、悪目立ちは避けたい。

 ここの利害は一致してるからな。


 レサンさんとキーやんという組み合わせ、総代もちょっとまずいって思ったのかね。

 だから、表情にでた?


「鍛錬場ってどこですか? 教えてもらえれば行きますので」

 そう尋ねれば、総代がちょっと困った顔をした。

「ごめんね、ちょっと待ってもらっていいかな?」

「あ、はい」

 そういうと総代もカウンターをひょいと乗り越えて、奥へと姿を消す。

 やっぱりこのギルドのカウンターは乗り越えるものなんだな……。


 でも、総代の乗り越え方は優雅だった。ちょっと机に腰掛けてから、すっと足を持ち上げて乗り越える。

 ヘルさんとヴェルツさんは片手をついてガッと勢いで乗り越える感じ。レサンさんは、一回乗る。両足ついてから下にストンと降りる。ツッコミどころが多い。ソレナさんは両手をついてから、どっこいせって体を支えて乗り越える。

 俺はソレナさんスタイルかな。慣れてきたらヘルさんたちみたいになるんだろうが、Eランクになったらカウンター乗り越える必要なくなるからな。手慣れるまではないと思うんだよ。


 そんなことをつらつら考えてたら、総代が戻ってきた。

 ソレナさんと一緒だ。

 何か話してる。

 なんだろう。

 小声で、ここまで聞こえてこない。ヴェルツさんの声が大きいのもあるよな。手前にヴェルツさんがいて、総代たちの声が遮られている。

 職員全員が協力してるよなー。いいよな。ちょっとド田舎で閉鎖的なところあるが、冒険者ギルドのバックアップの観点から見たらいいよな。


 ソレナさんが天を仰いで、机にぐったりと倒れ込む。

 なんかあったみだなー。

 総代、怖い人じゃなくて、色々考えることがあって上の空だったってことか。


 総代がカウンターを乗り越えてくる。後ろ姿も優雅だったが、前から見ても優雅だな。

 ついてきてと手をクイっとするジェスチャーを飛ばしてきたのでついていく。

 外に出た。


 おぉ。町の中なのに星綺麗だなー。

 まぁ、基本的にこの文化レベルだからな。どこで見ても夜空明るいけど。

 

「さて、ここなんだけど」

 総代の言葉に、示された場所をみる。

 ん? 空き地なんだが?


 は?

 ちょっと、待て。

 レサンさん、ガチでキーやん攻撃してね?

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