経歴受諾まち
レサンさんが、質素なベットに腰掛けてキーやんを膝においていた。
そして、人差し指で慎重に突いていたかと思いきや、両の拳で殴りまくってみたり、掌で挟み込んで変形させたり。
キーやんで思う存分遊んでいる。
もう日が暮れそうだ。
俺はどうしたらいいんですかね。
どうのこうのと言い淀ん見ながらもヘルさんは俺たちから目を離さなかった。レサンさんが、「えー表、誰もいなくなるけど?」とかぶつくさ言いながら来るのを待っていた。
レサンさんの髪の毛のうねり具合で、レサンさんの考えがわかるらしいヘルさん。何かレサンさんが余計なことをしたらしく、目を細める。ツーカーすぎるだろ。
確かに朝方はバタバタというか、驚いた感じの動きをしていたが。
ヘルさんは、レサンさんに何も説明しなくてもいいと判断したらしい。「よろしく」とそれだけ言って、ギルドの表の方へ言ってしまった。
そして、俺たちはレサンさんと昨日寝た部屋に押し込まれた。
レサンさんは明らかに俺たちの見張りだ。
最初は一応、会話を試みた。
「レサンさんが、ギルドの会員証……カードを作ってくれると伺ったんですけど」
「最後に作ったのが5年前とかだからねぇ。覚えてるかなぁ」
「ギルドに入る方、少ないんですか?」
「そもそも人がいないからねぇ」
「どのくらい?」
「768人……いや、769人だね」
「へぇ。お一人生まれたんですか? おめでたいですね」
「うん、5つになったんだ。ところで、キーやんだっけ? 触ってもいい?」
「いいよー」
キーやんに興味津々で、会話はおざなり。結局、キーやんが触ってもいいという許可を自ら出してしまい、完全に会話が終了。
それ以降は、何を話しかけても上の空に「うん」と言う返事が返ってくるだけになった。
上級の担当だから絡みがないと思ったのになー……。
キーやんは、レサンさんと気があうようだ。
レサンさんの髪と戯れ始めた。
何かコミュニケーションしているわけでもないけどな。いや、キーやんは俺以外の人たちの、考えも読めるのか?
レサンさんも楽しそうだ。ベッドの上で、自由自在に動く髪とスライムの追いかけっこが始まる。
ずっと見てたら大切な何かを失ってしまいそうで、思わず目を逸らした。正気とかな。
正直、見張りがいるとやることがない。
普通は身の回りのものの整理とかをすべき時間帯なんだけどな。俺の場合、ふくろに全部入ってるからな。
書き物をしようにも日誌返してもらえなかったし。他になぁ。知り合いいるわけでもないから、手紙を書くとかもないしな。
うーん。
第一、何をしようにもふくろからものを取り出さないといけないわけで。
こう言う時間の使い方が下手だから俺はダメなんだよなぁとか凹み始める。
だめだ。
気分が落ち込んだ時に何をするかなんて決まってるよな。
筋トレだ。




