仲間
昨日の日誌を今書いております。
スライムをテイムし、てない!
スライムと遭遇。テイムしようとするも激闘。
本日も異常なし。
夜明けとともに、スライムは熱を失った。ので、自然と目覚めた。
こいつすごい便利じゃね。
何考えてるか分からねーけどな。
日誌を書くの忘れてたわけで、昔馴染みと会って即これはだめだ。しかも、ライバルだぞ。こいつはライバルと思ってるか知らんが。
いや、本当に何考えているか分からねー。
もそもそ干し肉食べて、ちょいやったら吸収してたけど、うん、大きさに対してこの量じゃ辛いだろうな。どうしようかな。
いや、そうじゃねーよ。
「テイムしていい?」
「やだ」
「だよなー」
本日の初会話、これ。
「でもよー、お前、失われた魔物スライムなわけだろ、この世界じゃ。即囲まれてボコられるんじゃね」
「ちいさくなる」
「ん?」
意味わからねーんだが。
「もっと、で、にげる」
あー。クッションサイズからさらに小さくなって逃げると。
「やっぱり賢さ落ちてんじゃね」
やべー本気出してきやがった。
1時間の耐久レースが始まるのでお待ちを。
「勝った! テイム、俺に従え!」
「いいよー」
なんていった?
スライムに表情はない。ただちょっと表面が揺れてるだけだ。風のせいか、自分で揺らしているか分からない。
「いっしょうめんどうみてね」
「やだ……」
地味な、地味な戦いだったぜ。俺が巨大スライムに窒息させられかけて耐えるってだけの。
喋り方以外もだよな。なんか、キャラ変わったな。
小さくなったスライムを抱いて歩く。
「なまえー」
旅は道連れってほんとだなー。
うんうん。いいな。
「なまえー」
なんか変な鳴き声でもいいぞ、俺は。
ペットって飼ったことないけど、一生面倒見てやるぞー。お前の方が明らかに長生きだけどなー。
「なまえー」
「蒟蒻だろお前はよ」
やめてやめて、テイムって叫ばないとお前に言うこと聞かせられないやめて窒息するやめて。
本日三回目の格闘が行われた。地味な。例のすごく地味な。
「お前、名前ないの」
草原をたわいも無いこと喋りながら行くってすげースローライフ感あるよな。
「ないー」
「え、前の世界でなんて呼ばれてたの?」
「ぼうくん」
「暴君……やっぱりかー……」
やっぱりキャラ変わってるっていうか俺の頭の中読んでます?
ステータスの詳細見るの忘れてたなー。名前捨てたいとかかなー。
「スライムから、いじる? スラー、ライム、ライミー、イムイム……」
「や」
「だよなー」
ちょっと無言で歩く。
よくね。こう言うのも。一人だと黙ってるとか普通だぜ?二人でようやく沈黙になる……。
「なまえー」
「ちゃんと考えてましたー、お前の主神の名前とって」
スライムに潰された。
急すぎて意識を失ってしまった。
絶対にこいつ、俺に従う感情はないだろ。
「お前、俺と主神どっちが嫌い?」
「ばかはし」
「俺かよ」
「が、まし」
「あー……」
まー爺様がまともだっただけでほか狂ってたからな。
「自分で決めれば? 名前」
穏やかな土地だなー。夜も寒くなりすぎないし、まだ雨にもぶち当たってないしな。小雨は降ってた気がするけどなー。
「や」
「いやかー」
「ばかはしの、せきにん」
「飼い主の責任があるかー俺には。じゃぁ、蒟蒻」
潰されましたね。
今日の日誌。
旅は道連れ。二日間の激闘の末、スライムをテイムした。
名前はキング。大きくなるのは1時間が限界だけどな。
本日も異常なし。




