弟子と錬金術師。その一
新年、初転倒。
とても痛いです。
「錬金術をおしえてください」
小さな少女はフードで顔を隠した怪しい男にそう懇願した。男はフードを外し、困った顔で少女の後ろに立つ女受けしそうな男を見る。
「リックさん、これは?」
「すまない、ケルト君」
本当に申し訳なさそうにリックが誤る。フードを外した男の髪は銀色に染め上げられ、銀世界を思わせる。そして深紅の瞳は困惑した色でリックを見ていた。
「ティア、錬金術を習いたいの?」
「うん」
「それは、どうして?」
錬金術は一見便利に見えるが、手順を間違えば死ぬ可能性すらある禁忌の術に近い。そしてその性質がより禁断の術式としている。
「お兄ちゃんはたくさんの人、救ったよ」
「俺は救ってはいないよ。ちょっとずるをしたんだ、結果的には救われたように見えるだろうけどね。ちゃんとした医者に見せると鈍器で頭を殴られても文句は言えないんだ。錬金術は人よりちょっとだけずるをするための術なんだ」
「ずるでもいい。本にかいてあったよ、ようは使い方だって」
ケルトはため息をつく。
「確かに使い方が大切だけど。……仕方ない、俺が出す条件をちゃんと守れば教えてあげる」
その言葉を聞いたことでキラキラと目を輝かせる。
「でも、守らないかったときはティアの記憶から錬金術に関する全てを消すからね。もしかしたら俺のことも忘れるかもしれない」
「それはやだ!」
「ケルト君いくらなんでも、子供に……」
「それだけ危険なんですよ、錬金術っていうのは錬金術師の祖は元々、この世の英知を極めようと神にまで挑んだという伝説が残っているほどです。神と戦えるだけの力が錬金術にはある。俺が知っている術でも神に対抗できるだけの術があります。錬金術は今では研鑽され、戦闘系の錬金術と補助系の錬金術に分かれています。細かく言えば限りがありませんが……すみません、話が逸れましたね。要するに子供だから、いえ子供だからこそ禁忌には触れさせたくないというのが俺の本音です」
ケルトはティアの目を見ながら静かにそういった。
「約束、ちゃんと守ってね。俺もティアに忘れられるのは悲しいから」
本当に寂しそうな顔をするケルト。
今にも泣き出しそうな、まだ幼いティアでもケルトの心情はよくわかった。だからこれ以上彼を悲しませてくないとも聡明なティアは思う。
「おねがいします、せんせい」
小さな体で精一杯声を出して、そう告げた
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