弟子と錬金術師。その二
今回もやや短め。
ティアを弟子にしてから既に二日が経過していた。
その二日で何をしていたかというと錬金術ではなく、普通の魔法をティアに教えていた。錬成の基本は魔力操作の有無が重要視される。高度な錬成になればなるほど錬成陣に通す魔力を正確に操作しないといけない。
高密度の魔力を使って錬成するという方法もあるが、これも結局魔力操作が必要になる。高密度の魔力を使った練成はそれだけのリバウンドのリスクが高い。リバウンドを回避するために必要なのが、針に糸を通すような精密が必要になる。
「……むむ。うぅぅ」
面白いうなり声を上げながら、合掌のような状態、正確には両手の間に小さな球体状の光を球体を維持できるように集中する。
「力入れると、形崩れるからもっと楽に。乱回転させるように」
ケルトの言った言葉を理解出来なかったのか怪訝そうな顔をする。
その瞬間、ティアの作っていた球体は破裂音と同時に消えた。
「ははは。面白い髪になってるね」
爆発の衝撃でティア自身にダメージはなかったものの、長い髪が爆発の影響でアフロっぽくなっていた。
「……ケルトお兄ちゃんひどいです!!」
「ははは、ごめん。俺も昔同じようなことしたことあるよ」
「記憶、戻ったの?」
「戻ったというか、魔法をどういう風に覚えたとか、錬金術を覚えたときとかそういうことを少し思い出した」
「それを戻ったっていうんじゃないの?」
「そうだね。でも、全部思い出したわけじゃないから……どうしたの、そんな悲しそうな顔をして」
ケルトがティアを見ると捨てられた子犬のような表情でケルトを見ていた。
「お兄ちゃんは、全部おもいだしたいなくなるの?」
「どうだろうね。ティアが一人前になるまでは思い出してもちゃんとここにいるよ」
「じゃあ、ちゃんとおぼえない!」
「それは困るよ。教えてるんだから、覚えてもらわないと……仕方ないな、ティア手を出して」
そう言われティアは手を差し出すと、ペンダントようなものを渡した。
「それは俺がずっと身に着けていたものだよ。何か効力があるっていうものじゃないけど……それなりに思入れもあるから、一人前になったらそれを俺がティアから受け取るよ。そしたら別のものをあげるから」
「わかった」
「じゃあ、続けようか」
そう言って魔力制御の修行に戻った。
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