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辺境の錬金術師  作者: 木偶の坊
序章
32/65

依頼と新人冒険者もどき。その四

 薬草を置きに一度家に帰ると、ケルトは家の隣に建てていた小さな小屋から鋼鉄の剣を数本取り出し、それをアルに渡した。


「先生?」


「使える?」


 そう言われ、アルは外に出て軽く素振りをする。その顔は微妙といった感じで、使えるには使えるといった感じだろう。


「少し重いっすね。振るたび疲れるというか……」


「それで、ボアの狩りに行こうか。メルにはこっち」


 メルには何の装飾もない無骨な弓を渡す。


「どっちも普通の道具に見えるけど、製作段階で錬金術でちょっとした細工をしてあるんだよ。付加エンチャントって呼ばれる技術なんだけど……ま、それはおいておくとして、二人に渡したものには一定量の魔力を吸収する特性と使用者が扱えるぎりぎりまで重量を増加する特性を付与してるから」


「それでですか」


「了解っす」


 二人は持っているだけで疲労感を覚える武器でボアの狩りに向かうことにした。



「そっち行ったよ!アル」


「分かってる!」 


 ボアの狩りを始めた二人の動きはかなり悪いといっても過言ではない。いや、悪いのだろう。ボア程度であれば村人でも狩れるほどの害獣だ。もちろんただの村人一人では厳しいだろうけど。


 魔力を一定量吸収され続けるということは強化系統の魔法を自身に施すことがままならない。その上、疲労感が溜まるたびに武器が重くなる。


 遠距離支援であるメルにはさほど影響は出ていないようにも見えるが、アルはかなり足に負担がきていた。一歩踏み出すたびに息が漏れる。すでに肩で呼吸してるところをみるとかなりの疲労のようだ。


 そして開始から数時間未だ、一匹狩ることすら出来ていない現状に正直嫌気も差している。ただここで廃れば、前に戻るだけだとアルは自分を鼓舞する。


 動きが遅くなっているのに、ボアを見失わずにいるのは後方で二人の様子を観察しているケルトのおかげだろう。この狩りを始める前にちょっとした細工を今いる狩場に施していた。


 あとで説明を受けたのだが、【迷い森】という幻術だと聞いた。エルフに伝わる森にのみ作用する幻術だという。エルフたちの聖地はこの術で守られていて普通の人は辿り着くことが出来ないため、エルフたちは伝説上の扱いになっている。


 王都に行けば、エルフたちに会うことなんてまずないだろう。こんな辺境だからこそエルフは割りと見かける。


 ケルトが知っているエルフだけでも三人くらいは見たことがある。


「ケルトさん!!」


 その声に意識を取り戻すと、こちらに勢いよく突進してくる巨大な影がある。ケルトは冷静に魔力で糸を作り出し、それを切り裂いた。


「……二人とも、だめじゃないか。二人が護衛の依頼を受けていたら今ので失敗だよ。護衛対象を危険にさらしてはいけないからね。ランクが上がれば貴族からの護衛依頼も受けるようになるから、その辺はしっかりと頭に入れておかないと」


 そう言われ、二人は頭を下げた。

いつも読んでくださってありがとうございます。

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