依頼と新人冒険者もどき。その二
クリスマスだよ!
木偶からのプレゼントは最新話だ!
職人たちの朝は早い。
いや、冒険者たちの朝も同様に早い。寧ろ職人たちよりも早いと言っても過言ではないくらいの。
まだ日も昇っていない時間帯。森の中を散策する三つの人影があった。一人はわんぱくさの目立つ少年。まだ遊び足りない、そんな印象を受ける。少年の背中には少年の体格の倍近くありそうな大剣を携えている。
その隣で静かに歩く少女。短めの茶髪を森を通り抜ける風に靡かせながら、前を見据えている。隣にいる少年とは違って冷静な印象を受ける。
そしてまるで真夜中に輝く月を思わせる長い銀髪を後ろで一つに結んでるところを見ると一瞬女性ではないというくらい顔立ちも整っておりかなりの美形だと言える。とはいえ彼は男性だ。
「まずは薬草の採取だね、二人とも」
「はい」
「うっす」
青年の言葉に若い二人は頷いた。
「この辺の薬草は見分けが付きにくいからね、気を付ける点は根っこごとしっかりと採取することかな。根っこが紅いのが毒草だから茶色になっているのが普通の薬草」
青年は近くにあった薬草と毒草を取り、二人に見せる。
「ま、こんな感じ。実際は葉の部分だけが効力を持っているから売り物になるのは今いったように葉だね。毒草も使い道があるから一応取って損はないよ。ただ葉の部分しか効果がないとはいえ、葉だけ取るってことはしない方がいいよ」
「見分けが付かないからですよね、ケルトさん」
「長年、これを扱ってるものだったら見ただけで判断出来るスキルを身に着けられるんだけど、君たちは冒険者だからね。必要最低限の知識があれば十分だと俺は思うよ」
「薬草ってどうすればいいんすか?」
「煎じて飲むのがいいんだけど、緊急事態だと傷口に擦り付けるだけでもそれなりに効果はあるよ。ただ物凄く痛いから、覚えておくことだね。錬金術師には薬を作ることをメインとしているものがいるんだけど、ま、薬師とあまり変わりはないかな。彼らが作っている回復薬の原料にも薬草は使われるから、難易度の低い依頼とはいえ需要があるんだよ。もし他の依頼で薬草を入手したりしたら俺のところに持ってくるといい。それなりに低価格で回復薬を作ってあげるよ」
「分かりました」
「分かったっす」
そう言って二人は自分で薬草を取り始める。その様子を楽しそうに見ながら青年は次の講習内容を考えていた。
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