不死の樹海と人間たち。その三
ちょっと苦手な戦闘描写が数話続く予定?
それと一万PV突破!!
みなさん、ありがとうございます。
「や……り。……つい、ね……」
人間一人にその質量を受け止められるはずもなく、そのまま吹き飛ばされる。少女の使用した結界が破られそうになった一瞬、飛ばされそうになった少女を受け止め、そのまま、十数メートル程飛ばされた。
その途中で何度も何度も木々の鋭い切り口が身体を傷つける。
「……ガっ」
太い幹に身体が叩き付けられると少年は肺に溜まった空気を漏らす。吐血まではしなかったものの、体の至るところに傷を負って今すぐには起き上がれそうにない。
「……どうして、お前がここにいるんだ!メル」
血を吐いて動きそうにもないメルに向かって少年は叫んだ。涙を流していたのか腫れ上がった瞳で、少年を見る。
「………。それ……こっち……セリ、フ……よ」
少年はポーチから応急処置用の道具を探そうとするが、ポーチが見当たらない。どうやら飛ばされたときにポーチをどこかに落としてしまったようだ。
「どうして、どうして、どうして!!」
少年は地面を叩き付ける。
「どうして、いつもこうなるんだ!!」
生まれてからずっとこうだ。自分から何もかも奪おうとする。
「……メル。メルだけは助ける」
こんな自分を命がけで助けてくれた少女をこんなところで死なせるわけにはいかない。自分が死んでも少女だけは絶対に助ける。
少年は自分の衣服を切り裂き、包帯の代わりに使い、傷のひどいところだけでも止血を行った。
応急処置を行っている途中でこちらに向かっている小さな人影があった。
「だ、大丈夫?」
一緒に来ていたはずなのに、いつの間にか先へ行ってしまって遅れてくる形になった少女がいた。
「頼む……助けてくれ、俺はどうなってもいいから。メルだけは助けてくれ、こいつはこんなところで死んでいいやつじゃないんだ……」
「必ず、助けるよ。テーマに誓って助ける。でもね、自分をないがしろにしちゃいけないってお兄ちゃんが言ってた。自分を信じられないと、他人を信じることも出来ないってお兄ちゃんが言ってた」
それを聞いた少年は何かを思い出したような表情をすると小声で呟いた。
「……まわりを見ていなかっただけ、なのかもな」
少年は緊張が取れたのかその場に倒れ込んだ。少年自身も怪我を負っていたのによくここまで意識を保っていたものかと感心したくなるが、少女は急いでこの場に結界を施した。
(お兄ちゃん、あとはお願い)
そう思いながら。
読んで下さってありがとうございます。




