↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/58

8.ヒロイン(予定)に会ってみる?

◆パルセノス邸  リオン視点8


 昨日は天国だったな…俺も【魔犬を愛でる会】のメンバーに入ろうかな。

 朝食をいただきにパルセノス家のダイニングに向かう。

 アエトース公爵家とは違って少し小ぶりなホールなのだ。何でも『広すぎると冬場寒い!光熱費の無駄!』とリカルド伯父上が改装したらしい。犬達が食事するスペースも設けてあって、食事時間はとてもアットホームだ。


 中に入ると、リカルド伯父上が家長の位置のイスに座って、難しい顔で新聞を読んでいた。

「おはようございます。伯父上。なにか気になる記事でもあるのですか?」

「おお。おはようリオン。…いや、隣国の記事で【天候不順】が問題になっていて、この国も他人事じゃないなぁと思ってね。…備蓄を増やすようステファン陛下に進言してみるかな」


 伯父上に促されて、左横の椅子へ座る。目が楽しそうだ…伯母上から色々聞いているのだろうな。

「で?【ヒロイン】に会いに行くのかい?可哀想に、ミスティは捨てられちゃうんだな~」

 クスクス笑いながら言う事じゃないと思うんだけど…


「俺この前ミスティに『恋情は無い』ときっぱり言われましたよ」

「アハハハ・・・悪い悪い。ハルに聞いて知ってた。リオンは二人にとって、良いお兄ちゃんだからな」

 そもそも、ふた家族とも俺たちの婚約には実のところあまり乗り気じゃない。血縁も近いし、好きな人が出来ればそちらでOKだと互いに了承している。

 

「会いに行くというか、先に調べようかと思ってます。カゲ丸の言う通りの状況かどうかとか…」 

 カゲ丸が言うには、既に俺たちの性格が小説とは違ってきているらしいから、本当にヒロインが存在するのかも分からないし、いたとして性格がヤバそうなら会わずに逃げたい!(ヤンデレとかだったら無理!)


 伯父上もそれが良いねと賛同してくれた。今にも突撃しそうなミスティの事は伯父上に任せよう。




◆パルセノス邸  ミスティ視点3


 どうやらリオ兄様は、ヒロインの元へ会いに行かないようですわ!慎重過ぎませんこと?

 ここはやはり物語の要の【悪役令嬢】であるわたくしの出番ではないのかしら!うふふ…


「ミノタリオ男爵家は領地を持ってなくて、王都に屋敷があるはず!わたくし調べますわ!クロミもカゲ丸ちゃんからさり気なくヒロインの居場所を聞き出して、わたくしを案内するのです!」

「きゃんきゃん!(アイアイサー!)」




◆パルセノス邸  カゲ丸視点8


 結局リオンは様子見の姿勢で、公爵家の従僕を使って調べるようだ。

 昨日ミスティに借りて読んだ【悪役令嬢参考書】の小説に出てくる女性達がよほど怖かったんだな。

 ヤンデレとか拗らせとか…まぁ小説に出てくる人物は個性あってナンボだし。やたらイケメンでスペック高めのくせに『平穏に暮らしたい思考』の男には理解出来ないんだろう。


 これがヒーロー気質の器のデカい、小説のリオンならどんな性格の女性でも、オールOKなんだろうか?……なんかそんなリオンはリオンじゃない気もしてきたぞ。う~~ん…


「きゃん!きゃん!(にい様!にい様!)」

 クロミがオレに纏わりついてきた。遊んでほしいのか?

「きゃん!きゃ~ん(ヒロイン退治に行くの!情報をくださ~い)」 

 ……ど直球。クロミは飼い主(ミスティ)に似たな。


 どうやら、ミスティはリオンに黙ってヒロインに接触するつもりなんだろう。ちょっと面白いかも…

「…ワンワン(…仕方ないな。オレもついて行くよ)」

「きゃ~~~ん!(ほんと?やった~~!)」

 クロミが嬉しそうにオレの周りを跳ね回る。そんなクロミをコカゲが不思議そうに見ていた。


「ワンワン?(コカゲも一緒に来るか?)」

「くぅ~~…ん(知らないトコ…こわい)」

 だよな~~。

 コカゲは末っ子ポジションで、何故かとても臆病だから皆に甘やかされているが、持ってるポテンシャルはかなり高いとオレは思っている。いつか良いご主人様が現れるといいな…。


 因みに個々の能力値で言うと多分オレが一番低いと思う。一番威張ってるから勘違いされてしまうかもなのでハッキリ言っておくとしようかな。(誰に?)


 行くとしたら、リオンが学園の日か…。適当に理由付けて単独行動させてもらおうじゃないか!恐らくオレが側に居なくても平気だろうからなアイツは……泣いてないぞコカゲ、ペロペロするな…


「ワンワン(クロミ。ミスティが決行しそうな日が分かったら教えにきてくれ)」

 オレ達は互いの影を移動出来るのだ。

「きゃ~ん!(りょ~かい!)」

 クロミは嬉しそうにミスティの元へ戻って行った。


 本来のストーリーだと、王都の一角にあるミノタリオ男爵家で、小間使いの様にこき使われているヒロイン【テル-】が、無理難題な買い物で困っているところを、たまたま通り掛かった【リオン】が助けてあげる…という流れなんだ。


 この『たまたま通り掛かる』ってのもなぁ~。『ミスティの我儘で有名な菓子店の限定クッキーを買いに来た』のが理由で、ギリギリ買えなかったテル-に譲ってあげるのだ…が、


『このリオンが、行列店に菓子を買いにいくなんて面倒な事…するわけ無いよな』


「ん?何か言ったか?」

『い~や。有名な行列店の菓子が食べたいな~って…』

「そっか、首輪にメモと紙幣挟んでおくから、行って来い」

 ほらな~~~




[おまけ]~本末転倒って言うんだよ~


クロミ 「きゃんきゃん!(ココってにい様が言ってたよ!)」

  地図の菓子店をタシタシと叩くクロミ。


ミスティ「えっと、ココに行けばいいの?あら…有名なお菓子屋さんですわ!いっぱい買わなきゃですわね!お父様にお小遣いを貰いに行きましょう」


クロミ 「う~~きゃんきゃ~~ん!(みんなに内緒でいくんじゃなかったの~~!)」


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。