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7.元ヒロイン(?)はご意見番!

◆パルセノス邸  リオン視点7


 そして本日もまたミスティに呼び出されてやってきた。

「コカゲは今日も可愛い。やっぱりうちの子にならないか?」ナデナデ

 もう一匹居ても良いと思うんだ。パルセノス家には親子あわせて5匹もいるんだし…カゲ丸は癒し枠から外れたし…

『まだ言うか…』


「コカゲは人見知りするからね~。リオン君の【お嫁さん】が大丈夫な人ならOKなんだけど~」

 クスクスと笑いながらやって来たのは、ミスティの母のミリア伯母上だった。

 撫でていたコカゲが、嬉しそうに尻尾を振っている。


「ミリア伯母上。お邪魔してます。ところでミスティは?」

「すっかりお待たせしちゃってるわね。あの子…家庭教師の出してた宿題を忘れてて、今アリサにお尻を叩かれながら頑張ってるの」

 伯母上はヤレヤレと肩を竦める。…Aクラスは難しいかもしれないな。


「ねえリオン君!リカとミスティから聞いたんだけど!」

 と、ミリア伯母上はカゲ丸情報の【精霊と天命の神子】について興味津々みたいだ。ミスティはまだ来ないし、せっかくだから【転生者】の伯母上の意見も聞いてみたい。俺はカゲ丸の通訳の立場で話をすることにした。



「あらら…なんとも複雑ねぇ。ゲームかと思ったら小説とか…そう言えばif小説とか夢小説の薄い本もめっちゃ出てたわね。うふふふ…懐かしい~」

 ミリア伯母上は、転生者なせいか何処か浮世離れした雰囲気があって、実はちょっと好みのタイプだったりする。

『リカルドにチクるぞ』

 フフフ、残念だったな。俺が通訳しなかったら良いだけの話だ。

『ぐぬぬ…』


「ところで、ミスティが虐める予定の【ヒロイン】て何処にいるの?【元ヒロインモドキ(?)】としては気になっちゃう~」

 …そう伯母上は、乙女ゲームではなんと【ヒロイン】ポジションの人だったのだ。実際はif小説の方だったから、主人公は【悪役令嬢エステル】俺の母上だったらしいんだけどね。


『ヒロインなら何処にいるかわかるぞ!様子を見に行ってみるか?』

 え?わかるんだ…。正直トラブルは御免だが、どんな女性か少しだけ興味はあるかな。


「ヒロインが何処にいるか、わかるらしいですよ。カゲ丸が」


「まぁ!だったら」

「もちろん会いに行きますわよ~~‼ 悪役令嬢の出陣ですわ‼ オーホッホッホ~~」

「あらミスティ!宿題は終わったの?」


 ……ミスティ…いつの間に…そしてまだ諦めてないのか『角度がイマイチかしら?』と口元に沿えた手の甲の角度を確認しているし、伯母上も『そうね!エステルさんは、”こう”だったわよ!』って指導しないで下さい。まったくも~…




◆パルセノス邸  カゲ丸視点7


 リオンとミリアに小説の話をしていたら、ヒロインの所在地をミリアが聞いてきた。


『ヒロインなら何処にいるかわかるぞ!様子を見に行ってみるか?』

 リオンは面倒事は遠慮したがっているが、ヒロインの事は興味あるみたいだな。自分の対になる相手だと言われれば、流石に気になるか…。

「ヒロインが何処にいるか、わかるらしいですよ。カゲ丸が」

「まぁ!だったら」

 …‼ この気配は!

「もちろん会いに行きますわよ~~‼ 悪役令嬢の出陣ですわ‼ オーホッホッホ~~」


「きゃんきゃん!きゃ~ん(ヒロイン退治に出陣ね!エイエイオー)」

「…ワン。ワンワン…(…クロミ。桃太郎のおとも気分か…)」

「クゥ?(ももたろ?)」

 コカゲが首を傾げている。あまり深く考えなくていいぞ。


 ヒロインの名は『テル-』ミノタリオ男爵家の次女だ。

 容姿はブラウンの髪に赤い瞳で【光】と【聖(物語の後半で)】属性持ち。

 領地を持たない男爵家で、テル-は男爵が昔お手付きにしたメイドが産んだ子供なのだ。

 身重のメイドを放り出したくせに、母親が他界したと知ると『無給のメイド』にするべく【養女】として引き取った厚顔無恥の男爵家なのさ。


「小説のありがちな設定とはいえ、現実だとひどい話よねぇ」

 オレの話をリオンが二人に通訳する。呆れるミリアにコクコク頷くミスティ……恐らくミリアの言ってる後ろ半分しか理解してないだろ。


「どんなタイプの子なの?純正ヒロイン?守ってあげたい系?あざと可愛い系?」

 さぁさぁと詰め寄るミリア。リオンたすけて~~~!

「伯母上、カゲ丸がビビッてます。落ち着いてください」


 テル-は義母や義姉の嫌がらせにも屈しない健気で優しい娘。孤独なリオンの心を癒してくれる女性なのだ……が、


「まぁ‼リオン君ってば孤独を感じていたのっ!?伯母さんやリカに何で言ってくれないの?みずくさいじゃない!」

「そうですわ!リオ兄様!『コカゲの癒し』が不足なら、毎日泊まっていっても大丈夫ですわよ!クロミもマシロもきっと協力しますわ!」


 今のリオンは【孤独】じゃないんだよな~。【癒し】はコカゲで補給してるし、逆に孤独に浸りたい時に【ソロキャンプ】出かけてるしな~…


 この感じでヒロインと出会っても、話が発展しないような気がしてきたぞ。あれ…ヤバい…どうしよう…





[おまけ]~結局お泊り~


クロミ「きゃんきゃん!(今日はリオンと寝る!)」


マシロ「わん!わん!(ボクも!癒してあげる!)」


コカゲ「くう…ん(あたし…も)」 ぴとっ

 

リオン「おや?ココは天国かな?俺、生きてるよね?」


  感無量のリオン…と、いつものジト目のカゲ丸であった。




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