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66.天空の神殿

◆神殿をめざして マオ視点15


「気をつけてな。無理そうなら直ぐに帰ってこいよ・・・」


 本当に心配そうなリオン様に見送られ、おじいちゃんの背に乗って大空を飛んでいる。


 おじいちゃんは実は自分の大きさを変える事が出来る。初めてあった時はめちゃくちゃ大きくて、かなり大きい洞穴にジャストフィットするサイズだった。でも、わたしと話が出来るようにすぐに小さくなってくれて・・・小さいといっても、今わたしが乗っているくらいのサイズだったけど。小さくなるほうは人間サイズが限界らしい。


 どんどん高度を上げて、とうとう雲の上にまで達した。恐らく酸素は薄くなっているだろうしとても寒い筈なのだろうが、おじいちゃんの魔法なのかずっと快適だ。

 以前古参の魔獣から聞いたことがあるのだが、おじいちゃんの事を【古代竜】と呼ぶ者の他に【神竜】と呼ぶ者もいるらしい。神に近い存在なのだと言っていたなぁ・・・。


『マオよ。寒かったりはせんか?』

「ううん!快適だよ!流石おじいちゃんだね!」


「ピヨピヨヨ?(もうすぐ聖女に会える?)」

「テル-は神殿にいるのかな?でも、会えるといいね」

「…ピヨヨ(…会えたら文句言う)」

「アハ・・・ハハハ・・・」

 


 雲の上を飛び始めてから、ひと際厚そうな雲が眼下に広がっている辺りで、


『ほれ、あれが天空の神殿じゃ』


 空中に浮かぶ島が見えた。大きさは東京ドームくらいだろうか・・・。

『神殿の下には常に分厚い雲が出来ておって、地上からは見えん仕組みになっておるのじゃ』

 なるほど、分厚い雲を探せば神殿があるということね。おじいちゃんは雲を探して飛んでいたんだ。


 近くに寄って行くと、島の上には確かに神殿のような建物が見えた。

 その建物の前にいる人影が手を振っている・・・


「・・・テル-?あれ…テル-だ!!」

 神殿の前で手を振る女性は【本物のテル-】だった! じゃあ隣の背の高い男性は…神様だよね。


『やれやれ、久しぶりに沢山飛んだわい』

 と、おじいちゃんは風魔法でふわりと島に降ろしてくれた。


「マオさん!久しぶりです!」


 テル-が走って来てわたしに抱きついた! その瞬間!

「ピヨヨヨヨヨヨーーーーーーー!!!!」《ペシペシペシペシ・・・》


 わたしの胸元から飛び出したピーちゃんの、怒りのペシペシ攻撃がテル-にお見舞いされたが・・・ダメージは無いに等しかった。


「ひゃあ!ごめんなさい!ごめんなさい!アハハ」

 4年のうっ憤を込めているのだろうが、テル-には今ひとつ届いていないみたい。ピーちゃんがちょっぴり不憫なマオだった。


『竜よ…久方ぶりだな。スローライフとやらは楽しいか?』

『お久しぶりにございますな。ご無沙汰しておりますが、此方は至って楽しく暮らしておりますぞ』


 おじいちゃんは神様と面識があったのね。【神竜】と呼ばれるくらいだもの、昔は神様に仕えていたのかも知れないなぁ。


 わたしは神様とテル-に、ここに来た経緯を話した。神様はさすが神様で『理解しているぞ』と仰いました。


 隣国カサンドーラ帝国の天候不順の原因は、カサンドーラが国内で戦争を繰り返しせいで、精霊たちが疲弊して澱みが溜まってしまった事によるものだそうだ。

 今カサンドーラは帝国として統一されて戦争は無くなったのだが、長きに亘って蓄積されたものが放出された状態なのだという事だった。


『この神殿で聖女が祈れば【浄化】される。テル-はわたしの伴侶になってしまったから、マオ…君が聖女となって祈ってあげれば、問題は解決するだろう』


 わたしが…代理ではなく、本物の聖女・・・か。


 テル-は【女神様】になってしまったんだな。確かに超美人だし似合ってる・・・【ヒロイン】から【女神】にクラスチェンジか~・・・カゲ丸に報告しなくっちゃ!


「ピヨピヨピー?(マオがピーの聖女になってくれるの?)」


 ピーちゃんがウルウルした瞳でこっちを見ていた。【魔王】を退いたら…と約束していたものね。

 聖女は教会に囲われる可能性があるけれど、リオン公子という立派な婚約者がいる私が教会に入れられる事は無いはず!


「わたし!聖女をお引き受けします!!」


「ピヨヨ~~♪」

「マオさん!素晴らしいです!」

『ふぉふぉふぉ』


『よく言った! では神殿に入りなさい。聖なる力を授けよう・・・ピーも一緒に来るがよい』


 私たちはそうして神殿の中に足を踏み入れたのだった・・・。





[おまけ]~クラスチェンジ?~


神 『しかし・・・何故ヒヨコのままでいるのだ? もう回復しているだろう?』


ピー『だって…だって、このほうがみんな可愛いって言うもん!』


神 『・・・聖獣の威厳に欠けるから、元に戻しなさい』


ピー『む~~ 《ボフンッ!》 これで、い~い?』

 象くらいの大きさのグリフォンが、マオの隣に出現した!


マオ「ひゃあ⁉・・・すごい!ピーちゃん、カッコイイよ‼」


ピー『え~~♪ピーかっこいい?えへへ・・・うれしいな♪』

 

 厳つい姿になっても【ピー】は【ピー】なのであった。 




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