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65.課題は難題につき

◆ジジの家 リオン視点42


『カサンドーラの反乱原因である天候不順について調べておけ!今後の為にも打開策が必要だ』

 と陛下に課題を出されてしまったが、そもそも陛下不在の状態でアレクが派手に動けるわけもなく…


 マオやミスティ…ハルにアナ殿下にも協力してもらって、色々調べてみたがさっぱりわからない。

 成績優秀なシリウスにも協力して欲しかったが、王都軍が半分になっている今、警備に出ずっぱりのようで流石に声を掛けられなかった。残念。


 で、結局のところ…

「ジジさん助けて・・・」

「おじいちゃん!リオン様に協力してあげて~!」


「ふぉふぉふぉ」


 天候の事なんか人間の俺たちにはどうしようも無いと思うんだが・・・何か原因があるんだろうか?

 例えばカサンドーラが呪われてるとか・・・ありそうだな。


「儂にもわからんが、教えてもらえそうなトコロの心当たりはあるぞい」

「えっ!ほんとっ⁉ 何処?」


 ジジさんはスッと上を指さして、

「天空の神殿・・・神の領域じゃ」と、言った。


 神の領域・・・神様に聞くと言うのか?そんな事が可能なのか?頭の中がクエスチョンマークでいっぱいだ。

 この世界には神が存在する。心の中に…とかでは無く。本当に実在する。だから本物のテル-も駆け落ちしてるのだ。けれど、何処で生活しているとかは一切不明だ。恐らく教会も把握していないだろう。


「天空に神殿があるのか・・・そこへ行けば対処法を教えて貰える?」

「さて、そこまではわからんが、何かしら得るものはありそうな気がするのぉ」


 確かにもう神頼みぐらいしか方法は無くなってきたし、ダメ元でも行ってみるか・・・

「行けるのはマオぐらいしかおらんがな」

「「えっ⁉」」

 俺は行けないってことか??

 マオもちょっと困惑気味だ。


「神殿に入れるのは【聖獣】と【聖女】だけじゃ。マオは今はまだ聖女では無いが、ピーちゃんが認めている【聖女候補】じゃから、入れる筈じゃ」


 マオひとりでそんな場所へ行くのか?大丈夫なのか?

 俺が心配そうなのに気付いたマオは、

「大丈夫!ピーちゃんもいるし!何とかなるよ!」

 と胸を張って答えた。それでもやっぱり・・・


「天空の神殿へは儂が連れてゆく故、安心せい。かわいいマオを危険にはさらさんわい」

「おじいちゃん!ありがとうっ!」

 良かった。ジジさんが一緒ならこの上なく安心だ!


「ピヨピヨ!(ピーも頑張る!)」

「キュウ~ン(コカゲは…留守番するね)」

「ワンワン(オヤジも居ないしな)」


 コカゲもマオに付いて行きたいだろうが、カゲローはリカルド伯父上に付いてカサンドーラ帝国に行ってるし、魔王の役目はコカゲが熟さなきゃいけないからな。

「コカゲは俺を手伝ってくれ。俺もコカゲを手伝うから」

「キュン(わかった~)」




◆カサンドーラ帝国 闇の洞窟内部


「ちょっと!まだ奥まで行くの⁉ ここジメジメして気持ち悪いし!もう疲れたわ!ここで待ってる!」

 女が先を行く男二人に向かって悪態をついている。


 ここはカサンドーラ帝国にある闇の精霊が多く住むという【闇の洞窟】である。精霊は自分にあった場所に留まる性質がある為、洞窟などの暗い場所は闇の精霊にとっては格好の住処であった。

 精霊たちは自分たちが良いと思う者の前にしか姿を現さない。今は3人の人間の様子を、じっと伺っているところだった。


「まだまだ奥に行かねばならん!魔獣避けのランプは一つしか無いのだ!待っておるのは良いが、ランプから離れてどうなっても知らんからな!」

 年配の男から恫喝されて、女はしぶしぶと歩きだした。


 一番前をランプを掲げながら歩く若い男も、

「・・・なんで俺がこんな目に」

 と、不服そうにため息をついている。楽しい洞窟探検ではなさそうだ・・・闇の精霊達はそう思った。


「おのれ…ステファンめ…儂からの救援要請を無視しおってからに…今に見ておれ・・・」

 

 反乱軍によるクーデターで玉座から転がり落ちた【元皇帝グスタフ】【元皇太子ビクトル】【元皇太子妃イザドラ】の3人は、あの日城の隠し通路から逃げ延びていた。

 手には何とか持ち出せた2つの魔道具。1つはビクトルの持つランプだが、もう1つはグスタフが大事に抱えている、城の宝物庫で厳重に保管されていた物だった。



『あれ…アカンやつちゃう?』

『せやな…だいぶヤバめのやつちゃうかな…』

『知らせにいかなあかんのとちがう?』


『ほな、わいちょっと言いに行って来るわ!』


『『『気ぃつけてなぁ~~』』』


 黒い小さなケサランパサラン(闇の精霊)1体が、フワフワと洞窟の外へ出て行ったのであった。





[おまけ]~魔獣語会話教室~


カゲ丸『なぁ、テル-はコカゲに【魔王】を譲ったのに、まだ魔獣と会話できるんだな??』


マオ 「ん~、これっておじいちゃんのスパルタ教育で身に着けた【技】みたいなものだから・・・」


カゲ丸『ん?古代竜様の?』


マオ 「最初はおじいちゃんの魔法で魔獣の言葉が分かる様にしてくれてたんだけれど、徐々に魔法を弱めて『自分でやってみぃ』って・・・もう必死でその魔法覚えたよ~~今では魔法使わなくても分かる様になったけどね♪」


カゲ丸『・・・なんか【○○語会話教室】みたいだな』


 魔獣と交流出来るのは、実は涙ぐましい努力の賜物なのでした。






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