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53.未来の王太子妃は悪役令嬢?③

◆ダイナモ霊山キャンプ地 ミスティ視点9


「ミスティ?どうした、耳まで真っ赤だぞ~どうせアレクの事考えてるんだろう?」


「!リオ兄様は『デリカシー』のお勉強なさってくださいませっ‼」

 テル-も申しておりましたわよ!まったく・・・


『そうよ!デリカシーの無い男は嫌われるわよ~♪リオンちゃん♡』


 突然後ろから、聞き覚えのあるオネエ言葉!

「「ゲイブ殿⁉」」


 褐色マッチョな精霊ゲイブ殿ですわ!今日はドレスじゃなくてシンプルなチュニックですのね。

 ムキムキ具合がはっきり分かりますわ!アレク様は一度、このムキムキに絞殺されそうになったと言ってましたわね…。確かに立派なムキムキですわ!


『やぁねぇ~♪そんなにじーーーーっと見られるとテレちゃうじゃな~い♪』


 くねくねして照れるマッチョ・・・意外と可愛いですわ…。ハッ‼もしやアレク様はこの可(・)愛(・)さ(・)にやられて、押し倒してしまったのでしょうか⁉


 わたくしも鍛えてこのプニプニをムキムキにすれば、より一層『かわいい』と言っていただけるかも知れません・・・筋トレを・・・


「ミスティ~!ミ・ス・ティ~!時間があんまり無いんだから、早く用件をゲイブ殿に言え~!」


「ふわぁっ‼ そうでしたわ‼ ゲイブ殿にお願いがございますの!」


 わたくしは、かくかくしかじかと理由をお話して、合間合間に何故かゲイブ殿から『女子力』のダメ出しをされながら、すべてをお伝えするに至りましたの・・・『筋力』と『女子力』に密接な関係があるとは・・・目からウロコでしたわ!(←ミスティは何か勘違いをしている)



「ゲイブよ。ミーちゃんに協力してあげるのじゃ」

『ええ、石くらい別に構わないんだけど~・・・対価に【あの件】をミーちゃんにお願いするのはどうかしら~♪』


 ジジ師匠様とゲイブ殿がなにやら話し合っておいでですわ。精霊石は頂けそうな雰囲気です!


『ミーちゃんは光魔法が使えるわよね?ちょっとこの子の治療をお願いしたいのよぉ』


 そう言って、チュニックに手を突っ込んで取り出したのは・・・ゲイブ殿の逞しい手のひらにちんまりと横たわっている・・・


「「ヒヨコ??」」


 リオ兄様とのぞき込んで見つめていると、

「ふぉふぉふぉ、ヒヨコではないぞ~聖獣グリフォンの幼体じゃわい」


「「ええぇーーーーーーーーーっ‼‼‼ 聖獣⁉⁉」」

 どうみても【ヒヨコ】ですわ!色も黄色ですし!


 でも、とても弱っているみたいですわ…治療して差し上げないと!

 

 光属性は攻撃には適さないけれど、治癒が得意ですのよ!

 わたくしはゲイブ殿の手の上のヒヨコに手を翳し、そっと治癒の光を展開しました。


「……ピ…ヨッ…?」

 ヒヨコが目を開けましたわっ‼ 良かった!ふうぅ~ですわ~・・・リオ兄様が、頭をポンポンして『よくやったな』と労って下さいます。わたくし、やればできる子【YDK(ミリア語録)】なのですわ!


「ピヨ?ピッピ?」

 ヒヨコは起き上がって、辺りを見回しています。元気そうですわね♪


「おお~ミーちゃん、ありがとうなのじゃ。やはり聖獣には人間の光魔法が一番じゃったのぅ。儂らのでは拒まれてしまって、どうしようかと困っておったのじゃ~」

 

「お安い御用なのですわ!おーほっほっほ~~!」





◆ダイナモ霊山キャンプ地 リオン視点37


 聖獣グリフォンの幼体…が【ヒヨコ】だったとはな。


『まさに”青天の霹靂”【セイテン】だけに・・・ぶふっ!』


 面白くないぞカゲ丸・・・由々しき事態なのわかってるのか!

 聖獣が弱っていたのは聖女が居ない事が原因だと思うんだが・・・


『散々探したんだけど聖女が見つからないのよね~それで、段々この子は弱っていくし~どこにいるのかしらぁ。まったく~』


 え~~~っと・・・恐らく【神域】かな?聖属性に目覚めて神様と駆け落ち?したから、絶対見つからないよ。マオのせいになっちゃうし、言えないけど・・・困ったな。


「ピヨヨ!ピッピ♡」

「あらあら♪かわいいですわ~ふわふわですわ~♪」


 ヒヨコはどうやらミスティに懐いているみたいだ。ゲイブ殿の手からミスティに移って楽しそうにしている・・・やっぱりどう見ても【ヒヨコ】だな。グリフォンに成長するとは、到底思えないんだが・・・


『なぁ…あの聖獣、ミスティが聖女だと思ってるぞ…。死にかけてたからミスティの光魔法で上書きされたんじゃないか?』


(あれか…最初に見たモノを【親】だと思う、刷り込み効果的なやつか!)


『たぶんな~・・・ミスティ【聖女(ヒロイン)】にジョブチェンジか!だんだん【悪役令嬢】から遠ざかっていくな~ウケル』


 カゲ丸のヤツ、最近は小説のストーリーから逸脱している事を、逆に楽しんでいる節があるな。





[おまけ]~【筋力】と【女子力】~


ミスティ「アレク様はムキムキがお好みなのでしょうか?」


ゲイブ 『そうね、無いより有った方がいいかもだけど…それよりも大事なのは【努(・)力(・)す(・)る(・)過(・)程(・)】よ!これは【女子力】でも同じことよ!』


ミスティ「じょ!女子力でもっ⁉」


ゲイブ 『そうよ!【筋力(ムキムキ)】と【女子力(ビューティー)】は一日にして成らずなのよぉ~♪』





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