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52.未来の王太子妃は悪役令嬢?②

◆アエトース公爵邸 リオン視点36


「で?今日はまた突然の来訪だな?何の用だ?」


「折り入ってお願いがございますの!」

 突然やって来たのはミスティと実行犯のクロミだ。


 剣術の試験が近いので素振りをしていたら、いきなり目の前に出現するから、危うく切り捨てるところだったんだぞ!


 ミスティは、俺の前で正(・)座(・)しながら説明しはじめた・・・

「もうすぐアレク様の生誕祭のパーティーがありますでしょう?」


 あるな。招待状が来て俺もマオと出席する予定だ。因みに俺が婚約したので、アナ殿下はハルがエスコートする事になっている。


「わたくし、アレク様にとっておきのプレゼントがしたいのですわ」

 ・・・とっておき? それが俺とどういった関係があるんだ? でもこの流れだと、絶対俺に無理難題言って来るんだろうな~・・・ああ、メンドクサイ。


「何をプレゼントするかは決まっているのか?」


「はい!【土の精霊石】でブローチを作りたいのです!」


 精霊石か…俺も見た事が無いんだけど?ミスティは何処でそんな情報を知ったんだ?


『クロミの話によると、王宮の宝物庫に入れて貰った時に、ずっと昔の王様の【火の精霊石】のブローチを見たんだと、それでお前なら何か手がかりを知ってるんじゃないかってさ』

 カゲ丸・・・ちょこちょこ俺の思考を読むなよ。


 いや待て・・・。何でそこで『俺』ってなるんだ?俺は精霊石を見た事も無いんだぞ?


「リオ兄様は、土の精霊ゲイブ様とお知り合いだと、アレク様に伺いましたわ!ですから、ゲイブ様を紹介して欲しいのですわ!」


 ア~レ~ク~…秘密だって言ったよな~!


『ゲイブ殿が『アレクに押し倒された』なんて言うから『何処でお知り合いに?』ってミスティが気になって聞いてきたらしいぞ。で、リオンの紹介だって言ったみたいだ。古代竜様の事はギリ言ってないぞ』


 まぁそれなら仕方ないか…竜姿のジジさんを見られなければいいだけだ。…だから思考読むなって!


「…わかった、今からパルセノス邸に戻ってカゲローに頼んでみよう」

『オヤジに頼んでダイナモ霊山まで行くんだな?』





◆ダイナモ霊山キャンプ地 ミスティ視点8

 

「ふぉふぉふぉ…なにやら大所帯じゃのぉ」


 屋敷に帰って、リオ兄様がカゲローと話をしていたかと思ったら、一瞬で山の中におりましたの。

 わたくしの側には、リオ兄様・カゲ丸・クロミ、カゲロー・・・


 そして目の前には白い長い髪で、白いお鬚のお爺さまがいらっしゃいました。このお爺さまは確か、三国会議のエキシビジョンの時に、リオ兄様のお隣に座ってらしたお方ではないかしら?


「ジジさん、この子はミスティといってアレクの婚約者だ。今日はこの子の頼みを聞いてやってくれないか?ゲイブ殿に会いたいらしいんだ」

 なんと!この好々爺のようなお方が【ゲイブ殿】とのパイプ役なのですね!


 それにしても、ここは一体どこなのでしょうか?

 森の中の渓谷?空気がとてもおいしくて清々しいです…アレク様も連れてきてあげたかったですわ!


「ほほぉ~そうかそうか。儂はリオンのキャンプ仲間で、アレクの魔法の師匠じゃ。可愛らしいの娘じゃ『ミーちゃん』と呼んでいいかのぉ?」


 ここはリオ兄様のソロキャンプ地でしたか!アレク様はこちらにいらした事がありますのね!しかも【お師匠様】とてもフレンドリーなお爺さまですわ!


「(コソッ)ワンワン…(ミスティが【マオ】を助けたから古代竜様は甘々だな)」

「(コソッ)それで『ミーちゃん』か…好感度が高いわけだ…」


 リオ兄様とカゲ丸が何かコソコソ話していますわ?何でしょう?


「ミーちゃんは何故ゲイブに会いたいのじゃ?」


「ジジ師匠様!わたくしアレク様に【土の精霊石】のブローチをプレゼントしたいのです!」

 ジジ殿はアレク様のお師匠様なので【ジジ師匠様】と呼ばせて頂きますわ!


「もうすぐアレクの生誕パーティーがあるんだ。その時にプレゼントして、身に着けてほしいみたいだ」


「もう!リオ兄様ったら!わたくしがちゃんとご説明したかったのに!」ぷんぷん

 リオ兄様は『悪い悪い』とまったく反省してない顔で笑っています!わたくしは真剣なのですよ!



 アレク様と婚約してから一年半ほどが経ちました・・・

 最初は、アレク様に『本当に好きな人』が現れるまでの虫除けの役目だと思っていたのですが・・・


 いつもわたくしを大切にしてくださるアレク様の役に立ちたいと、王太子妃教育やお勉強を頑張っているうちに、段々と楽しくなってきて。いつの間にか【悪役令嬢】に対する拘りも薄まってきたのです。


 あ、でも完全に廃業するわけではありませんわ!何故なら【悪役令嬢】は必(・)要(・)悪(・)なのです。

 わたくしがやらねば誰かが配役されるのですから、おかしな方が拝命されて、テル-(ヒロイン)に万が一の事があってはなりませんもの!


 そんな、普通の方なら理解し難いこだわりを持つわたくしなのに、アレク様は理解を示して下さって・・・いつも『かわいい』とか…『あいしてる』とか……言って下さって…だんだんわたくしも…


「ミスティ?どうした、耳まで真っ赤だぞ~どうせアレクの事考えてるんだろう?」


「!リオ兄様は『デリカシー』のお勉強なさってくださいませっ‼」





[おまけ]~反省の様式美・SEIZA~


リオン 「じゃあ、一旦パルセノス邸に行くぞ。…どうした?立てないのか?」


ミスティ「あ…足が痺れて…」


リオン 「何でそんな座り方してたんだよ…」


ミスティ「反省した時の定番だと・・・お母様が・・・」 


 因みに『DOGEZA』の仕様も習っていますよ。





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