49.恋心と決闘と ③
◆竜騎士団訓練場 リオン視点34(決闘前より)
「いいよ。受けて立つ。方法も場所も時間も君に任せよう。…何なら今からでも構わない」
やっぱりそう来たか。今日は訓練も休みの日だから、恐らく来るだろうとは思っていたけどね。
自分の予想が当たっていた事に、思わず笑みが洩れた。
…おっとルチアを怖がらせてしまったな。すまない…許せ
「では、今から。竜騎士団訓練場にてお願いします!」
俺たちはほど近い竜騎士団の訓練場で合流した。
無論【影移動】の俺たちが、先に来て待っていたかたちだ。流石にカゲ丸の力ではルチアは運べないからな。
そうして、今訓練場に立っている。
「で、方法は?」
シリウスが少し考えているのを待つ。
「魔法対決でお願いします」
だよな。・・・ルチアまだ俺見てぶるぶる震えてるし…ほんとゴメンってば!
武器使用は団長の許可貰わないとだし・・・
シリウスの魔法属性は【風と水】で、メインは【風】だ。
竜騎士は【風属性】に適性が無いと竜に乗れない。常に風魔法で身に受ける風圧を調整しているんだ。だから風魔法には絶対の自信があるだろうし。(俺がジジさんに乗せてもらった時は、ジジさんが調整してくれて快適だったなぁ)
実直なシリウスは、研鑽を積んだ風魔法をぶつけてくるのだろう。なら・・・
「シリウスは確か【風】がメインだったよな。なら俺も【風】しか使わない。フェアだろ?フフッ…」
悪いがマオは譲れない。鼻っ柱はへし折らせてもらうよ。フフフ・・・
「わかりました!では参ります!」
《シュン!》《シュシュン!》《シュン!》・・・・・
「おお・・・っと‼」
シリウスが繰り出す【ウィンドカッター】を《スパパーン》と、同じくこちらも【ウィンドカッター】で相殺する。
「っ‼‼‼」
驚いてるよな~。優秀なシリウスなら気付いただろう。俺がまったく同じ力でわざと【相殺】した事に!
何故なら、この訓練場思ったより狭くて、本気出したらシリウスの【ウィンドカッター】壊すどころか
竜舎や塀も壊しそうなんだ!
悪いが俺はこの『防戦と見せかけたプライドへし折り作戦』で行かせてもらうぞ‼
「はぁ…はぁ……」
シリウスの息も上がってきたな・・・
長時間戦っていたわけじゃないが、密な攻撃の応酬で周囲の魔素が希薄になっている。
「はぁ…はぁ・・・さすが竜騎士。なかなかに手強いな…はぁ~魔素が足りん・・・」
これで終了はシリウスも納得いかないだろうし、風以外使わないと言った手前だが、
「・・・【ドレイン】使って魔素を集めるが、いいか?」
一瞬驚いたがコクリと頷く。なんか瞳が期待に満ちているんだが?気のせいか?
「じゃあ・・・」
と、闇魔法を展開・・・
『『『『『‼‼駄目駄目ダメーーーーーーーーーっ‼‼‼』』』』』
「うわあぁぁっぷ⁉⁉」
突然現れた手のひらサイズの精霊てんこ盛りが、俺の顔にへばり付いた!お前らあの時、鬼ごっこした奴らだな!
「なんなんだ!お前たちは!」
一匹一匹を抓まんで、顔から引きはがす・・・
『闇魔法は使わせるなってオジジ様から頼まれました!』
ジジさんが?なんでだ?
『リオンは闇と親和性が高いから、すぐ羽目を外すからって!』
羽目を外す・・・心当たりあるな・・・
『王都がまるまる墓場になるからって!』
⁉⁉・・・それは言い過ぎだ‼ 見ろ!シリウスが滅茶苦茶青くなってる!
『魔素足りないなら!私たちが味方するから!』
「だそうだが…どうするシリウス?続けるか?」
「…いえ。降参です。精霊が味方では私に勝ち目もありませんね」
まぁシリウスもスッキリした顔してるし、一件落着って事でいいのかな?
「俺は別に【チェス勝負】とかでもよかったぞ」
まぁ負ける気はないが。平和的だろう?ルチアも怖がらせなかったし・・・
シリウスは一瞬キョトンとして、
「ふはっ!…その手がありましたか。魔法対決より少しは勝ち目もありそうですね」
と、笑っていた。
「リオン様は陛下のご命令で、義姉上と婚約されるのですか?」
マオから聞いたのか?アレクが言った通りあれは余計な事だったなぁ~
「陛下のご命令には『テル-の気持ちが第一です』と断りを入れたよ。『逃がさないように』と仰ったのも、魔獣と交流出来るメリット云々じゃなくて、恐らく俺が珍しく好きになった女性だからかな?…俺も陛下も【闇】持ちだから素直じゃなくて、すまない…色々誤解させたな」
「リオン様は義姉上がお好きなんですね・・・なら、」
「決闘はんたーーーーーーいっ‼‼‼」
「きゅん!きゅ~ん!(けっと!はんた~~い!)」
・・・離れたところで見学していたルチアの影から、突然一人と一匹が飛び出した。
[おまけ]~隠し子疑惑~ チェス勝負 VSマオ
リオン「チェックメイト」
マオ 「ぐぬぬぬ・・・もう一回…お願いします」
リオン「もう五回目だぞ~まぁ俺は楽しいからいいけど♪」
マオ 「リオン様…途中までこっちを優勢にして、勝ちを期待させておいて、実は裏でじわじわ追い詰めてるっていう戦法・・・ほんとは陛下の隠し子だったりしませんか?」
リオン「えっ⁉ 冗談でもやめて‼」
中身が【ダークヒーロー】なので‼
マオは薄っすら気付いてるよ!




