48.恋心と決闘と ②
◆竜騎士団訓練場 シリウス視点4
「いいよ。受けて立つ。方法も場所も時間も君に任せよう。…何なら今からでも構わない」
ニヤリと笑うリオン様。そう言えばこの方は陛下と同じ【闇属性】をお持ちだった。
陛下の黒い笑顔と同じだ…。義姉上はこんなリオン様をご存じなのだろうか・・・
ルチアは光属性で本来【闇】に強い筈なんだが、リオン様を怖がってしまっている…。なんてお方だ。
「では、今から。竜騎士団訓練場にてお願いします!」
そうして、今訓練場に立っている。
「で、方法は?」
ルチアは怖がっているので騎竜は出来ない。そもそも本来騎士ではないリオン様相手に【剣】での決闘を申し込む際は、騎士団長の許可が要る。・・・なら
「魔法対決でお願いします」
私の魔法属性は【風と水】メインは【風】だ。飛竜は【風属性】に適性が無いと乗る事は難しい、なので風をメインに鍛えてきたのだ。
確か、リオン様は【風・水・氷・闇】の4属性をお持ちの超エリートだと聞いている・・・特に【闇】に関しては未知数らしい。・・・正直に言うと、勝てる見込みは無いと思う。
けれど…義姉上の事を考えると、申し込まずにはいられなかった。
「シリウスは確か【風】がメインだったよな。なら俺も【風】しか使わない。フェアだろ?フフッ…」
…ずいぶんな自信家でいらっしゃる。すでにその笑いに【闇】が滲んでますが・・・ちょっと言える雰囲気ではありません。
「わかりました!では参ります!」
魔素を集めて大きく振りかぶり、リオン様に向かって風の刃を投げつけた!
◆ペリステラ伯爵邸 マオ(テル-)視点11
昨日お義父様に『了承』をお伝えした事で、今日はアエトース公爵様と陛下に話して来ると仰っていました。何だかドキドキして落ちつかない・・・す~は~す~は~
そう言えばシリウスもまだ帰っていません。今日は訓練の無い日なのに・・・
『私だって義姉上の事はお守りできます!私では駄目でしょうか⁉』
『へ・・・???』
真っ赤な顔のシリウスと、意味が分からず、キョト~ン顔のテル-・・・
『ハッ!すみません‼出直します!』←いきなり過ぎた事に気付き、
と走り去る。
昨日の言葉の意味を詳しく聞いてみたかったのですが・・・
「きゅ~ん!きゅ~ん!(テル-!たいへん!)」
コカゲが珍しく、慌てて影から飛び出して来ました。どうしたのかしら?
「きゅ~ん!きゅう~~ん!(けっと…!リオと…シリウス!)」
けっと?けっとう?…血糖?…決闘・・・決闘ぉーーーーーーっ⁉⁉⁉
な・・・何でまた、そんな事に・・・
「きゅう~~ん(とめに…いく…?)」
コカゲがとても心配そうに見上げてくる。
「行く!行く!連れてってコカゲ!」
◆竜騎士団訓練場 シリウス視点5
はぁ…はぁ……やっぱり…リオン様は…強い…。
他属性を使って来ないから、何とか互角で戦えているけれど・・・
逆に、他属性を使わないという縛りが、リオン様の枷になって動きが鈍くなっている気すらする。全ての属性を使われたら、もしかして秒殺だったのではないか?
「はぁ…はぁ・・・さすが竜騎士。なかなかに手強いな…はぁ~魔素が足りん・・・」
確かに、この一帯の魔素が私たちのせいで枯渇しているみたいだ・・・。
「・・・【ドレイン】使って魔素を集めるが、いいか?」
ドレイン⁉ そんな事も出来るのか⁉ このお方は!
そんな御業を見られるものなら、見てみたい!と頷く・・・
「じゃあ・・・」
『『『『『‼‼駄目駄目ダメーーーーーーーーーっ‼‼‼』』』』』
「うわあぁぁっぷ⁉⁉」
突然現れた手のひらサイズの精霊が多数、魔法を発動しようとしたリオン様の顔面に飛び掛かっていた・・・小さきモノとリオン様の絵面が…シュール過ぎる。
「なんなんだ!お前たちは!」
『闇魔法は使わせるなってオジジ様から頼まれました!』
オジジ様?どなただろう?上級精霊か?
『リオンは闇と親和性が高いから、すぐ羽目を外すからって!』
羽目を外すリオン様・・・興味あるな・・・
『王都がまるまる墓場になるからって!』
⁉⁉・・・それは見たくない‼ 私はもしかしてとんでもない人に喧嘩を売ったのか・・・?
『魔素足りないなら!私たちが味方するから!』
「だそうだが…どうするシリウス?続けるか?」
「…いえ。降参です。精霊が味方では私に勝ち目もありませんね」
精霊を味方につけている人間は、アレク殿下だけかと思っていましたが・・・宰相の息子でありながら、知らない事はまだまだいっぱいありそうです。
[おまけ]~ダークヒーロー爆誕~
古代竜「リオンは闇に呑まれ易くてのぉ、あの時も正気に戻すのに苦労したんじゃ」
魔獣Ⓐ『ボコボコにされたヤツですね!』
古代竜「敢えてのボコボコになのじゃ‼ …あの時はマオの話す【異世界の魔王】はリオンの事かと思う程じゃったわい」
本人の知らぬ間に【ヒーロー】からジョブチェンジ!




