44.街デート? ②
◆王都市街地 マオ(テル-)視点8
コカゲの能力でリオン様とカゲ丸と一緒に、王都の市街地にやって来ました。
「さすがコカゲは優秀だな」
「きゅ~~ん(リオの…ナデナデ…すき)」
頭を撫でられてコカゲはご満悦ですね。それをカゲ丸が『じとーーっ』と見ています。
自分も撫でられたいのかな?と、こっそりナデナデ・・・
『???』
きょとんとしていますね。あ、そう言えばカゲ丸は【アラフィフ】でした!オジサン相手に失礼だったかしら?(←失礼)
「用事って何なんだ?」
諸事情でノートがダメになってしまったので、文具屋に行くつもりなのです。
私物をダメにされるのは男爵家の日常茶飯事で、慣れてるからそれ程ショックは無いのですが、せっかくヨハンお義父様が買って下さったのに…と思うと悲しくなりますね。
物に当たらず、直接わたしに当たればいいのに……少々の怪我は自分で治せますからね。フンス!
「文具屋で買いたいものが有りまして…あ、リオン様の【お話】って何でしょう?(コソッ)まさか、またおじいちゃんが何かしましたか?」
リオン様はプッと笑って『あとでゆっくり話そう』と仰いました。おじいちゃんはわたしの事になると、少し羽目を外し気味になるのです。困ったものですね。
「ココです!」
庶民が利用する普通のお店で、とても落ち着くのです。貴族用のお店は緊張しちゃうので…。
『オレたちは店に入れないから、影で待機しているぞ』
とわたし達の影に入っていくコカゲとカゲ丸…。もしかして歩くのが面倒になってない?
《カラ~ン》
中に入ると、お店の主人が『いらっしゃいませ』と、いつも通り優しく迎えてくれました。
わたしがノートを物色している間、リオン様もあちこち見ています。あ、笑っていますね…
「リオン様?何か面白いモノありましたか?」
「いや…ちょっとジジさんの事を思い出して・・・」
思い出し笑いでしたか……おじいちゃんたら何したのかしら、も~・・・
「会計済ませてきますね」
店の主人の所でお金を支払ってリオン様の所へ戻ると、
「この後、ステラの喫茶店で少し話をしないか?もちろん誘った俺の支払いでね」
と仰いました!ステラ‼ あの限定クッキーのお店です!
超人気店で、併設の喫茶も常時満席です!今から行って座れるのでしょうか??
でもでも、一人で行くには敷居が高いのです!これをお断りしたら、多分一生後悔します‼
「ステラの喫茶‼ 行った事無いですっ!ゴチになります!」
リオン様の背後から後光が差して見える・・・実は【神様】のおひとりなんじゃないですか?
ステラに付くと、何故か裏口に案内されました。
「ふわぁ~…VIP席とか…一生の記念になります!アンビリーバボーです!」
天井の高い喫茶フロアにロフトのような形で作られています。ですが喫茶一階から登る階段は無いし、一階から見上げても並べられた観葉植物で、コチラは見えないようになっていました。
「コカゲとカゲ丸も出ておいで。一緒に食べよう」
リオン様の声掛けで二匹がいそいそと影から出てきます。嬉しそうに尻尾を振っていますね。
「ワンワン!(見ろコカゲ、高級おやつだぞ!)」
「きゅ~きゅん!(…こうきゅ…おやつ…うれしい!)」
「よかったねぇ~わたしもめちゃくちゃ嬉しいよぉ♪」
今日まで生きててよかったよ~~と、スイーツを頬張っていたら、リオン様に微笑ましいモノを見る目で見られていました。・・・ちょっと恥ずかしい。
「ところで、ノート沢山買ってたけどそんなに勉強してるのか?」
……え~っと、何と言えばいいのか…な
「きゅ~~ん(テル-…いじわる…されてる…の)」
「ワンワン?(どういう事だ?)」
言うのを躊躇っているうちに、コカゲとカゲ丸がリオン様に説明してくれたみたい。
でも、リオン様の眉間のシワがどんどん深くなっていくので、気が気じゃないんですけど・・・
「あっ!あの、こういうの別に気にしないので!男爵家の時に比べたら全然マシですし!…ただちょっと…ノートは勿体ないかな…って…アハハ」
リオン様やシリウスの事で嫉妬されるのが【理不尽】だと思う気持ちは、正直あります。けれど、嫉妬してしまう令嬢の気持ちも分からなくもないので・・・難しいトコロなんですよね。
このまま虐めに甘んじるのも違うかな?とも思うし、あまりにも酷くなるとおじいちゃん達が何か仕出かしそうだし・・・ 解決策…解決策…ん~~
「テル-…いや【マオ】俺は君の事を好ましく思っている。これからは、どうか俺に君を守らせてほしい。俺と婚約してくれないかな?」
「えっ!ええぇぇ~~~~~~⁉」『はあぁぁ~~!?』「きゃわん⁉」
突拍子もないご提案に、思わず令嬢らしからぬ声が出たのは仕方ないと…思うのです…。
[おまけ]~ある日のVIP席~
ミリア 「今日の議題は『リオン君の婚約者について』ですよ♪」
ディアナ「アナは駄目よ。あの子ハル君が好きだから」
ミリア 「えっ!マジっすか⁉」
エステル「リオンは一緒にキャンプしてくれる女性じゃないと、無理な気がしますわ…後々ね」
3夫人 「「「そんな子いるかしら?」」」
~・~・~・~・~・~・~・~・~
マオ 「へ…クシュ……風邪??」




