37.お悩み相談 学園出張所?
◆聖バルゴ学園 カゲ丸視点19
リオン達が座学の時は、オレ達従魔はもの凄くヒマなのである。
なので中庭に集まって、うだうだ過ごすのだ。影魔法で帰っていてもいいんだが、従魔同士で交流するのも楽しいからと集まっている。
主に、自分の主人に対しての愚痴大会であったりもするのだ。
『自分の従魔に対して『ざまぁ』って言うか!普通!』
オレが付いて行かなかったあのキャンプの日。
リオンは古代竜様の家に呼ばれて、衝撃の事実を知った。
そして帰ってきてオレを見て言った最初の言葉が・・・
『ざまぁ』 プークスクス
そのあと、テル-やマオや魔王の事を一気に捲くし立てて、衝撃を受けているオレを見て更に、
『みんなが【ざまぁ小説】にハマる気持ちが理解できた。ハハハ!』
と、オレが前に思った事と同じこと言いながら、去っていきやがったんだよ!アイツは!
『にぃにぃが最初に言ったんでしょ~おたがいさまね』と、ミカゲ
『…じごう…じとく?』と、コカゲ
妹たちが辛辣だ…。おにぃちゃんは泣いちゃうぞ。
けど、テル-が(仮)とはいえ【現魔王】とはな~
【ヒロイン】だと信じていたテル-は、実は異世界転生者のマオ・・・
【真正ヒロイン・テル-】は行方不明で恐らく【神様】とラブラブ・・・
【ヒーロー】と結ばれるべき【ヒロイン】は居なくなったことになるな。
という事は…リオンは正真正銘『フリー』ってことだな! 彼女いない歴更新だ!
『よし!あとで『ざまぁ』って言ってやろう!』ニシシ
『にぃにぃ…それブーメランだよ~』
『…おとなげ…ない』
◆聖バルゴ学園 マオ(テル-)視点4
「テル-・ミノタ…いえ、今はペリステラ伯爵令嬢でしたかしら?」
「そうよ!元男爵家のくせに!最近リオン公子様とも仲良く話してるし!」
「調子に乗ってますわよね!義弟だからといってシリウス様とも親密に・・・」
教室の入口側で令嬢方がわたしの悪口を言っています。入れない・・・困った・・・
リオン様とは仲良く…というか、わだかまりが解けたのでただ普通に声を掛けて下さってるだけだし…一人っ子だったシリウスは姉への距離感が、今ひとつ掴めていないだけだと思うの。
「義姉上!どうされました?教室に入らないのですか?」
話題のヌシのシリウスが後ろから声をかけてきました。
元一般の日本人としては、この扉の向こうの状況に突っ込んでいく勇気は無いのですよ。
「行きましょう!」
「あっ‼」
シリウスに手を引かれて教室に足を踏み入れると、令嬢方に思いっきり睨まれました。シリウスには『笑顔』わたしには『般若』・・・素晴らしい使い分けに、魔王(仮)ですが完敗です。
シリウスは成績も優秀で、このAクラスでもトップだから学年首席になります。
わたしも前世では国立大学に通っていたので、申し訳ないですが前世チートと言うヤツでAクラスに入れています。(余談でした・・・)
そんな、成績優秀・イケメン・高身長・竜騎士資格有り…の義弟は、とんでもなく優良物件なのです。
令嬢方が気を揉むのもわかりますね……悪口くらい『ドンとこ~い』です。男爵家で受けた虐待に比べたら可愛いモノですよ。
シリウスは放課後は竜騎士の仕事があるので、ひとりで帰る準備をしていると…囲まれました。
「テル-様って男爵家の人でしたよね?しかも、その前は平民だとか」
はい、その通りですよ。ニコニコ…
「元平民なのに、リオン公子様と馴れ馴れしくお話するなんて、貴族の常識が無いのかしら?」
ん~… 異世界転生→孤児→竜の養い子→男爵家養女→侯爵家侍女→伯爵家令嬢
貴族の常識は、あまり学ぶ機会がありませんでしたからね。アハハ…
「シリウス様も珍しいから構っていらっしゃるだけ!調子に乗らない方がよろしくてよ!」
はい、肝に命じます。ニコニコ…
「きゅ~ん(…とばす…?)」
コカゲがやってきました。中庭に迎えに行く約束をしていたのにね。待ちくたびれちゃったのかな?
だめだよ~と頭を撫でていると、令嬢のうち一人の方の従魔もやって来たようです。
ヤマネコタイプの魔獣で、どこか元気がありませんね。どうしたのかな?
「クウ~ン(あのこ…こまってるの)」
これはいつもの『魔王のお悩み相談室』案件でしょうか。魔獣は主人の令嬢を通り越して、わたしの前にやって来ました。
「うにゃうにゃ~~ん(ご主人様に言って欲しいの~)」
「何を伝えたいの?」
「にゃにゃにゃん!にゃん!(お部屋に今飾ってるお花は猫種には毒だから!捨ててって!)」
「まぁ!それは大変!」
可愛そうに…我慢していたのね。辛かったねとナデナデ・・・
「ちょっと!うちのミーを勝手に触らないで下さいまし!」
先程、最後に話してきたこの方が、この子のご主人様だったのね。
「ミーちゃん。このところずっと元気がないんじゃないですか?」
「えっ!…どうして知ってるの?」
「今、ミーちゃんが教えてくれたんですよ。部屋に飾っている花…え~と」
「にゃ~ん(むらさきのお花)」
「OK! 紫色の花は魔猫種にとって【毒】らしいので、処分してあげてください!」
ご令嬢方は茫然としていますが、理解してくれたのでしょうか…。
「…あなた!魔獣の言葉がわかるの?」
「一応…スキルの様なモノですね。あ~でも、わかったらマズいのかしら?やってる事は、悩み事相談係なんですけど…アハハ」
そう言うと、ご令嬢たちは笑い出し、
「ふふ…なに…ソレ」
「あなた面白い方ね…クスクス」
「…帰ったら花は処分しますわ。教えて頂き感謝します」
どうやら受け入れてもらえたみたいですね。ミーちゃんも喜んでいます。
「クウ~ン(…よかった)」
「コカゲが教えてくれたからだね。ありがとう」
「…キュン(……うん)」
[おまけ]~ブーメラン♪ブーメラン♪~
カゲ丸『年齢=彼女いない歴のリオン君!更に更新おめでとう♪』
リオン「ふ~ん。アラフィフのカゲ丸さんは?いない歴何年なのかなぁ?興味あるなぁ」
カゲ丸『うぐっ・・・』
リオン「…ざまぁ」 プークスクス




