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33. 進級と生徒会

◆聖バルゴ学園生徒会室 リオン視点26


 月日は流れ、俺たちは2年生に進級した。


 一年の間は何かと忙しかったので、生徒会は免除されていたのだが、慣例に従い王族は高い役職に付かなければならず。二年生になった途端、生徒会に引きずり込まれたアレクに追随することとなった。


 アレクが生徒会長で俺が副会長。3年生の皆さんに『自分より身分が上の、ましてや王太子や次期公爵に指示出しなんか出来ない~』と、ごねられた結果こうなったのだ。


 そして今、新1年生の役員が自己紹介しているのだが、

「先輩の皆さま方!シリウス・ペリステラです!よろしくお願いいたします!」


 さすが宰相の息子、礼儀正しい。そして大層なイケメンかつ背が高い。

 今178cmの俺が彼と目線を合わそうとすると、ちょっと上を見る感じなのだ。宰相は小柄なタイプだから、恐らくローズマリー夫人の血統からなんだろう。


 エキシビジョンのバトルの時も、一般観客席は15歳の少年が騎士だとは気づいていないだろう。あれは実は、15歳(これからの人)VS 37歳(現役引退者)の戦いだったのだ。

 いいものを見させて貰った・・・


「あ!リオン先輩!テル-義姉上が『コカゲに会いたくなったら、いつでもお越しください』と言ってましたよ!」

「…ああ、ありがとう・・・」


 テル-はペリステラ伯爵家の養女になって、パルセノス侯爵家を出ていった。

 勿論ミスティの侍女も辞め、今は自分が淑女教育を受けているそうだ。

 因みにミスティは【王太子妃教育】で、殆ど侯爵家に居ないらしい……頑張れよ。


 そんなテル-は1年遅れではあるが、義弟のシリウスと一緒に入学し学園にも通い出した。たまに校内で見かけるが、何だか声を掛けられずにいる……。


「コカゲは元気かい?」

「はい!ルチアとも仲良くなって、よく竜舎に居ますよ」


 テル-がパルセノス侯爵家を出る時、何とあの『究極の人見知り犬』のコカゲが付いて行ったのだ!

 確かに仲が良いとは思っていたが、まさか付いて行く程とは・・・


『ざまぁ』

 うるさいぞ駄犬・・・


 あのコカゲが心穏やかに過ごせているのなら、本当に良かったと思う。


 唯一の懸念だったペリステラ伯爵家の飛竜達に、テル-もコカゲも怯むことなく接しているそうだ。

 おかげで家人はおろか使用人等にも歓迎されているとの事だった。





◆聖バルゴ学園生徒会室 カゲ丸視点18


「あ!リオン先輩!テル-義姉上が『コカゲに会いたくなったら、いつでもお越しください』と言ってましたよ!」

「…ああ、ありがとう・・・」 


 リオンが今年入学してきたシリウスと話をしている・・・。


 テル-が居を移す時、コカゲは何故だかテル-に付いて行ってしまった。

 行く前に聞いてみたけど、要領は得なかったな・・・


『ワンワワン?(テル-が好きだから付いて行くのか?』

『…くう?クゥ~~ン(…すき?…ちょっと…ちがう)』

『ワンワンワン?(なら何で一緒にいるんだ?)』

『クウゥ~~~ン?(なんか…ざいあく…かん?)』


 妹だけど、相変わらずさっぱり分からんヤツだった。



 テル-が学園に通い出して、たまにチラッと見かけるんだが、リオンが声を掛ける事は無い。

 三国会議の時にちょっと進展したかと思ったが、あれっきり何かが始まる事も無く…。甘酸っぱい展開を期待していたオレのワクワクを返してくれ!



「コカゲは元気かい?」

「はい!ルチアとも仲良くなって、よく竜舎に居ますよ」


 コカゲどころかテル-も女の子なのに【飛竜】を怖がらないとは…恐れ入った・・・


 俺でも古代竜様を初めて見た時、人化した姿とはいえチビりそうになった…いや、ちょっとチビッたかもしれない。

 と…とにかく、本当にコワイ存在なんだぞ!リオンといい、アレクといい…お前らホントに図太すぎる!

 けどそんな心臓に毛が生えた男が、可愛がってたコカゲにフラれて落ち込んでいる・・・

 

『ざまぁ』


 リオンにギロリと睨まれたが、ちょっと気分が良かった。ミスティ達が【ざまぁ小説】にハマる気持ちが分かったかもしれない。



 学園からアエトース公爵邸に戻ると、リオンはソロキャンプの準備を始めた。

 明日明後日は休みだから、久しぶりにキャンプに行くつもりなんだろう。


「俺、これからキャンプに行くけど、カゲ丸はどうする?」


 キャンプに付いて行ってもやる事無いし、虫も多いし・・・


『…いかない』

 俺は前世でも虫が苦手な男だったんだよ!Gが部屋に出た日にゃ~大パニックだったからな!

 

「そっか。じゃあ、大人しく留守番だな。…行って来る」


 そう言うと、荷物を背負ってサッサと出て行ってしまった。


 一応オレは従魔なんだが、リオンはオレを使って楽(・)を(・)し(・)よ(・)う(・)とは考えない。オレの影収納を使えば、重い荷物だって自分で持たなくてもいいのに・・・

 こういうトコロは一応【ヒーロー】なのかな?と思ったりもするのだ。


  



[おまけ]~会話成立~


テル-「コカゲはわたしに付いて来て良かったの?」


コカゲ「クウ~ン(テル-が…しんぱい)」


テル-「そっか~ありがとう♪」


コカゲ「キュン(いいよぉ)」


 会話成立の謎はのちに解明されます。


 


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