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32.三国会議  閉会

◆ヴァリオス王国 王宮会議場 アレクセイ視点13


 今日で三国会議が終わる。


 王宮の会議場には開催初日と同様に総勢100名程が席に着いている。


 いや…同様では無いか…。カサンドーラ帝国の席には【ビクトル皇太子】と【イザドラ公爵令嬢】の姿が無いのだから・・・


 昨日の事は一夜にして広まったからな……まぁ同情の余地は無いけど。


 昨日あの後、マシロによって飛ばされた【ビクトル皇太子】と【イザドラ公爵令嬢】は使われていない控室で発見された。


 お互い罵りあっていたそうだが【密室】に【二人きりの妙齢な女と男】それを偶(・)然(・)発見したメイドにより、噂は瞬く間に拡散されていったそうだ。(恐らくメイドは【影】だろうけど)


 リオンが犬達に聞いた話によると、ビクトル皇太子がアナスタシアと無理やり二人きりになって、既成事実を作ろうとした…とか。


 だから、仕返しに二人を閉じ込めたらしい。『従兄妹でも結婚できるだろ?売れ残りが一気に片付いて万々歳だよな!オレ達いい仕事したよな~』とカゲ丸が言っていたそうだ。うん!よくやった!



 今、会議場では今回の交流の成果報告がされている。


 リブラリア王国は、視察と勉強会で得た鉄道技術を国に持ち帰れる事に感謝を述べておられた。


 対して、カサンドーラ帝国には何の旨味も無い会議だったと思う。高価な魔道具を損失しただけだったな…自業自得だ。


 帝国はトップが変わらない限り、もう会議に呼ばれる事は無いだろう。俺が王位についたら絶対呼ばないからな。ミスティを侮辱した事は一生忘れないぞ!



「各国のさらなる発展を期待して、三国会議はこれにて閉会とする!」 


 父上が閉会を宣言して、7日間に渡る催しが終了した。無事終了と言えないところが残念だけど、いい勉強になったと思いたい。



 城門にて各国の馬車を見送る。


 リブラリア王国のコンコード陛下は、前王アンドレア様と固い握手をして帰って行かれた。


 王弟のルシファー殿は一人【光竜】で帰るようだった。因みにエキシビジョンで、シリウスとバトルしていたのはルシファー殿だったのだ。兜を被っていたので誰にも気付かれなかった!と笑っていらっしゃった。


 カサンドーラ帝国の面々は暗い表情で馬車に乗り込んでいく。

 件(くだん)の二人は既に乗り込んでいたようで、皇帝が乗り込んでから罵声が聞こえた。

 『この役立たず』『儂に恥をかかせおって』『%&#◆!×$@▼・・・』・・・ご愁傷さまだ。




◆王宮 国王執務室 リオン視点25


 すべてを終え、ステファン陛下の執務室へ集まった。

 色々な事が有り過ぎて、最終確認がしたいと宰相が希望されたからだ。


「取り敢えず、皆お疲れ様。これが終わったら帰ってゆっくり休んでくれ」

 そう仰った陛下にも、かなりの疲労の色が滲んでいた。


 最終確認は、主にカサンドーラの面々の初日から最終日までの動向。

 特に2日の魔道具に関しては、持ち込みを可能にしてしまった事に対して、保安の関係者が処罰をうけそうだ。


 処罰といえば、

「陛下。今回の件で、カサンドーラを糾弾したり罪に問うたりはしないのですか?」


 アナ殿下を危険に晒した俺にも責任があるのだが、元凶をあっさり帰してしまったのには驚いた。


「何もしないな、今(・)は(・)」


 ステファン陛下が黒い笑顔で仰るには、

 

 複数の少数民族の小国を、力でねじ伏せて従わせている帝国は、当然のこと【一枚岩】では無い。

 あのような王族達でも居なくなれば、国は崩壊しまた戦争や小競り合いが起こるのだ。

 そうすれば、こちらの国に流れてくる移民やらでまた問題が増える。


「はっきり言って、あの国の尻ぬぐいは御免だ。今(・)は(・)…な」


 なるほど……理解しました。

 あの皇帝が退けば後継はビクトルしかいない。嫁はあの女イザドラ・・・

 帝国の未来は明るくはないだろう。クーデターが起こるかもしれない。


 きっと陛下は、あのトップが失脚した際の後釜についての事を、既にお考えなのだろうな。



「わたくしあまりお役に立てませんでしたわ。完璧な悪役令嬢も出来ませんでした」


 何故か”しょんもり”のミスティ・・・言葉前半より後半の後悔が大きいんだろうな。クスクス

 確かにちょっと『正義の味方の登場』かなと思ったよ。


「これで、役目も終わりましたし、アレク殿下の婚約者も終了なのかしら??」


「「「「はいぃぃぃ⁉⁉⁉」」」」

 アレク含め全員の頭上にカミナリが落ちた!まさに《ピシャーーーーン‼‼》だっ‼


「ミッ!ミスティ!婚約は継続だよ!(君と)結婚するまで終わらないよ‼」

「あら?そうでしたのね。わかりましたわ!(どなたかと)結婚するまで、婚約者でいますわ!」

 焦りまくるアレクとニコニコのミスティ。


「こんなに焦るアレク殿下を見るのは、幼少期以来頼ですわ。ウフフ…」

「そうか?ああ、そうだ!なら『殿下』は止めて、あの頃みたいに『アレク様』って呼んでほしい。ほら、昨日はそう呼んでくれたよね?」


 そう言えば、イザドラとの言い合いの時言ってたな。親密感を出す為に、ミスティはわざと言ったんだろうけど……アレクは聞き逃さなかったんだな。


「わかりましたわ!アレク様!」


 そう笑顔で答えるミスティを見て、アレクも嬉しそうに本(・)当(・)の(・)笑(・)顔(・)で笑っていた。





[おまけ]~光竜で帰りますよ~


ステファン陛下「ルシファー殿もお疲れさま。エキシビジョンのバトルは素晴らしかったよ」


ディアナ王妃「えっ!まさか光竜で帰るの⁉ あの距離を!? むちゃはダメよ!」


ルシファー 「いや…ディアナ王妃にだけは言われたくないから・・・」


 20年前、自国に留学していたディアナに顎でこき使われ、高(・)速(・)でヴァリオス王国まで送らされた、悪夢のような過去を思い出すルシファーであった。


 



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