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29.交流パーティー ①

◆王宮 パルセノス侯爵家控えの間 ハロルド視点2

 

 三国会議六日目。

 

 今日は午後からのパーティーに備えて、貴族家控えの一室で待機しています。

 この部屋にいるのは、両親と僕とマシロです。

 姉上は王族の控室でしょう。問題を起こさない事を切に願いますよ。


「ハル…このパーティー、絶対何か起こると思うんだが…」

 父上…恐らく皆思ってます。


「僕も思います。だから、マシロを連れてきました」


 この前のテル-さんの一件では、リオ兄様が僕にアナ殿下を託してくれました。

 次はアナ殿下が狙われるかもしれない…。僕が守らないと!

 

 この三国会議中は何が起こるかわかりません。不測の事態に備える必要があります。

 その為のマシロなのですよ。


「マシロ、みんなを守る為に協力してね」

「わんわん!(まかせてハル!頑張るよ!)」





◆王宮 王族控えの間 リオン視点22

 

 とうとう六日目、パーティーの当日になったな・・・カエリタイ。

 

 今日は午後からのパーティーに備え、控えの一室で待機している。

 ステファン陛下にディアナ王妃。アレクとミスティ。俺とアナ殿下。待機しているのはこの3組で、俺の両親やリカルド伯父上達は別室だ。


「あ奴らの事だ。きっと何かやらかしてくるだろう…。気を引き締めて行け」

 陛下の言葉に皆しっかりと頷く。


 カサンドーラ帝国の問題児二人は、昨日の勉強会には参加していなかったそうだ。まぁ、俺たちが居なかったからサボタージュしたんだろうな。分かり易い。


 因みにリブラリア王国のコンコード陛下と王弟のルシファー公爵は、ノリノリで参加していたらしい。あの国の未来は明るいと思うよ。きっと・・・





◆王宮 カサンドーラ帝国控えの間 


 控えの間には大層不機嫌なグスタフ皇帝と、ビクトル皇太子…そしてイザドラ公爵令嬢の三人。

 皇妃は一昨年に亡くなっていて、現在空席となっている。

 日々問題が起こる情勢のせいなのか、グスタフの気性のせいなのか、名乗りを上げる者は居ない。


「大見得を切った割に成果が出ておらんなぁ。イザドラよ」


「ふんっ!これからよ!こ・れ・か・ら!もう仕込みは済んでるし~。あたくしの魅力でメロメロにしてやるわよ!先ずは公爵令息ね♡ それから王太子♡…ウフフフフ」


 到底上手くいくとは思えないビクトルだったが、

「イザドラが上手くいくとは思えん。ビクトルよ、お前はアナスタシア殿下をモノにしてこい。ステファンは『本人が気に入れば自分は口を出さん』と言っておる。既成事実でも作ればよい。相手は子供だ、丸め込めばどうとでもなるわ」

 父にそう言われれば従うしかないのだ。


「俺、乳臭い子供の相手は苦手なんだよな~」




◆パーティー会場  リオン視点23


 名を呼ばれて会場に入ると、たくさんの人々がこちらを見ていた。


『王女は公子と?』『あら、お似合いね』とか聞こえるんだが…


 チラリと横を見ると、殿下のこめかみがピクピクしてるし…俺のせいじゃないですからね!


 はぁ…いつもなら、アナ殿下のエスコートはアレクがやっていたからな~。


 王太子殿下が婚約した事で、あぶれてしまった王女殿下を急(・)遽(・)エスコートしてるんですよ~と、愛想を振りまきながら拡散していく…。

 合流した護衛のライラも肯定してくれたから、これで何とかわかって貰えると思うんだが。


 アレクとミスティは近衛騎士に護衛されながら挨拶まわりをしている。ステファン陛下とディアナ王妃が微笑んでそれを見ていた。


 ミスティはしっかりとアレクの色を身に着けて、アレクもミスティのピンク色を差し色に取り入れている。……ああ、王妃様のご尽力なんですね。【ドヤ顔】になっていらっしゃる・・・


 隣国の王族は…と見れば、前王アンドレア様の周りにリブラリア王国の陛下と重鎮の方々…すっかり仲良くなられたようで、喜ばしいですね。

 アレ?何か『土(ホコリ)だけに!(だけに~だけに~(エコー))』って・・・空耳??



「キャアァ‼‼」《パシャ‼》


 突然、アナ殿下の隣で女性が躓き転倒!

 持っていたグラスのワインがアナ殿下のドレスの裾にかかってしまった。


 座り込む女性の顔色は真っ白になっていた。 うん、きっとこのドレスめちゃくちゃお高いよ。


「も、申し訳ございません!」

 這いつくばるように謝る女性……。んん?これじゃまるでアナ殿下が叱責してるように見えるぞ。


「お立ち下さいませ。別に怒っておりませんし、そのように過剰に謝られるほうが不快ですわ」

「ひっ‼」

 この女…わざとやってるのか?

 

 …マズイな。周囲が興味を持ち始めている。このままじゃアナ殿下が【苛烈】だと印象操作されかねない。


「アナスタシア殿下。ドレスのお召替えを…ここは私リオンにお任せ下さい。ライラ!頼んだ」


「畏まりました。アナ様、参りましょう」

 俺の意を酌んだライラが、すかさず殿下を誘導してこの場をあとにする。


 さてと・・・

「お怪我はありませんか?我が国の方では無いようですが、もしかしてカサンドーラ帝国のお方でしょうか?」

 女性は俺を見上げてガクガク震えている?そんなコワイ顔してない筈だけど??


「あ~らリオン公子様♡こんなところにいらしたのねぇ♪ウフフ…」

 

 背後から艶のある声が聞こえてきて納得した。

 女性は俺の背後を見て震えていたのか……と





[おまけ]~人気の前王様~


コンコード「ステファン陛下!前王様を我が国にお貸し下さい!」


ステファン「父よりもっと有用な者のほうが・・・」


コンコード「前王様ほど上手な方はいません!前王様は土属性に誇(・)り(・)を持っておられますゆえ!」


前王&コン『土(ホコリ)だけに!(だけに~だけに~(エコー))』


ステファン「……好きにしてください」



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