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27.三国会議 今日は休暇日

◆パルセノス侯爵邸 リオン視点21


 今日は三国会議の中日で休暇日に設定されている。


「ふむふむ、なるほどね」

 なので、昨日あった事をリカルド伯父上に報告に来たのだ。


 テル-からの情報を利用して、ミスティを失脚させるつもりなんだろう。テル-を呼び出した女は、カサンドーラ帝国のイザドラ公爵令嬢だとカゲ丸が言っていた。


『オバサン鼻息荒かったぞ~お前もロックオンされたみたいだ!』

 あの後カゲ丸に奴らの様子を見に行かせたんだ……やめてくれ…怖すぎる。


「テル-は男爵家が無くなって心許ない状態だからね。何処かに養子に入ると良いんだけど……。よし!一度陛下に相談してみよう!今からちょっと行って来るよ」


 平民に近い状態で、帝国の皇太子と相対するのは恐怖だっただろうな。様子を見てから帰るか…。


「伯父上、テル-は今日は何処に?」

「今日はミスティがディアナ王妃とお茶会だから、部屋でのんびりしてるんじゃないか?」


「カゲ丸。行こう」

 二人きりは不味いだろうから…と言うか、俺なんか警戒されてるし、カゲ丸が一緒なら大丈夫な筈…。



 アリサさんに仲介してもらって、テル-の部屋へやってきた。


「リオン様…昨日はありがとうございました」

 テル-はコカゲと一緒だった。……コカゲはもう【俺だけの癒し】じゃなくなったのか…寂しいぞ。


 アリサさんはお茶を用意すると出て行ってしまった。まぁ魔犬二匹もいるし、いいのかな?

「昨日も言ったけど、カゲ丸のお手柄だから」


「カゲ丸さん。おかげで助かりました」

「ワンワン!(いいってことよ!気にするな!)」

「はいっ!ありがとうございます」

 え?今、会話成立した???


 だが…俺とは特に会話も無く、茶を飲んでさぁ帰ろうかとなった時、彼女は意を決したように…


「あ!あの…リオン様は…【古代竜】について、どう…お考えですか?」

「へ?(何でいきなりこの話題??)」

 

 リカルド伯父上か?いや、まぁこの家に居たら自然と耳にするか…うっかりミスティもいるし…


「特に何も考えてないけど?」


「た…退治しよう…とか…思っては…」

 ああ、やっぱり…カゲ丸の情報を、この家の誰かから聞いたんだな。


「思ってないよ。実はとある伝手から『古代竜はスローライフをしている』って聞いてるし、そんな相手をわざわざ退治しに行ったりなんかしないよ」

 そんな俺の言葉を聞いたテル-は、明らかにほっとしているようだった。


「あの!では【魔王】については!」


 それも聞いてるのか…伯父上ってば情報洩らしすぎですよ!


「…【魔王】という存在が、この国の脅威になるなら考えるけど……何もしない相手に喧嘩売りに行くことは無いね。そんなメンドクサイ事、頼まれてもゴメンナサイだ。ハハッ」


「そ…そうなんですね!(コソッ)よかった…」


 テル-は今まで見せてくれなかった無防備な笑顔で笑っていた…。

 なんか胸がきゅってなったけど…気のせいかな??


『ん~~?何が「よかった」んだ?』




◆王宮 国王執務室 アレクセイ視点11


「リオン殿の言う通り、競技場の控室の一室で壊れた魔道具が発見されました」


 今俺は、宰相であるヨハン・ペリステラ伯爵が、この前のエキシビジョンの件を報告すると聞いて父上の執務室に居る。

 先ほどパルセノス侯爵も『先触れ無し』で突撃してこられたようだが…


「魔道具は魔力溜まりで使用する物の中でも、かなり大きなサイズの物でした。個人レベルでは調達し辛い高価な物でしょう」


 つまり俺は国(・)家(・)レ(・)ベ(・)ル(・)で嫌がらせされたという事だな。


「十中八九カサンドーラの仕業だろうな。婚約を蔑ろにした意趣返しといったところか?」

「それだけじゃ無いっぽいぞ。さっきリオンに昨日の報告を受けたんだが…」


 パルセノス侯爵は、昨日ミスティの侍女が皇太子に絡まれた話をした。


 俺の婚約者のミスティを排して、成り代わろうとしているのか…あの女。言っておくが一番苦手なタイプだぞ!しかも、リオンもロックオンしているとか……気持ち悪すぎる!


「侍女のテル-・ミノタリオは男爵家が無くなって平民になってしまった。ミスティの側にいる者として後ろ盾が欲しくてな。何処かの養女に入れないかと思ってるんだ」


 そうか…それでパルセノス侯爵は慌てて来られたのか・・・。


 昨日は偶々リオンがいて難を逃れたが、平民や下位貴族では他国とはいえ王族の命令には逆らい辛いからな…


「ならば私の養女というのは如何でしょう?うちは息子のシリウスしかおりませんので、女の子を欲しがっていた妻のマリーが喜びます」


 ヨハン宰相が嬉しそうにそう言った。きっと最愛のローズマリー夫人の喜ぶお顔を想像したのだろうな。

 ペリステラ伯爵家なら、牽制するのに申し分無いだろう。何といっても現宰相の娘になるのだ。下手に手出ししたらそれこそ国交断絶になるからな。頭がキレる分やる時はやるお方だ…。


「ヨハンのところなら安心だ!テル-の事よろしく頼む」

「お任せを!リカルド先輩!明日マリーをそちらに向かわせますね」


 話は纏まったようだ、これで侍女には手を出せなくなっただろう。

 けれど、奴らはまだ諦めていないだろうから、俺がしっかりミスティを守らないとな。





[おまけ]~王妃様とお茶会~


ディアナ「これはリブラリア王国の有名なお菓子よ♪」


ミスティ「ふわぁ!美味し糧(うましかて)っ(いただきます)!ですわ!」


ディアナ「こっちは流行っているざまぁ小説よ♪」


ミスティ「ひょぇ~!マジ卍(嬉しすぎ)!ですわっ!」


肩を震わせるディアナ(ミリアとエステルを足して割ったらこうなるのね…フフフ)


 3人の元御令嬢は同い年で今でも親友です。





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