24.三国会議 エキシビジョン②
視点が入り乱れて読みにくいかもしれません。
ご容赦くださいませ。
◆エキシビジョン会場 アレクセイ視点10&リオン視点18
魔法の発動には魔素が不可欠だ。
リオンに相談しようとミカゲに頼んでみたが、ミカゲも影魔法が使えない様で悲しげに首を振っていた。
どうやら、この辺り一帯に魔素の枯渇が起きているみたいだな…。
「万事休すか…」
まさかこんな事が起こるとは…想定外だった。…いや、ありとあらゆる想定をすべきだったんだ。魔法が上達した事に浮かれて、それを放棄していた…とんだ未熟者だな。
『次は最後の演目になります!ヴァリオス王国王太子!アレクセイ殿下のご登場です!』
父上母上やヴァリオス王国の皆には恥をかかせてしまうかもしれない。会場の魔素も枯渇していたならば、期待に沿えなかった事を誠心誠意謝ろう。
そう覚悟を決めて、俺は一歩踏み出した。
青い顔のアレクが引き攣った笑顔で手を振っている。どうしたんだろう?
「ふむ。どうやら悪さをした輩がおるみたいじゃのう・・・」
ジジさんがそう言って周囲を見回す。何が見えているんだ?
「…この辺り一帯の魔素が一か所に引き寄せられておる。今この会場の魔素は空っぽじゃ」
なんだって……驚いて魔法を練ろうとするが、確かに上手くいかない!
『オレも!オレも影魔法が使えないぞ!』
息をするように使っていた魔法が使えなくて、カゲ丸も慌てていた。
さっきの光竜のバトルでは魔法は問題なく発動していた…。この短時間で魔素が消えるなんて…
「有り得ない…」
「言うたじゃろ?悪さした者がおるのじゃ」
このままじゃ、大舞台に立つアレクはとんだ赤っ恥だ!
「ジジさん!何とかならないかっ!?」
ふむ…とジジさんは目を閉じて考えている。
「心配せんでもよい…との事じゃ」
目を開けたジジさんがそう言ってニッカリ笑った。
え?何が???
会場の中央に向けて、両手を差し出し力いっぱい魔力を練る・・・
「クッ…」 駄目だ…やはり魔素は集まらない。諦めるしかないんだろう…。
観客たちは固唾を飲んで見ている。王族席の両親に妹、そして婚約者のミスティも心配そうにしていた。皆をガッカリさせてしまうと思うと、胸が張り裂けそうだが……ここは潔く謝ろう!
そう決めて、腕を降ろした瞬間!
《ボゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーッ‼‼‼‼》
「…エ??」
目の前には、思い描いていた【土の城】が出来上がっていた…。
城は競技場の面積の半分以上を占める巨大なもので、窓や飾りが細部にわたり緻密に再現されている。
観客席は驚きと興奮に包まれ、自国の王太子を讃える拍手が鳴りやまない。
何が…起こったんだ???
アレクは自分の目の前の造形物を見て、あっけにとられているようだ。
「ジジさん?なんかしたの??」
「いんやぁ~アヤツじゃ」
『呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン♡ お城と言えばやっぱり【お姫様】よね♪』
ウインク《バチコーーーン‼》
突然空中にドレス姿の褐色マッチョが現れたのだ!見覚えがあり過ぎる!
「ゲイブ殿っ!?」
ドレス姿の【土の上級精霊】が、土魔法の城の周りを優雅に浮遊している……。
城の出現で興奮していた観客席が、ゲイブ殿の出現でさらに大きくどよめいた。
インパクトは絶大だ!色んな意味で!
『ア・タ・シはぁ~土の上級精霊のゲイブよ~♪このアレク殿下と仲良しなのぉ♡』
見た目は異様だが本物の上級精霊の出現に、観客の興奮はピークに達していた。
ゲイブ殿のおかげで魔法が発動できたのか…感謝します。
『殿下に押し倒された事もあるのよ~~キャッ♡』
「「「「「えええええぇぇーーーーーーーっ‼!?‼!?」」」」」
うっ………確かに事実ですけど‼ 俺の感謝を返してください!
するとゲイブ殿が側におりてきて、真顔で…
『(コソッ)魔法を終了して…原因を追うから…』
それにコクリと頷き、魔法を解除する。
光魔法も同時に使い、サラサラと消えて行く城を光らせ幻想的な演出を施した。
「「「「「おおおお~~~~!!」」」」」
キラキラ消えて行く城に観客は魅了されているようだ。願わくば先ほどの驚きは忘れてほしい…と切に!切に願う!
「良かった…どうなる事かと思ったけど。無事終わったな。アレク、おめでとう」
ほっとしてジジさんの方を見れば、その姿はこつ然と消えていた。アレクの隣にいたゲイブも、いつの間にか居なくなっている。
「終わったから帰ったのか??」
観客席は皆一様に、スタンディングオベーションで王太子に拍手を送り続けていたが、それはある国の王族席でそれを苦々しく見つめる三人を除いての話である。
◆競技場 とある一室
「やはりコイツが【原因】じゃな」
『まったく何処のどいつかしら!こんな危ないモノを放置するなんて!』
古代竜はゲイブと共に、放置された魔道具の前にいた。
魔道具は今も尚”シュウシュウ”と音を立てて魔素を吸い上げ続けている。
このまま放置すれば、いずれこの魔道具は耐えきれなくなり壊れてしまうだろうが、稀に周囲に大きな影響を及ぼすことがあるのだ。
「まぁ凡そ見当はついたわい。では壊してしまえ」
『りょ~かい♪……フンッ‼‼』
ゲイブがマッチョな腕で魔道具を《グシャリ》と叩き潰した。
解き放たれた魔素が周囲に噴き出し、逆に過剰な魔素だまりと化してしまった。
しかし…
「過剰摂取はするなとマオに言われておるんじゃが、今回は仕方ないからのう…不可抗力というヤツじゃわい♪」
余剰にあたる分を素早く吸収してゆく古代竜・・・
「一件落着じゃ♪」と、千鳥足で帰路についたのであった。
[おまけ]~不可抗力??~
陛下 「アレク!よくやった!感動したぞ」
アレク「ありがとうございます!ゲイブ殿のおかげで成功しました!」
アナ 「で、お兄様。あの方を押し倒した…というのは事実なのですか?」
アレク「へっ?じ…事実だけど、語弊があるんだ!(言えないけど)」
ミスティ「そんな…事実だなんて……」
アレク「ち違うんだ!ミスティ!あれは不可抗力で」
ミスティ「すっごいですわぁ♪あんな大きくて強そうな方を押し倒せるだなんて!アレク殿下は見かけに寄らず力持ちでいらしたのね♪」
3人 「・・・・(安定のパルセノス家)」




