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22.三国会議 開催

◆ヴァリオス王国 王宮会議場 アレクセイ視点8


 とうとう本日から一週間の日程で【三国会議】が開催される。


 本来ならばもっと日数を要するところだろうが、何処かの『帝国(おくに)』の国内が不安定な為、長く国を開けられないのだそうだ。かといってあちらの国で開催するのは、治安の問題で無理だしな。


 王宮の会議場には三国の代表及び随行者に関係者、総勢100名程が席に着いている。ヴァリオス王国王族の席には代表者席の父上以外の人間、王妃・俺・アナ・ミスティが座っている。


 ……そうミスティが【俺の婚約者】として隣に座っているのだ!


 あの後、父上は即座に各貴族家に信書を飛ばした。

『王太子アレクセイ・ヴァリオスとミスティ・パルセノス侯爵令嬢の婚約が調った事』

『婚約披露宴は三国会議が終了して後、日取りを決定する事』


 父上は余裕だったが、多分一番可哀想だったのはリカルド・パルセノス侯爵だったんじゃないかな?と思いを馳せる・・・


 あの日帰る時も『ありえん…ミスティが…王妃?……ヤバい!家庭教師増やさないと…』とブツブツ言いながら出て行ったし、恐らく色々な所から【問い合わせ】や【ご機嫌伺い】が殺到しただろうし…。



「本日より【三国会議】を開催する事をここに宣言する!」

 父上のよく通る声が会議場に響き渡った。


 会議の一週間の日程は


1日目  開催宣言 各国の他国への要望・申請の話し合い

2日目  エキシビジョン

3日目  要望があった場所への視察

4日目  ~休暇日~

5日目  専門家による勉強会   

6日目  交流パーティー

7日目  最終決定会議  閉会宣言


 と、なっている。俺の出番は明日だな。

 

 各国の挨拶も終わり、互いの国への要望や条約に関する話し合いに突入する。


「ヴァリオス王国の鉄道技術は素晴らしいですね。我がリブラリア王国にも是非とも導入したいと思っております」


 リブラリア王国のコンコード陛下は38歳の父上より2歳上の40歳で、まだお若いし腰の低い印象だ。

 と言うのも、28年前に流行病が猛威を振るったとき、我が国がいち早く特効薬を作り近隣諸国にも提供したそうで、当時子供だったコンコード陛下もその時罹患したらしく『特効薬で救われた』と今でも感謝されているらしい。


 一時期だが母上がリブラリアに留学していた経緯もあり、国同士の関係はとても良いと思う。


「リブラリア王国からは我が国に【光竜】を贈って頂きましたし、出来る範囲での協力は惜しみませんよ」

「ありがとうございます。現地視察が楽しみです」




◆ヴァリオス王国 王宮会議場 ミスティ視点6


 アレク殿下の婚約者として王族席に座っておりますが、何でしょう…先ほどからわたくしを睨む女性がいらっしゃいますわ。カサンドーラ帝国のお席です。あの国には王女は居ないので、王族の傍系血族の方かしら?


「アナ殿下。わたくし睨まれておりますの?」

 扇子を開いて口元を隠し、こそっとアナ殿下に伺います。

「…あぁ、あの方はカサンドーラの公爵令嬢イザドラ・カリスト…。性懲りもなく…」


 わたくしとアレク殿下の婚約発表の直前に、カサンドーラ帝国から釣書が届いたのですが…彼女でしたのね。でも随分お歳が上のようですが……ボン・キュッ・ボン…ですわ。


「アレク殿下は、あの方に惹かれたりしませんか?」

 今度は反対隣のアレク殿下にこそっと伺います。…すると


「うげっ!」

 そちらに目をやった殿下に気付いたイザドラ様がウインクを贈ってきましたわ。

『惹かれる』どころか、思いっきり『引かれて』いらっしゃいますわね。



「ステファン陛下。ところで、我が国が送ったこちらのイザドラ・カリスト公爵令嬢の釣書は届いておるのだろうか?」


 カサンドーラ帝国のグスタフ皇帝が、会議の場に相応しくない話題をぶち込んできましたわ!

 皆さま『ドン引き』ですわ!カサンドーラのお国は『引かれる』のがお家芸なんですの?


「さて?なにぶん【三国会議の準備】と【息子の婚約決定】でバタついていたので気が付かなかったな。ディアナは見た事あるかい?」

 ご存知の筈の陛下はとぼけて王妃様にバトンタッチしました。会議でこんな内輪の話をするなんてと呆れておられるのでしょう。


「いいえ。存じ上げませんわ。それに、アレクセイの婚約者はもう決まっております。もし見掛けたらお返しいたしますわね。ウフフ」

 37歳の美魔女の王妃様が微笑まれると、周囲から感嘆の声が漏れ聞こえます。


「うぬぬ…そうか…わかった」

 グスタフ皇帝もさすがに王妃様には噛み付けず、並びに座っているイザドラ様に何やら睨まれているご様子……きっとこの会議が開催中に、わたくしに関わって来られるに違いありませんわ。

 

「(悪役令嬢の)腕の見せ所ですわ…」

「ミスティ?どうかした?」

「アレク殿下!わたくしにお任せあれ!ですわ」

「え?…うん??」




[おまけ]~あの日帰ってからの事~


リカルド「ミリア!ハル!大変だ!ミスティがアレク殿下の婚約者になった!」


ミリア&ハロルド「「ええぇぇーーーーーっ!?」」


リカルド「ヤバいぞ!アリサ!家庭教師を増やしてくれ!勉強は今の2倍、いや3倍だ!」


ミスティ「ええっ!?そんなに焦るような事ですの??」


ハロルド「焦らせている本人が言うセリフじゃないですよ。姉上」






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