21.三国会議を前にして・・・
◆王宮 国王執務室 リオン視点16
ステファン陛下の呼出しを受け父上と王の執務室に参上すると、中ではリカルド伯父上とミスティがソファで寛いでいた。アレクも居るな…何の集まりだ?
「よく来た。座ってくれ」
「単刀直入に聞こう。リオンとミスティの婚姻の可能性について、実際のところはどうなのだ?」
陛下が藪から棒に聞いてこられた。
父上は俺の方を見て、リカルド伯父上はミスティを見ている…
「「無いです(わ)」」
おっと、ミスティと被ってしまった。思わずフッと笑いが漏れる。
「そうか。アレクからも聞いていたのだが、お互い兄妹としか感じていないそうだな。安心した」
アレクのやつ、陛下に話したんだな。ちょっと恥ずかしいぞ。
きっぱり答えたミスティは,、小鼻を膨らませてやり切った感出してるし…父上と伯父上はソレ見て笑ってるし……アレクは何故か嬉しそうだし??
「【あの噂】の件もあってな、三国会議を前に完全に『火消し』してしまいたいのだよ」
【あの噂】……ブートキャンプから戻って学園に行くと、俺とアレクが居ない間にとんでもない話が出来上がっていたんだ…あぁ、頭がイタイ…。
「で、アレクもいい年だし【婚約者】を設ければ、そのような噂も消えて行くのでは?と考えてな。どうだろうミスティ。アレクの婚約者になってはくれまいか?」
「「「はあぁぁっ!?!?」」」
俺とミスティと伯父上の声が執務室にこだました…。隣で優雅に茶を飲む父上は…我関せずか!
「実は各国に出している密偵の情報によると、三国会議ではアレクを狙っている輩が多数いるらしくてな。そっちの問題も防ぎたいのだよ」
なるほど…この国の次期王妃狙いが多数いるわけだ。現在アレクはフリーの状態だから、エスコートなんかを強く申し出られれば断りづらい。
「つ・ま・り、虫除けですわね!お受けしますわ!…虫除け婚約者!からの婚約破棄!【悪役令嬢】のツーコンボですわ!」
……ノリノリのミスティ。ため息のリカルド伯父上。あっけに取られる陛下と父上。
そして満面の笑みのアレク。……そっか、お前ミスティが好きだったんだな。
「…コホン。婚約破棄はさて置き…引き受けてくれてありがとうミスティ。…で、リオンなのだが」
と、陛下が俺に話を向ける。何かあったかな?
「今度は【リオン公子】がフリーになってしまうだろう?アレクの次に狙われるのは君だ」
「え?俺に寄って来る女性なんていますかね?」
そう言うと、全員に『残念な子』を見る目を向けられてしまった。解せぬ・・・
「いるに決まっているだろう。そこでうちのアナスタシアを…」
「あ!アナスタシア殿下との婚約でしたらお断りします」
きっぱり断ろう。彼女に悪いからな。
気分を害してしまったのか、陛下が少し眉根を寄せていらっしゃる。
「アナ殿下がどうこうでは無くて、『俺』がアナ殿下の好みじゃないんです。だから殿下に悪いのでお断りさせていただきます」
そう、マシロからの情報をカゲ丸から聞いたんだ。アナ殿下は【年下の可愛い系】がストライクゾーンなんだそうだ。
先日ハロルドといい感じだったとも聞いたしな。
「そ…そうか、何かすまんな。でもせめて三国会議の間はアナをエスコートしてくれ。恐らく虫除けとして機能するだろうから…」
「それならばありがたく存じます。アナ殿下によろしくお伝えください」
俺に虫除け?いるのかな?
◆王宮 国王執務室 アレクセイ視点7
「単刀直入に聞こう。リオンとミスティの婚姻の可能性について、実際のところはどうなのだ?」
「「無いです(わ)」」
父上の質問にふたりは即答した。きっぱり答えたミスティは小鼻を膨らませて、やり切った感出してる。フフッ可愛いな…。
「つ・ま・り、虫除けですわね!お受けしますわ!…虫除け婚約者!からの婚約破棄!【悪役令嬢】のツーコンボですわ!」
……ノリノリのミスティ。ため息のパルセノス侯爵。あっけに取られるアエトース公爵と父上。
リオンは俺の方を見て、ニヤリと笑っていた。
「…コホン。婚約破棄はさて置き…引き受けてくれてありがとうミスティ。…で、リオンなのだが」
父上はリオンの事も気にかけていらっしゃるのだ。
「今度は【リオン公子】がフリーになってしまうだろう?アレクの次に狙われるのは君だ」
「え?俺に寄って来る女性なんていますかね?」
俺を含めた全員に『残念な子』を見る目で見られるリオン…。
自分の容姿とスペックの高さにここまで鈍感だとは……今まではミスティが防波堤になっていたんだぞ。まったく…
「いるに決まっているだろう。そこでうちのアナスタシアを…」
「あ!アナスタシア殿下との婚約でしたらお断りします」
被せ気味に答えるリオン。ちょっと不敬だぞ。クスクス
「アナ殿下がどうこうでは無くて、『俺』がアナ殿下の好みじゃないんです。だから殿下に悪いのでお断りさせていただきます」
なんだリオンも知っていたのか…アナの好みは【年下の可愛い系】でリオンとは真逆だな。
あの子は自分がしっかりしているが故に、年上なのに頼りない男には手厳しい。そして【可愛いモノ】にめっぽう弱いのだ。『可愛いは正義!』と言って憚らないしなぁ。
「そ…そうか、何かすまんな。でもせめて三国会議の間はアナをエスコートしてくれ。恐らく虫除けとして機能するだろうから…」
「それならばありがたく存じます。アナ殿下によろしくお伝えください」
三国会議の前に俺とミスティの婚約が発表され、開催中はリオンがアナスタシアをエスコートする事が決定したのだった。
[おまけ]~陛下の後悔~
陛下 「リオンにアナとの婚約は断られてしまったよ。残念だ」
王妃 「当然でしょう。リオン公子はアナの好みの真逆ですし…」
陛下 「リオンもそう言っていたな。アナの好みとは?」
王妃 「可愛いモノやモフモフが好きみたいですよ」
陛下 「・・・そうか(知らなかった。父失格だろうか)」
次の日、王宮に大量のぬいぐるみが届けられましたとさ。
アナ 「はわわわぁ~♡」




