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20.アナスタシア王女とモフモフと・・・

◆王宮 国王執務室 アナスタシア視点2


「アレクお兄様がお戻りと伺いました」


 お父様の執務室に入りますと、ソファにお二人が座っておられます。お兄様は少し日に焼けたのか、どことなく精悍な感じになられたような…。


「いったいどちらに行かれていたのですか?心配しましてよ」

 隣に腰かけてお顔を覗き込みます。やはり雰囲気が少し違う気がいたしますわね。


「アナ…心配かけてごめんね。でも何処に居たかは言えない約束なんだ」


「私にも言えないそうだ。まぁ、その成長ぶりに興味は尽きないが詮索は諦めよう」

 お父様にそう言われたら問い詰める事も出来ません。


 先週までのご様子とはうって変わって、自信に満ち溢れていらっしゃいます。

 何があったのでしょう…。


 まさか、巷で噂の…

「お兄様…その…リオン公子と…とうとう…一線を?」

 いけません!淑女としてこれ以上は口に出来ませんわ!


「はっ!?はあああぁぁーーーーーっ!?!?!?」

 生まれてからの長い付き合いですが、見たことないくらい驚いていらっしゃいますわ。




◆王宮 国王執務室 アレクセイ視点6


「アレク大丈夫だ。今【影】が頑張って噂を消しに周っている。安心しろ」


 父上…安心できる要素がひとつもありませんよ!たった一週間ばかり居なかっただけで、何故……


「アナは何処で噂を聞いたんだい?」

「ライラとお忍びで行った【もふカフェ】ですわ。お兄様とリオン公子がふたりきりで、秘密のご旅行に行かれているらしい…と」


 もふカフェ…一般市民に貴族令嬢、不特定多数の主に女性が利用している。生き物と戯れる事ができる喫茶店らしい…そんなところにまで…なんてことだ…


「影に向かわせよう。店員として潜入させればいいかな」

「お父様!それなら、常連のわたくしが行ってお店に頼んでまいりますわ~!」

 そう言って、妹はルンルンと出ていってしまった。


 アナはモフモフと戯れたいだけだろう!ちゃんと訂正してくれよ!


「アレク、変な噂が出るのはお前に婚約者がいないからだろう。そろそろ考えてみたらどうだい?」


 確かに…婚約者か……それなら、


「実は父上に、折り入ってご相談があります」





◆市街地【もふカフェ】 アナスタシア視点3


「アナ殿下ではありませんか。何故こちらに?お忍びですか?」


 カフェの動物同伴OKのテラス席で、見知った少年から声をかけられました。

 パルセノス侯爵家の天使!ハロルドきゅん!マシロちゃんも一緒ですわ!


「アナ様のドストライク…」

「ラ、ライラ!お黙りなさい!」


「??」

 不思議そうなお顔も可愛いです!眼福ですわ~

 いけない…いけない…コホン


「実はこちらで、アレクお兄様とリオン公子お二人の可笑しな噂が出回っているらしくて……訂正しに来ておりますの」

 こんな話題、天使のハロルドきゅんのお耳に入れたく無かったですけれど、仕方ありませんわよね。


「噂…」

 ハロルドきゅんが考え込んでしまいました。難しいお顔もス・テ・キ♡


「僕もお手伝いさせて下さい!おふたりが【ノーマル】だって、僕ちゃんと知ってますから!」


 う…内容知っていたのですね。誰でしょう、ハロルドきゅんの神聖なお耳に下世話な噂を吹き込んだのは…許すまじ…


「では一緒に参りましょうか?」

「はい!アナ殿下。僕にエスコートさせて下さい」


 天使が手を…わたくしに…エスコートを……(感無量)

 そっと差し出された手に自分の手を重ねると、天使はにっこりと微笑んでくれました。





◆市街地【もふカフェ】 ハロルド視点1


 魔犬を愛でる会の方から、リオ兄様とアレク殿下がデキているという出鱈目な噂が出回っていると聞き、確認の為マシロと【もふカフェ】にやってきたのですが、あれは…


「アナ殿下ではありませんか。何故こちらに?お忍びですか?」

 そこには女性騎士の護衛を連れた、アナスタシア王女様がいらしたのでした。


 相変わらずお美しい…。姉上より年下なのに凛としていて、僕の憧れの人なのです。


「実はこちらで、アレクお兄様とリオン公子お二人の可笑しな噂が出回っているらしくて……訂正しに来ておりますの」

「噂…」

 アナ殿下も僕と同じ目的だったなんて!素晴らしい偶然を神に感謝しよう。

 

「僕もお手伝いさせて下さい!おふたりが【ノーマル】だって、僕ちゃんと知ってますから!」

 是非ともご一緒したい!と目で訴えると、少し複雑な表情をされていましたが、やがて優しく微笑んでくださいました。


「では一緒に参りましょうか?」

「はい!アナ殿下。僕にエスコートさせて下さい」


 烏滸がましいかもしれませんが、アナ殿下をエスコート出来る絶好の機会なのです!

 おずおずと出した僕の手に、殿下はそっと自らの手を乗せてくださいました。

 本当に嬉しくて、天にも昇る気持ちでした。


「…ちょっとその前に、マシロちゃんを撫でても宜しいかしら?」


 知っていますよ。アナ殿下はモフモフと可愛いものが大好きなのです。

「はい。マシロ!おいで」


 殿下の頬が高揚しています。本当にお好きなんですね。

 モフモフが少し羨ましいです…。





[おまけ]~疑惑の王太子~


陛下 「で、本当にこの1週間リオンとは何も無かったんだな」


アレク「父上まで!あるわけないでしょう! あ、でもマッチョのゲイには襲われかけました」


陛下 「……本気で、早く婚約者決めような」


  マッチョなゲイはゲイブさんの事ですよ。




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