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10.ヒロイン(予定)の救世主?

◆ミノタリオ男爵家の前  カゲ丸視点10


「テル-!この役立たず!」

「御菓子の一つもまともに買って来れないのぉ?ホント愚図ねぇ」


 …テル-【ヒロイン】の名前だ! やっぱり彼女がヒロインだったんだ!

「(ボソッ)中年の女は義母?もう一人は義姉?」

 こっそりとミスティが聞いてきたのでコクンと頷き返す。


 フフフ……と笑うミスティ。

「あ!姉上っ!」

 突然ハロルドが持っていた菓子の入った袋のひとつをひったくる。

 何かに気付いたハロルドが、慌ててミスティを止めようとするが……


「オーーホッホッホ!そんなにこの菓子が欲しいのでしたら、くれてやりましてよっ!」

 と、菓子の袋を女達に投げつけた!

「きゅうう~ん(ミスティ『はしたない』ってまたアリサに叱られるね)」

 クロミ……今はそれどころじゃないぞ。



「なっ!何だいアンタ!失礼だよ!」

「そうよ!なに様のつもりっ!?」

 義母たちが今度は、不敵に笑うミスティに食って掛かってきた。


「あ~ら?菓子が欲しくてその人を使いに出していたのでしょう?わたくしが買ったのでその人が買えなかった…だから親切に届けて差し上げましたのに。フフッ…感謝こそすれ、そのような不遜な態度!万死に値しましてよ‼」


 《バーーーーーン‼》…と効果音が付きそうなポーズで、取り出した扇子を相手に差し向ける。

 うん…ひと昔前の【悪役令嬢】をバッチリ練習したんだな……じょ~ずだよ…ミスティ

 

「チッ!厄介者のくせに、変なの連れて帰ってくるんじゃないよ!」

「ひっ‼すみません!」

 義母がテル-を打とうと手を挙げた! その瞬間、”とぷん”とテル-が自分の影に沈み…消える。


「ひいっ!な!何がっ!?」

「テ、テル-は何処よっ!?」

 目の前でひとりの人間が消失し、慌てる義母と義姉……


「厄介者…と仰いましたからには、居なくなったとて問題はございませんでしょう?」

 …いつの間にかオレの隣に立つ、パルセノス家の侍女頭【アリサ】……降臨。(ひぃぃ~~)


「な!いったい何が!あ…アンタは誰なんだいっ!?」

 先程までの威勢はどこへやら、アリサの黒い圧に震える2人。……とミスティ『ありえないありえないありえない…』とブツブツ言っているな。


「わたくしは【パルセノス侯爵家】に仕える者です。こちらの侯爵令嬢であるお嬢様が、テル-殿を気に入ったご様子ですので、当家にて引き取らせて頂きます。【厄介者】と称されていたのですから構わないでしょう? ああ!【養女】にしておいて、実は使用人として使っておいででしたわね。居なくなった穴埋めはコチラで…新しい方を雇ってくださいませ」

 と、金貨の入った小袋を投げ渡した。

「手切れ金というものですわ。フフッ…勘違いなさいませんように…ね」

 

 コワイ…コワイコワイ! クロミやマシロは慣れているのか平気そうだが、アリサってやっぱあの家で誰よりも怖い!ほら見ろ!ミスティは今にも泣きそうだぞ!!!


「アリサ。母上に言われて来たんでしょ?」

 冷静なハロルドは少しも驚いていないようだ。

「はい。正確には、お金は旦那様より渡されております」

 ……なんだ、やっぱりリカルドは何でもお見通しか~。




◆ミノタリオ男爵家の前  ミスティ視点5


 目の前で暴力が行われようとして、止めようと手を伸ばす暇もなく彼女が消えてしまいましたの。そして、後ろから…

「厄介者…と仰いましたからには、居なくなったとて問題はございませんでしょう?」


 ギギギ……と後ろを振り向くと、見知った侍女頭…。ひぃぃ~~~~・・・ナゼ此処に~

「ありえないありえないありえないありえない…」 ガクガクブルブル


「手切れ金というものですわ。フフッ…勘違いなさいませんように…ね」

 と、アリサは金貨の入った小袋をあの女達に投げ渡しました。『勘違い』した時の事を思うと震えが止まりませんわ!恐らく、お金目当てにまた彼女に接触しようとするに違いありません。けれど、きっとアリサはそれを見越して『次は無いぞ』と釘を刺したのですわね。


 あのお金も、全てお見通しのお父様から預かったそうですわ。

 わたくし、お父様を出し抜けたと思っておりましたのに……手のひらの上で踊っていただけですのね…。まだまだ本物の【悪役令嬢】にはほど遠いみたいですわ。もっと精進しませんと!


「さて…帰りましょうか【お・じょ・う・さ・ま】」ニッコリ…

 ひぃぃ~~~~・・・・


 今日のお小言タイムは新記録が出そうな予感がするミスティであった。





[おまけ]~ミタるのはお約束~ (モブ兄様参照)


リカルド「ミスティはミリアに似てホント(やる事が)可愛いね。はいコレでお願い」

  と、金貨の袋をアリサに渡し、受けとるアリサ。


ミリア 「え!可愛いなんて!もうオバサンだよ~」テレテレ


アリサ (その【可愛い】ではありませんよ奥様)「行ってまいります」ペコリ

  部屋を出ていくアリサ。


リカルド「ミリアはずっと【可愛い】ままでいてね」


ミリア 「え~~~リカもずっとカッコいいよ~♡」


  いつまでもラブラブなふたり……そして、じーーーとミタる(見張る)去ったはずのアリサと魔犬2匹であった(お約束)



 

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