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マリア  作者: 深森みずち
3/5

3.

授業後、吹奏楽部の練習の音を聞きながらベランダで夕日を見ていた。



「部屋に斧が二本あるんだよね」


マリアは、ジュースを飲みながら言った。


私は携帯をいじったまま、


「なんで?」


と聞いた。


「中学生のときから、あるんだよね」


窓の外では運動部が走っていた。


グラウンドの掛け声が、ゆっくり教室まで届いてくる。


「ねえ」


まりあが言った。


「人って、どこまで切れると思う?」


「は?」


「腕とか」


笑いながらだった。


だから、私も笑った。


「怖いこと言わないでよ」


「切ってみたいなー」


そこで、マリアはこっちを見た。

右手の人差し指がとん、と私の手首を指す


「切ってもいい?」


「ダメに決まってるじゃん」


私は反射でそう返した。


マリアは声を出して笑った。


その時は、それで終わった。


終わったと思っていた。

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