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無敵の三姫  作者: 猫化猫
17/25

16.感想会と勲章

「もー、無理!」


全力で叫びながらマイがベッドに飛び込む。普段なら注意するところだが、確かに今日はものすごく疲れた。肉体的にも疲れたが、何より情報過多で精神的に疲れた。反対側ではシロナが、勲章を眺めながら考え事をしているようで、帰ってから1度も声を聞いていない。そんなシロナをマイが眺めて、そんな2人を僕が眺める。

静かで心地いい時間を過ごしていた。



どれくらい時間が経ったのか。しばらくしてマイが復活したようで、いつもより落ち着いた声で話しかけてくる。


「疲れたねー。ほんとに、色々と。」

「ああ。特に情報過多で疲れたな。」

「それもあるよねー。なんだっけ、森の祝福と、これ。」

「勲章。それもここの学院長が用意したと思われるもの。」

「それだよねぇ。なんだろ…頑張ったで賞?」


頑張ったで賞…。その可能性もあるかもしれないが、だったら堂々と胸につけろ、という意味深な言葉は残さないだろう。勲章はこれ以外にもあるらしいから高確率で違うはずだ。


「……頑張ったで賞?」

「参加賞とか努力賞とかってことだよ〜?」


もはや疲れてシロナのズレた問いに、つっこむ気力も無いのか、マイが普通に教える。今日はこのまま放置したら、話がどこまでも脱線しそうだと感じたため、軌道修正に自身の意見を伝える。


「おそらく違うだろ。」

「だよね〜。でもなんで勲章なんて作ったんだろ?学院って卒業できたら勝ち〜、みたいなとこあるじゃん。それに卒業生の順位づけは年に一回の大会の成果をみて決められるんでしょ?ほんとに勲章を作った意味って何?」

「学院内の力関係なら生徒会が制御してるから、余計いらないしな。」


うーん。と2人で首を傾げていると、質問以外あまり会話に入ってこなかったシロナが「確証はない」と前置きしてから考察を話してくれる。


「…1番考えられるのは、目印。」

「目印?」

「ん。私たちは森の祝福を受けた。それによって森から好かれて森に棲む生き物と仲良くなれるようになった。でも裏を返せば、私たちの行動次第では森が怒るかもしれない。その可能性を前もって知らせる目印。…でも、推測に過ぎない。証拠も根拠もなにもない。」


確かに根拠はないが、今の所1番筋が通っているようにも感じる。マイはうーん?と疑問符を浮かべているが、納得したのか、はたまた考えることを放棄したのか、そーだね!と肯定してその話は終わってしまった。



次の日

着替えを済ませて、互いに勲章の位置を確認し合って寮の食堂に向かう。すると、普段から多少の視線は感じていたが、今日はいつも以上に視線を感じる。普段はシロナもマイもスルーしているが、今日は特に上級生からの視線が多く、マイがかなり気にしていた。


何人かが集団になってヒソヒソと話している所をこっそり盗み聞くと、誰が話を聞きに行くかの密かな駆け引きが行われているようだ。十中八九この勲章のせいだろう。


「貴様ら、少し良いか。」


視線の多さがピークに達して来たなと思ったころ、突然寮長が目の前にやって来た。…ちなみに比喩ではなく、突然目の前に現れた。転移魔法だろうが、やはり唐突に来られると驚いてしまう。


「…何でしょうか、寮長。」

「そこの3人。その胸に付けているのは勲章か?」

「はーい。そうみたいですよ〜。」

「どうやって見つけた?」

「偶然。たまたま受けた依頼で貰った。」


…あとで2人に言葉遣いの指導を入れよう。今回の2人の態度を寮長は気にしていないようだが、腕を組み、何かを考え込んでいる。

寮長が話し出すのを待っている時、近距離で話したことは初めてだったからか、寮長のマントの隙間から一瞬、勲章が見えた。何個持っているか気になって身を乗り出そうとすると、考え事が終わったのか、寮長とバッチリ目が合ってしまった。


「…。分かった。3人とも、その勲章に恥じない行動をするように。コーガリー、耳を貸せ。」


怒られるのだろうかと冷や汗をかいたが、寮長は周りに聞こえないようにこう囁いた。


「勲章を集めるならあまり目立つな。」


寮長は警告を告げた後、さっと周囲に視線を飛ばし、こちらに軽く挨拶をして去っていった。

先ほどの視線には少しの威圧が含まれていたようで、それ以降、多少の視線は感じたが、誰かが声をかけてくる気配はなかった。



教室についてからも担任に見事な5度見をされた後、深い深いため息をもらってしまった。


「あんたたち、いつか持ってくるとは思ってたけど、いくらなんでも早過ぎよ。まだ勲章の説明以前に祝福の話すらしてないわよ?…もう、ほんとにめんどくさいわね。」


ついにめんどくさいって言ったな、この先生。だが、今回に関しては本当にただの偶然なので許して欲しいところではある。


「はぁ、その辺の説明については放課後するわ。全員、今日も放課後少し残って待ってて。あぁ、この説明の前倒しをするって他の先生方にも話しておかないと。」


ホームルームが終わった後、教室内はいつもより騒がしかったが、何故か誰も直接僕らに聞きには来なかった。先生が説明すると言ったからなのか、それともまだ寮長効果が続いているのだろうか?僕としては楽で助かるが、不思議でならない。


放課後、担任のあからさまに面倒くさそうな顔で教室に入ってきた時、想像以上の大事になってしまったことだけはよく分かった。

いつもありがとうございます。



時間が飛び飛びで駆け足ですが、次回は説明会で情報過多です。落差でグッピー死んじゃうよ…。

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