使途タムの想い
私はタムに聞いておかなければならない。
「三年前の出来事を教えてもらえませんか?」
渋い表情をしたタムがポツポツと話し出す。
「ハーデル様はずっとハーネル様が教会にいると思っていたのです。
ですから教会はハーデル様の恩恵も受けていました。
魔王の討伐の事をハーデル様はご存じなかったのです。
私達もハーネル様が魔王として討伐されていたなど知らなかったのです。
でも、四年前ある人物が我々に教会が……大司教総帥が権力を握り、
政治までも掌握しようとしている事を教えてくれたのです。
そして、利用出来なくなったハーネル様を追い出し、魔王だと称し討伐させた事を知ったのです」
「討伐したのは……いや、封印したのは百数十年前ですよ」元勇者が聞き返す。
「はい、初め大神官総帥の義父がハーネル様を隠していたのです。
逃げ出した後討伐を……あぁ、封印だったからですね」
「?」
「亡くなれば父ハーデル様が気付くはずです。
まだハーネル様が元気だと我々は思い込んでいたのです。
協力者の話を聞くまで……」
「協力者というのは?」
「まだ証せません」
「今の大神官総帥はダーレン・カトラスですね。
彼は百年以上生きていると訊いていますが、本当ですか?」
「はい。どこかでエルフの血でも入っているでしょうか?
まだ現役を続けていて、義父の秘密を受け継いでいるのでしょう。
彼が四年前ハーデル様に勇者がハーネル様を魔王と間違い殺したと告げたのです。
怒りで気持ちの乱れたハーデル様がサンマール村に向って呪詛を……」
《私達は阻止しようとしましたが、タムがこの姿になって……》
「白くなった私を見て、取り乱したハーデル様が何処かにお隠れになったのです」
《これ程居場所も分からず、連絡も取れないのは初めてです》
「最近解った事ですが、もしかしたら教会にハーデル様が囚われているかもと連絡があったのです」
「囚われる?神の力を奪う事など出来ないでしょう?」
「それが……一つだけあるのです」
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