使途タム
翌朝、ヒロ・ガベル・ムトー様と使途タムが訪ねて来た。
精霊トキも一緒だった。
「以前は失礼を欠き、申し訳ない」
使途タムが深々とお辞儀をする。
「いえ、色々教えてください。困った問題が山積みなのです」
「解りました。こちらもダッサク共和国の協力者と連絡を取り合っています」
「協力者がいるのですか?」
「はい。まだ明かせませんが、信用のおける方です」
まずは情報共有から
――帝都での事を伝える
「今ここにいらっしゃるのが、ゼンダール帝国の第二皇子ライエル様です」
「第三皇子ペスタゲルにルミエの毒が付いた剣で切られました。
それで腕を切り落として貰いました」
「体調はいかがですか?」
タムがとても心配そうだ。
「回復魔法のお陰でなんとか……」
「真の聖女様がいれば腕は治るかも知れません」
「城に残ったエルフの話によると王妃親子がおかしいと」
ウェリーがポポロからの伝言を伝えてくれる。
――チューヨウ国の大統領のこと
「うちの情報網によると東にあるダッサク共和国との第二国境門を
大統領が解放しようとしているようです」
そうだ!ヒロ・ガベル・ムトー様はニンジャを情報として使っているのだった。
「お父様は大丈夫ですか?」
私はあの時の事を思い出し訊ねた。
「あぁ、少し体を動かせるようになりました。いつぞやは有り難う」
良かった!
「大統領はダッサク共和国の大神官総帥と繋がっている」
タムが難しい顔で話し、精霊は黙ったままだ。
すべてダッサク共和国の悪事だ。
「そう言えば、聖女様を訪ねた教会でルミエとかミスリルの剣とか言っていた。
今まで忘れていた」
圭兄!忘れないで……
「やはり……そういえば、帝都の王妃はダッサク共和国の貴族出身だったな」
「ペスタゲル皇子が成人すると王の命が危ういかも……」
「なぜ?」私だけが解らない?
「成人したら皇太子となることが出来る。
そうすれば、王が死んだら第三皇子ペスタゲルが王となる。
それが、王妃の望みだろう」
「第一皇子は?ライエル皇子は?」
「第一皇子は病弱で寝たきりなのです。
僕は亡くなった者として処理……
いや、僕は側室の子だから、ペスタゲルが立太子となるだろう」
「立太子?」
「皇子のなかで王の後を継ぐ者が立太子だ」
「王様か……」
きっともうルミエの毒は使用しないだろう。
証拠が欲しい。
「ヒィ毒を使うかも知れませんね」
私がそう言うとヒロ・ガベル・ムトー様が大きく肯いた。
「まずはペスタゲルの立太子への阻止だな」
皆の意見がそこで止まってしまう。
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