王族からの求婚
肖像画はライエル皇子もお母様の二人だけのものだった。
「ライエル皇子もお母様と同じ髪色なのですね」
「何か希望とかありますか?」
「希望?では、片目だけでも王族の色・アースアイだったなら……」
「アースアイ?」
「虹色の瞳と言われ、深い青をベースに褐色、金の色などが混じっている瞳のことです」
ケープが教えてくれる。
「あぁ、王様の目!」
「そうです。王族が持つと言われています。
生れてきた時は、僕もアースアイだったと聞いています。
なのに五歳くらいから段々と緑色になってしまって……」
(では青緑を基調とした複数色を持つアースアイ。髪はお母様と同じ紅で)
タブレットに色を落としていく。
二次元のイケメンが三次元の皇子様になる。本当の皇子様なのだが……。
本人はまだ気付いていない。
「鏡をどうぞ」
「久しぶりだ。鏡を見るのは……おぉ!」
ベッドの上ではお母様が声を殺し泣いている。
「色が戻った!瞳もアースアイだ!有り難う」
お祝いの夕食会が開かれた。
「有り難う。ライエルも元の容姿に戻った。
今夜にもエルフの精鋭が来るとの連絡を受けた。
今晩は大いに楽しんで明日の力にして欲しい」
王様は上機嫌だ。
(何故アースアイに戻ったのだ)と言わんばかりに驚いている第三皇子
「精霊の連絡によるとオーガキング数頭とコボルとの群だそうです。
エルフが来てくれるならそれほど難しい戦いにはならないでしょう」
圭兄の肩の上で得意顔の精霊ウェンディ。
「そうか。良かった。宜しく頼む」
見た事の無いご馳走にケープがいち早く食らいつく。
「ご馳走は逃げないから」小さい声でケープに微笑むと、真っ赤になってしまった。
第三皇子が突然叫ぶ。
「使途様を俺の妻に迎えたい」
「それはいいわね。使徒様なら貴方と釣り合いも取れますわ。
正室は無理だけれど第一側室にしても良くてね」
「困ります。私には好きな人がいます」
「困ります。彩は僕の婚約者です」
驚いた何時私は婚約者になったのだろう?
見つめ合うと圭兄はウィンクして見せる。
「勇者様が婚約者ならば、諦めなさい。ペスタゲル」
王様の言葉に渋い顔をする二人。
「でも、勇者様って奥様がいらっしゃいましたよね?」
「えっ?」
「はい。でも二百年も前の事ですよ」
圭兄の声が完全に怒っている。
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