神獣玄武と魔石
族長達の奥に鎮座していた神獣玄武様であった。
「綺麗な虹色魔石だ。余程可愛がっていたのだな」長老が呟く。
《虹色魔石に強い想いがあると魂が生まれ変わることができる。
ただ、何時、何の動物か魔獣に生まれ変わるかわからんぞ。
それでも待つ事が出来るかの?》
「別の魔獣に?」
《そうじゃ。後は神頼みじゃな》
ウェリーは少し考えた後、
「かまいません。もう一度逢えたら嬉しいけど、今度はポポロが元気に過ごせるなら」
《わかった》
玄武様の前に虹色魔石を置くと、呪文と共に空気になって消えていく。
( 神様……? )
「あの、緑の妖精トキは今どうしていますか?」
《あぁ、伝言だけ落として、また何処かに行ってしまった。
たぶんハーデル様を探していると思うが……》
「ハーデル様を探している?」
《妖精トキがハーデル様の居場所を知らんとは由々しきことじゃ》
「神様達も知らない?」
《たぶんな。あんた神様の使者じゃな。気を付けろ狙われておるぞ》
「はい」
《そうだ》
そう言って玄武様は、赤青紫が混ざり合った魔石をふたつ渡してくれた。
《変人の魔石だ。ユキとノースに使うといい》
(変人?)
玄武様が呪文を唱え霊力を魔石に注ぐ。
魔石を握らせると、二人が人の姿に変貌する。
(あぁ、人に変える魔石ってことだ……)
ユキは白髪で勿忘草色の瞳を持つ青年に
ノースは漆黒の髪に濃紺の瞳をもつ老紳士になった。
何故か二人とも和服姿だった。
ユキの頭には猫耳が……
《格好は使役主のイメージによるものじゃからな》
圭兄が笑っている。恥ずかしい!
もう一度イメージ!
袴をアレンジした形と白と黒のローブに少し変わった。
《武器も持っていけ》
そう言って二つの剣を頂いた。
ユキは炎の剣、ノースは氷の魔剣になった。
「どうしてここまで?」
《この世界の危機かもしれんからな……》
第五族長のゲルダが帰ってきて
「シルバーフェンリルが数匹居なくなっていたそうです」
悲しい知らせだった。
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