瑞獣アルタマリ
神獣・聖獣・瑞獣の順位で考えています。
エルフの森を目指す事にした私達。
ポポロの代わりにユキが荷馬車を引いて、ウェリーとマークは共に走った。
ウェリーはポポロの虹色魔石を胸にしっかり抱いて、哀しみに堪えていた。
ガッセル町まで戻り、そこで二頭の馬を買い、傾いた車輪も補強した。
私はこっそり鞄の中の“神権のコイン”を確認する。
帝都の高い壁が見えてきた時、前から燃えた馬車がこちらに向ってきた。
御者達が何かに襲われていた。
「魔法の鳥籠じゃなかったのか?逃げ出したじゃないか」
馬車から逃げた男達が叫んでいる。
火の鳥が二羽暴れている。
一人が怒って、一羽をたたき落とし、剣を刺してしまった。
「馬鹿!殺しては元が取れないじゃないか!」
聞こえてきた話が穏やかではない。
死んでしまった一羽の横でもう一羽が鋭い声で啼く。
「あれは、瑞獣アルタマリじゃないか?」
マークが男達に剣を向ける。
「アルタマリを盗んだな!エルフが怒るぞ!」
燃え尽きて倒れたのは可愛い鳥だった。
「アルタマリ?ユキ治して」
《ナオス》
ハンドボールほどの大きさの塊があった。
「火傷は治せても毛が生え替わるには半年はかかるぞ。
せっかく綺麗な虹色の羽なのに……」
マークが男達を縛り上げながら話してくれる。
「瑞獣アルタマリ?」
「あぁ、エルフが連れているのを一度だけ見たことがあった」
ケープの目が輝いている。
「あぁ、身体は白い羽毛で覆われていて、羽が虹色なんだ。
エルフのペットで門外不出的な……」
白い羽毛ならシマエナガに似ているかな。まん丸で可愛いだろうな。
「番だったのかな。亡骸はどうする?」
「連れて行ってやろう」
ウェリーの提案に皆肯いた。
まだ温かい軀を白い布に包んであげる。
ケープが本を読んでいるかのように頭の中の言葉を探し、話し出す。
「瑞獣アルタマリ、白い羽毛に虹色の羽
エルフの森にのみ生息し、鳴き声は心を癒やすが、
危険が迫り怒ると翼を火で燃やす。炎で命を落とす事もある。
好物はクーコの実で、番は一生変わらない。
後は、エルフの許可無しでは飼うことは出来ない」
「許可があればいいんだ……」
もう一羽は私の青いローブで包んでみる。
何となくその方がいい気がしたからだ。
アルタマリは黒いつぶらな瞳を開けてこちらをじっと見つめてきた。
《 ……アリ……》
有り難うかな?
私が微笑むと瞳をゆっくりと閉じた。
もうエルフの森の入り口が見えてきた。
“神権のコイン”をケープに渡す。
―― エルフの少年が森を走り回っていた。
「どうした?」
「ガラナ様。ナデュールとチリーラがいない」
読んで頂き有り難うございます。
感想等いただけると嬉しいです。
宜しくお願いします。




