哀しみと怒り
【残酷な描写】殺戮・戦闘の残酷描写があります
ガッセル町を出て、ユーゼン村に向う。
マークとウェリーが御者台に、馬車はポポロが引く。
こちらの国に戻って色が無い事を思い出す。
「ガッセル町は色が残っていたわね。ペレロがいたから?」
「たぶん」
ガッセル町を出て半日、まだ半分色が無い世界だ。
道すがら写真を撮り、草・建物 人以外の者に色を付けていく
次の朝になり人々が驚くのが 楽しみにだ。
分かれ道が現れた。
「右の道がユーゼン村、左の道がレスト町だけど……」
「俺は行きません」
ウェリーがそう言い切った時、
急に泥濘に馬車の車輪がはまり動けなくなった。
泥濘?最近雨は降ってないのにと思ったと同時、ノースが結界を張る。
しかし、標的は私ではなく、ウェリーだった。
僅かに外れた鏃の先には紫の毒。
次の矢からウェリーを庇ったのはポポロだった。
「紫の毒?ルミエの毒なのか?」
ユキは空に駆け上がり、暗殺者が潜んでいた林を炎で焼く。
大火傷をした暗殺者が苦しがっていたが、私達が近づくのを見て毒で自害した。
「ルミエの毒には解毒剤がないんじゃ……」
ポポロの身体が見る見るうちに紫色になっていく。
《 ウェリーが助かってよか…… 》ポポロの声が消えていく。
「ポポロ!ポポロ!」
ウェリーは泣いていた。ポポロを抱き締めたくても紫の毒がドンドン広がっている。
「ウェリー!魔石を取り出すぞ!お前が出来ないなら俺がするぞ」
マークがナイフを取り出してポポロの前に立つ。
「頼む……」
マークが手袋を付け、ポポロの胸を裂いていく。
心の臓を取り出し、慎重に開く。
「虹色だ。虹色魔石だ」
《ポポロしんだ?》
《死んだが魂が蘇るかもしれん》
「どういうこと?」
《虹色魔石をエルフの森の神獣様に届けたら魂蘇るかも》
「虹色魔石持ってエルフの森に行こう!」
「行く前にポポロを荼毘に臥さなきゃ」
もうポポロの身体全体が紫色になってしまった。
触ればそこから毒がまた広がる。
「ユキ頼めるか?」
《ポポロ ネムレ》
ユキは泣きながら炎を吐き続けた。
暗殺者達もルミエの毒を使っていたので、死体を燃やさなければ
「こいつ前にもポポロを連れていこうとした奴らだ。
あの兄妹の仲間だ」
ウェリーが思い出して叫ぶ。
「まだ他に仲間がいるのか?では、急ごう」
山火事になっては困るので、ノースに結界を張ってもらい、
その中で男達を完全に焼く。
「しかし、エルフの森にはなかなか入れないぜ!」
《ケープの神権のコインがあれば、エルフも拒めないはずです》
預かっていたのを完全に忘れていた。
「神権のコインがあるわ。帰ろうと思っていたのにごめんね、ケープ」
「僕は大丈夫。行こう」
――遠くから見ていたヒラルと兄ラエルは唇を噛みしめ、
踵を返しダッサク共和国に急ぐ。
だが、失敗したと報告すれば今度は命が無いかも知れない。
「ラエルどうしたの?」
「ヒラル。俺達はここで死んだ事にして
このまま違う国に逃げよう!」
「わかった!」
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