圭の想い Ⅴ
今回のお話は 彩の兄(圭)の視点で描かれています。
彩がこの世界に来ているのか不安な俺は二週間に一度は現実世界に戻る。
いつの間にか病室の壁に穴がずっとある状態だ。
いつでも簡単に行き来できる。
看護師さんに訊ねたが、この穴が見えるのは俺だけのようだ。
彩の顔だが今日は苦悶の表情を浮かべている。
胸が苦しくなる。
こんなにも俺は彩のことが好きだったんだ。
手を握ると、大きめの猫を抱き何かを祈っている彩が視える。
あの猫はユキかもしれない。部屋を訪ねた時何処を探してもいなかった。
一緒に異世界に行ったのか?
いや、身体はここにあるのだ。
向こうに行けるわけが無い。
魂だけが向こうに……?
しかし、この視える映像はいったい何なのだろう?
彩の手を握るとぼんやりとした映像が視える。
今日はやけに映像が綺麗だ。
イケメンな男が彩の肩を抱き締めている。
嫉妬で狂いそうだ。
もう一度異世界に行って、彩を探してみよう。
俺の手元にある写真は彩の成人式の写真だけだ。
笑顔にまだ幼さが残っている。
この後の写真を俺は持っていない。
笑顔もあまり見れていない気がする。
ダッサク共和国では何の情報も得られなかった。
今回から隣のチューヨウ国に行ってみよう。
国境の検問所で、ステータスの確認をする。
―― 名前: ケープ・ガベル
年齢: 33歳(+9)
種族: 人属
職業: 聖騎士・勇者の保護者
スキル:龍剣S・全魔法A
アーヤの兄
使役: 精霊ウィンディ
勇者ではなく、勇者の保護者となっている事に驚く。
読んで頂き有り難うございます。
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