自死の呪詛
【残酷な描写】残酷描写あり
事件・怪我等(自死)の残酷描写があります。
ヤーク(水牛)バスに乗ってみたいからと、タナカ家の貴族馬車を断った。
戒厳令が解けてすぐに、タナカ氏にお礼を言って帰路を急いだ。
しかし門が開けられると、そこにはウェリーが待っていた。
戒厳令が解かれると思い、三日も前から待っていたらしい。
御者と乗客に陳謝し、ケープとヤークバスを慌てて降りる。
「どうして迎えに来たの?」と言いかけた時、
突然、キーンと金属音がした。
危険を察知してノースが結界を作ったようだ。
朱色の小さいナイフがヤークバスを降りたケープの足下に落ちた。
「触っちゃいけない」
その声が届くのが遅かった。
ナイフを拾ったケープの瞳が紅く充血し、いきなり自分の首をそのナイフで傷つけた。
《ナオス》
ユキの回復魔法で一命は取り留めたが、ナイフは煙を上げ消えていった。
「呪いだ! これはまずい自死の呪いだ。早く解呪しなければ」ウェリーが叫ぶ。
素早くケープの手足を縛り、舌を噛まぬよう猿ぐつわをする。
ウェリーが上手く動いてくれる。
私はただ立ち尽くすしかない。
だが時間の余裕はなさそうだ。
目を紅くしたケープはジタバタしている
私のせいだ。
あの呪いは私に向けられたものだ。
呆然としている私に
「薬は持っていない?眠らせたほうがいい」とウェリー。
私は覚えたばかりの睡眠薬を渡す。
―― 呪詛?私に? ――
まずは教会に向うが
『それは人の呪いね。ガッセル町のダンジョンで呪いを解きに行って』
神官に冷たく突き放される。
なぜか神様も現れなかった。
解呪のダンジョンというのがあるらしい。
レスト町とは反対のガッセル町へと向うことにする。
ポポロが急いで且つ荷車が激しく揺れないように慎重に走ってくれる。
おかげで予定より早くガッセル町に着いた。
「この町の北方に解呪のダンジョンがある。まずは予約だ」
この解呪のダンジョンの入場は完全予約制であるらしい。
なかなか予約は取れないらしい。
ところが明日の夕方のキャンセルがでたらしい。
死に関する呪いはダンジョン入場を優先してくれる。
自死に関する呪いは最優先事案である。
「じゃ、冒険者チームを集めよう」
ウェリーが知り合いの冒険者に声をかけてくれる。
私は受付の女性に挨拶をする。
ケープは縛られたままだ。
睡眠薬が切れたのか少しずつ暴れ始めた。
まだ子供のケープに睡眠薬を飲ませるか悩んだが、もう一度飲ませる方が安全かもしれない。
急ぎで冒険者を雇うのが大変なことも初めて知った。
何も出来ない私は……今はケープの為に祈る他を知らない。
読んで頂き有り難うございます。
感想等いただけると嬉しいです。
宜しくお願いします。




