ダッサク共和国への疑念
聖獣・黒霊亀ノースが話し出す。
《そのコインは勇者様又は賢者様が持つと言われる物です。
精霊は沢山居るので精霊の使途様は人で言うと準貴族・下級貴族ですが、
神々の使徒様となると上級貴族いや王族扱いとなるでしょう》
「僕怖い。アーヤ預かって」
「そうね。ケープがもう少し大人になるまで預かることにしようか?」
「うん。お願い」
「みんな、私達は精霊の使途だからね!」
「僕は只の助手です」
《なるほど、そう言う事ですね》
ノースは理解が早くて良い。
教会で聞いた話が気になる。
「私はダッサク共和国に狙われているかもしれないって」
ウェリーに話すと、
「では、シェリュー様と別行動が良いですね」
「シェリューを領主様の所に送ってくれない?
また暫く療養中ということにして姿を隠した方がいいと思う」
「解った。俺はすぐに引き返してくるから。兎に角、気を付けて」
次の日の朝にはウェリーとシェリューと侍女長が領地に帰った。
もうシェリューの眼はウェリーしか見ていない。
温和しく帰ってくれた事にホッとする。
侍女長のレッカさんに「ウェリーも暫く領地に留め置いて欲しい」と頼んでおいた。
シェリューがウェリーを気に入って居るのは誰の眼から見ても明らかだ。
領主様が言っていた婚姻話も本気になるかもしれない。
それなのに私の事に巻き込んではいけない気がする。
しかし、私がダッサク共和国に狙われる理由は?
ウェリーやシェリューの傷を治したから?
ケープの事も心配だ。
ジャスとテラ夫妻にまた手紙を出しておこう。
思った以上に長くケープを連れ回したうえに、賢者候補になったのは私のせいかも。
手紙を持ってエントランスに向うと、大きな鐘の音が響いた。
人々が騒いでいる。
「戒厳令が出されたぞ!」
「どうした?」
「大統領が亡くなったらしい」
このタイミングでどうやら私とケープはこの国に閉じ込められてしまった。
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