闇の精霊の使徒
「使途様ではありませんか?あの時娘を助けて頂いたケサンドラ家の者です。
有り難うございました」
「……」
領主様が声を掛けるが、眼が赤い真っ白な老人は話すことに躊躇している。
ユキの《ナオス》で黒霊亀様の傷は治ったがまだ意識は戻らない。
『白虎様、北の黒霊亀様を助けていただき有り難うございました。
私はトキ。闇の神様のお手伝いをしていた精霊です。
私は急ぎエルフの森に向いますので、
何かありましたら私の使途タムにお申し付けください』
背に羽のある緑色の精霊は闇の神様の使い?
精霊が飛び去った後には、あの眼が赤い白の老人がいた。
「先日は失礼しました。私は闇の精霊トキ様の使徒タムと申します」
「アーヤと言います。闇の神様は何処にいらっしゃるのですか?」
「……兎に角、神獣様を教会に連れて行きましょう。
使徒アーヤ様、神様にお願い出来ますか?」
闇の神様の話を今は聞くことができないようだ。
まずは急いで領主様に教会へ馬車を飛ばしてもらう。
領主様の顔色が悪い。
慌てて教会に飛び込んで神様を呼び出す。
『 エルフの森の長からも今連絡が来たところだった。
ルミエの実が盗まれてしまったか…… 』
アルテにアポロ、そして初めて見る神様がいた。
『 私達の母ヘラよ 』アルテに紹介される。
ヘラ様が黒霊亀に手を当てるとやっと呼吸が落ち着いてきた。
『 ユキのおかげで命は助かったわ。けれど、大きい結界を出すのはもう無理ね 』
黒霊亀が目を覚ます。
《私が油断したのです。ただ見学にきた優男だと思ったのに……
物凄い手練れでした。一瞬だけ危険だと思った時には遅すぎました。
申し訳ございません。
そして……あの剣はミスリルの剣でした》
『 大丈夫だ。どうにかなるであろう……
彩 聖獣霊亀を預ける。頼むぞ 』
アポロの顔が真剣だったので、不安が倍増していく。
包まれていた光が消える。
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