ウェリーの出自
領主様とお嬢様の部屋に入る。
「初めまして。シェリュー・ケサンドラと言います」
彼女はベールを深く被るが、火傷の痕は思った以上に酷いのが分かった。
口元にまで火傷の痕が残っているのか話し方に違和感を覚えた。
挨拶はしたもののガタガタと震えている。
ユキがお嬢様の側に寄りそう。
「お父様。ユニコーンが下にいましたの」
弱々しく呟く声に父親が反応する。
「近くで見てみたいか?」
コクリとお嬢様が頷く。
領主様に支えられ、外に姿を現したお嬢様に執事や侍女達が驚いている。
ウェリーも右手を胸に置き、片膝を付いて頭を垂れている。
ユキを抱いたお嬢様に敬意の姿を取るポポロ。
「動物は私を穢らわしいとは思わないのね」
「穢らわしいなどと口にしてはいけない」
父である領主様は悲しい顔をされていた。
「穢らわしいなんて、私が綺麗にしてあげます」
私は言葉にした後、色々心配になった。いや、きっと出来る!
「皆私の事を“可哀想に”と言うのに」
「私もこの間まで酷い傷が顔にあったのです。使徒様に治して頂きました。
“可哀想”というのは相手を心配しているのでは無く、知らず知らずに自分より酷い人がいるのだと安堵したがっている言葉だと思うのです」
「?」
「私も沢山言われ続けたので、そう思うことがあったのです」
優しくウェリーが話しかける。
「ウェリーの傷もうわからないでしょ?きっと大丈夫です」
先程から領主様が妙な顔をしている。
「ウェリーと言ったな。君は冒険者なのか?」
「はい。ケサンドラ伯爵様」
「君の名は?」
おかしいウェリーと名乗ったのに……
「はい。ウェリー・チェルライトと申します。
チェルライト家の十三男目にありましたが、成人と同時に貴族籍から廃籍となり冒険者となりました」
「チェルライト子爵の息子か?」
驚いた。ウェリーは元貴族!
亡くなった親父って?
女子のカーテシーと同様、男性が片手を胸に置き片膝を付くのは貴族の挨拶だと後で知った。
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