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圭の想い Ⅲ

【残酷な描写】殺戮・戦闘の残酷描写あり


今回のお話は、彩の次兄・圭 の視点で描かれています。


 彩が向こうの世界に……まさか!

身体は目の前にある。ただの夢だったのだろうか?

確認するだけでいい。もう一度あっちの世界へ行ってみよう。

黒い穴を探すが今回はなかなか見つからない。

いやここ十年ぐらい穴を見てない気がする。


~*~

(十七年前)

 高校は祖父母の家近くの公立に通った。

結構ヤバ目の学校、保健室登校をする。

親には不良のレッテルを張られ、帰ってくるなと言われた。

彩と離れるにも丁度良い。

黒い穴を見つける度に異世界に飛び込んだ。

聖女様と聖騎士ベンに会うために

ベンはかなりお爺ちゃんになっていた。

孫のアンも聖騎士になると剣の練習に一生懸命だ。

いつの間にかどこか彩に似ていたアンを恋愛対象としてみていた。

聖女様に聖騎士の称号も貰い異世界での生活の方が楽しくなっていた。

異世界でも黒い穴を見つける度飛び込んだ。

元の世界での一ヵ月が異世界では約一年だった。

一週間ほどで異世界に戻ると、季節が進んでいる事もあった。

元の世界と異世界は時間差のあるパラレルワールドだと自覚した。


 ベンは九十六歳で人生を終えた。

息子のダンが俺を家族として迎えたいといい。

アンと俺が十六歳になった時、結婚した。

こちらの成人は十五歳

聖女様も喜んでくれて祝福もしてくれた。

向こうでは家出を繰り返す不良、近くの剣道場で木刀を振り回す危険人物だ。

正月だけ実家に帰ったが、俺も彩もいない人状態だった。

彩が年々綺麗になって行く。

血の繋がりのない妹に俺は不思議な気持ちを抱えてしまった。


 異世界との行き来を決めた時、タバコケースの大きさのマジックバッグを購入した。

それを常に身に付け、ベンに貰った鎧と剣を小さいケースが吸い込んで収納する。

異世界でもこっちの世界でもマジックバッグごと持ってくることが出来た。

俺の不可解な行動も“流れてきた人”だからと咎められることはなかった。

ただアンが心配するので異世界でこのままの生活も考えた。


 異世界に行くといつも同じ街に出てくるが一度だけ森に出たことがあった。

いきなり野犬みたいな魔獣に襲われ、思わず剣を振り回し殺す事が出来た。

「レベルが上がりました」頭の中で声がした。

強くなるのが嬉しくてよく聖騎士達の魔獣狩りについて行った。


 聖女様は八十歳を超えていた。

力が弱くなってきたので次の子に変わる事を決めていた。

しかし、次の聖女として決まった娘のことを「力はあるが身体が弱く長くは続かないかも」と危惧していた。

そして、その次の聖女候補はなかなか決まらないと(なげ)いていた。


 アンが身籠もったのは俺が高二になったときだった。

異世界で生活することを決めたのに、息子の名前をレンと決めた次の日

アンは急逝してしまった。

俺は悲しくて異世界にいることが出来なかった。

ダンに子供を預けこちらに戻って来てしまった。

普通に生活して国立大学進学も決めて驚かれた。

大学入学前もう一度と覚悟を決めて異世界へと飛んだ。


 異世界では十五年も経っていた。

レンはアンの兄夫婦に育てられ、成人を迎えていた。

親だと名乗ることはしなかった。

どうみても年齢が合わない。

ダンも俺のことを友人としか言わなかった。


 聖女様も引退し、郊外の教会で余生を送っていた。

「もう異世界には来ないかも」と話すと、

「あちらの世界の二年後必ず来てください。この世界に必要な人です。必ず……」

「わかった。異世界では二十年程先になるが、それでいい?」

「お願いします」

約束通り次に異世界に行ったのは二年後・大学二年生の時だった。



ベンの息子ダン ダンの二人目の子供セン(息子)と四人目の子供アン(娘)となっています

元世界1年は異世界で約12年で計算しています。


読んで頂き有り難うございます。

感想等いただけると嬉しいです。

宜しくお願いします。

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